死闘の始まり
私と龍翔は、学校から少し離れたところにある公園でバスケの1on1をすることになった。
ボールは私が持ってきているので問題なく対決できる。
私は、しおりを倒す。
だからそれ以外の奴に負けることは、許されないのよ。
それがお前のような素人ならなおさらな・・
龍翔は、笑みを浮かべて聞いてきた。
「この1on1、勝ったほうは、負けたほうに一つだけなんでもいう事を聞かせられる権利が与えられるっていうのはどうだ?」
何なのこいつ・・・
普通に考えて私の圧勝なのに、そんな賭けにもなってない賭けをする意味あんの?
でも、こいつはただ思い上がってるだけよ。
私に勝てるわけない。
「いいわ。その代わり約束守りなさいよ」
「ああ」
龍翔は、手を挙げボールをくれって合図をしてきたから渡す。
龍翔は、笑みを浮かべて聞いてきた。
「花火大会のときと同じで良いよな?」
「ええ」
「じゃあ行くぜ。」
サッ・・
「え?」
すごい速さで直進してきた。
私は一瞬にして抜かれた。
でも、追いつけない速さじゃな・・・
ドン!!
うそっ・・・
龍翔は、しおり並にジャンプしてダンクを叩き込んでいた。
「さすがにお前は、反応してきたか」
余裕の表情でつぶやく龍翔。
それを見て、山田の言葉が頭によぎる。
「今の龍翔は、だれも止められない」
その言葉の意味を理解した。
「なるほどね・・・。まさかこんな化け物になってるなんて面白いじゃない」
今度は、私がオフェンス。
いきなりスリー決めて・・・
龍翔は、それを読んでたかのようにシュートを打たせないように距離をつめたディフェンスをしてくる。
ならすぐ抜いて・・・
「そうくるのは、わかってる」
右に抜こうとしたが、抜けそうなところで、対処された。
ならここで、ロールで、反対側に抜けばいい。
この距離で、防げるかしら。
素早く逆サイドに切り返す。
一瞬反応が遅れた龍翔を抜いた。
でも、抜ききれてない。
ここは一旦様子み・・・
パン!
一瞬気が緩んだところをブロックしてきた。
「くそっ・・」
「少しはやってくれるじゃねえか」
私はかなり動揺する。
なんでこんな上手いディフェンスできるの?
私の行動を読んでるみたい・・・
「今度は俺の番だな」
龍翔は、いきなりシュートモーションに構えた。
どうせそれは、私がとりに来るのを狙ってるんでしょ。
でもそんな気配なくシュートを打った。
そのシュートは、すごい綺麗なループを描いている。
「まさかスリーまでできるの・・・」
嫌な予感は見事に的中する。
リングには、当たったもののゴールネットを揺らす。
「これで、お前は完全に劣勢だな」
「は?たかが二回決めたぐらいで・・・」
このクソヤローが・・・
さっさと取り返してやるわよ。
左側に直進。
龍翔は、的確にディフェンス。
ここで、私には秘策がある。
しおりから点を取ったステップバックからのシュート。
パッと素早く後ろに下がる。
そして龍翔と距離が出きて、フリーになった。
「これで一点目!」
龍翔はとめに来たが、届かない。
いいループのシュートがゴールに向かう。
スパッ
リングにかすりもせずにシュートはゴールに突き刺さる。
「あんまり私をなめないことね」
「やってくれるな」