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詩集 ―Migratory Bird―

蝉時雨

今朝、一匹の蝉が空に羽ばたいた

地中から顔を出してまだ数時間だというのに、自らの殻を破り大空に飛んだのだ


実に長いこと潜っていたのに、空の飛び方なんていつ覚えたんだい

暗い土の中で、誰に殻の破り方を教わったんだい


白銀の蝉は答えることなく、真夏の太陽に消えていった

後に残ったのは、泥だらけでみすぼらしい抜け抜け殻だけ


飛んだ蝉は仲間と共に、何かを必死に叫び始めた

叫んで叫んで叫び続けて、七日間のうちに命を燃やしきる


たった一週間の灯は、誰の目にも止まらない

しかし彼らが残した魂は、決して止まない雨となる


蝉時雨よ、教えてくれ

お前が遺したかったものは、なんなんだい


答えを聞くその日まで、ボクはずっとここにいる

八日目の朝に、また会おう


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