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死闘の結果・・・

まず一点は、取ることが出来た。

ここで、ディフェンスも上手く得点を防げば、向こうの勢いを止められる。

いける、私なら・・・

この時、龍翔の空気がガラッと変わっていることに気づいた。

アスリートと似た異様な感じの空気。

「本気で行くぜ」

遅いドリブルで、まず様子見をしてくる。

ここは、下手に取りに行くとあっさり向かれる気がする。

私は必死に考える。

シュッ

急加速の左側を直進で、抜きにきたので、素早くコースを塞ぐ。

その時、龍翔顔は笑っていた。

私は、意味が分からなかった。

素早くスピンして、逆サイドに切り替えしてきた。

「それは、私の・・・」

反応できず、軽々と抜かれた。

そしてゴールを壊しそうなくらい盛大なダンクをぶちかまされた。

決めた後、きめポーズをして、龍翔は、

「お前の技真似して見たぜ。案外使えるな」

私は、硬直していた。

私のやった奴の数段はやいキレがあった。

さっきまででも目にも止まらぬ速さだったのに、今はさっきよりも一段と速い。

こんなの私じゃ勝てない・・・

それから戦いは、一方的だった。

勢いを完全にものにした龍翔を私は、何もさせてもらえなかった。

完全に私の動きから何から、全部読まれていた。

一方私は、龍翔の動きを読めない部分もあったし、読めた部分もあった。

でも読めても止められないし、読めないので止めようがない、その両方だった。

私は、愕然とした。

もうこれからバスケをする自信がなくなるぐらい、龍翔にボロクソにされた。

体から力が抜けていく。

「最後の一回、お前の心を完全に砕いてやる」

もう私は止める気がなかった。

そこまでの気力は私にはなかった。

それほどまでに龍翔のプレイは、華麗かつ残酷極まりなかった・・・

龍翔は、公園の一番端っこのほうまで、ゆっくりと向かう。

ゴールまでの距離は、12メートルくらいある。

つまりハーフコートラインからシュートを打つのと一緒の距離。

それを龍翔は・・・

バスン!!

女バスの両手投げのフォームで危なげなく決めて見せた。

私は、ただ立ち尽くすことしか出来なかった・・・

悔しい・・・

悔しすぎるよ・・・

龍翔は、こちらに向かってくる。

そして、嫌味っぽく聞いてきた。

「お前の番だけど?」

「もうお前の勝ちだよ・・・」

そういうと、龍翔は嫌な笑みを浮かべる。

「じゃあ俺のいう事を聞いてもらおうか」

私は、ハッとする。

そうだこれは賭けバスケだった。

それを思い出し、焦りまくった。

龍翔は、そんな私の姿を鼻で笑う。

「悪いけど、今更なしでしたなんて言わせねえよ」

低いトーンでそういってきた。

私は、覚悟を決めた。

「わかったわ。お前の望みを聞こう」

あごに手を置き、少し考えた後、凶悪な笑みを浮かべて龍翔は言った。

「お前はバスケ部をやめろ。」




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