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第8話


 そして一幕が過ぎ、少女に話しかけることにする。驚かせないよう浮遊魔法を解き透明化を無くす。

「お疲れ様ユイ」

「いえいえっ!」

 彼らが一歩階段を上がったところで彼女は気付き本を読むのをやめた。


「あれ? 佐藤君…… ? え、どうしてこんなところへ?」

「いや今日はいろいろあって……」

 それが嘘ではないのは確かだ。

「そちらの綺麗な黄色い髪の女の子はどなたですか?」

「まぁいろいろあって今度転校してくる子だよ。案内してるんだ」

「へー! よろしくお願いします。えっと……」

「ユイだよ! ユイでいいよっ、よろしくね」

「はいっ! 私は学美、鈴木学美です」

「まなみん?」

「あっはい!」

「まなみ〜ん!」

 美少女二人が抱き合った。抱き合ったままの質問だった。

「えっと佐藤君、それでここへ来たのは案内ついでですか?」

「それからお弁当の時間だから一緒にどうかなって思って」

「いいんですか私も?」

「あぁもちろんだよ」

「もらいものなんだけどこのお弁当どうかな?」

「わぁ! すごいですね。さすが王子って呼ばれてて、あっごめんなさい失礼なこと」

「いや構わないよ! さっきもここにいるユイさんに、もてあそばれたところだし……」

「へっへっへー!」

 自信たっぷりだった……

「へー! でも佐藤君が私やユイさんとか女の子と話してるの初めて見ました…… 最も入学以来話すのは初めてですけど、緊張します。えへへ」


 素直に可愛かった。

 しかし凛も確かに言われてみれば女子生徒と話すのは受け応え以外そうはない。

 今ここで無邪気に二人仲良くお弁当を開けるユイと彼女。


「ああ…… そういや入学以来喋ったことなかったね。学美さん」

 すると突然彼女が頬を染める。

「あのっ! いえその……」

「ん?」

「名前で……」

「あっごめんうちのクラス男子で鈴木他にもいるからさ」

「いえ、佐藤君がよければ構いません、私なんかにその」

「いや、入学以来ずっと可愛い子だと思ってたよ? 髪も手脚も綺麗だし、成績優秀だし、ただ俺は恋愛とかに無頓着だから意識したこはなかったけど、君が見てた雑誌の記事のアーティスト俺も好きだから気が合うだろうなとは思ったよ」

「うん! まなみんの髪綺麗だよっ、脚もサラサラで細いし」

「あの、嬉しいですけど恥ずかしいです……」

 凛とユイが手を差し伸べた。

「多分ユイは俺達のクラスになるから、これからよろしく頼むよ」

「よろしくです、まなみん!」

「はいっ! ユイさん、佐藤君」

 乾いた涙が再び出そうになる。


「まなみんドーナツ食べる?」

「ドーナツいっぱいですね。ありがとうございます」

 再びさっきのユイの食べ顔と近さを思い出す。しばらく何も喉を通りそうもない……

「そうだ。学美さん今日の放課後暇かな?」

「はい!」

「ユイの制服とかシャツやもろもろ必要なんだけど、男だけじゃ選べないものもあるからさ、手伝ってもらえたら嬉しいんだけど」

「はいっ喜んで!」

「いいかなユイ?」

「もっちろん!」

「さて、じゃあ放課後ここに集合で」


 学美と別れたリンとユイは再び姿を消した――


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