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変化した日常の始まり

春が来て、俺としおりは、高校2年生になった。

とてもめでたいことだが、俺にとっては地獄の始まりでしかなかった。

その理由は、しおりがバスケ部に2年からの途中入部をしたことから始まった。

うちのバスケ部は、市内大会優勝が目標の大して強くない平凡バスケ部だった。

でもしおりが入ってからそれが一変した。

しおりは、全国制覇することを部の目標に掲げ、自分だけでなく、部内皆に厳しい練習メニューを強要。

それからたった一ヶ月で、うちの部活は生まれ変わった。

しおりの加入としおりのメニューがチームを格段に強くした。

今まで、市内大会優勝したことなかったのに、市内大会は、全試合圧勝で県大会進出を決めて見せた。

その後も快進撃は、止まらず県大会も優勝して見せた。

さすがに圧勝ではなかったが、他の高校より頭一つ抜けていた。

これにより、うちの学校は大騒ぎ。

マスコミや報道人の方々が学校によく来る。

しおりは、特にそれの的で、俺はそれを追っ払うために毎日苦労している・・・

もう勘弁して欲しい。

大群に押しつぶされそうになるのは、もうこりごりだ・・・

「全くいちいちうっとうしいのよ、マスコミ共」

しおりは、苛立ちのこもった声で、ぼやいた。

「お前は、ホントトラブルの原点みたいな奴だな・・」

俺は、言った後、自分が愚かなことを口にしたことを後悔した・・・

「なんか言った!?」

思い切りがんつけられて、俺は・・

「いえなんでもありません」

「そうよね。妹の活躍がうれしくてうれしくてしょうがないでしょ」

「うん・・・そうだね・・」

うん・・・

うれしいようでうれしくないよ・・・

俺は、お前の活躍のせいで、廊下を歩けないんだから・・・

この前なんて・・・

トイレ行こうと思ってトイレ行く途中・・・

通りがかりの2人の女子が俺のほうを見て・・

「あの地味な人白川しおりの兄だってw」

「ぱっとしなすぎて全然分からなかった」

「だって奴隷と神ぐらいの差つけられてるもんね~兄のクセにしょうもな・・」

・・・・・

なんでこんな事いわれなきゃいけないの?

まあこんなのたいしたことねえが、一番最悪だったのが・・・

「あれ白川しおりの兄じゃん」

「は?お前嘘も大概にしろ。自称兄に決まってるだろ」

「それもそうだな」

・・・・・

俺は、そんな痛い奴じゃない。

山田や優輝じゃあるまいし・・・

自称彼氏ならまだわかるとして、自称兄ってなんだよ・・

妹という存在にそんな思い入れはない。

「ていうか、部員の奴ら弱すぎて反吐が出るから、今日もみっちりしごかないと」

「お前は、鬼畜か?鬼畜なのか?ええ?」

しおりは、俺に笑顔を向けて言った。

「人に厳しく、自分に厳しく、毎日常に限界の果ての限界まで追い込むべしっていうでしょ」

こいつ・・・

どこでこんな風になってしまったんだろう・・

5歳のときは、甘えん坊で、泣き虫で可愛かったのに・・・

どうしてこんな恐ろしい女に育ってしまったんだろうか・・

その時、俺の頭に一つの言葉が思い浮かぶ。

力か・・・

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