ろくわめ。弟の言うことにゃ。
長さや更新頻度のバラつきがひどい。かっこわらい。
カチャ…チャ…カチャリ…
こちらすねぇく。今、ターゲットの部屋の前です。後付けの鍵を外しているところです。弟は部屋の鍵を結構な頻度で変えてしまうので、いちいち合鍵を作るよりも普段から鍵開けのスキルを鍛えておいた方がコストパフォーマンスが良いと考えられます。そのための道具は常備してます。勿論、よくあるヘアピン鍵開けも可能です。
カチリ…ガチャン。
さぁ、鍵が開きました。天国への扉が今、開こうとしています。…エヘヘ。
カラ…カラ…カチン。
…弟のくせに小癪です。なんで引き戸に短いドアチェーンなんて付けているんですか。泥棒が入ってくるわけでもあるまいし。入るのは弟か私くらいなものですのに。
しかし、まだまだですね。まだ詰めが甘いです、弟よ。姉たるもの、大きめのニッパーくらい常備しています。姉としての嗜みの範疇です。
そーれ開けちゃいますよー開けちゃいますからねー。
「…姉貴、何してんのさ。」
「…お母さんが、起こして来いって。」
危ないです。見つかってしまいました。いつもはこのまま怒られてしまうのですが、今日の私は一味違います。今の私には、おはようドッキリという大義名分ミッションが課せられているのですから!
あ、そうでした。ドッキリでした。
「…朝だよー起きないと遅刻だよ……。」
「……。」
そんな冷たい目で見ないでください。グサリグサリと心に何かが突き刺さる音が聞こえるようです。しっぽもしょんぼりしているようです。しっぽ全体でいかにも『私、しょんぼりしてます。』という感情を現しています。こやつ、なかなかやりおるな…!
とりあえず、撫でてあげました。嬉しそうです。
「ちょっ!?お姉ちゃんそれ!」
お?焦ると私をお姉ちゃんと呼んでくれる弟は健在のようです。最近めっきり呼んでくれなくなったので少し寂しい思いをしていたのですが、癖というものは結構抜けないものですからね。
弟がまだ小さいころに調きょ…教育したかいがあるというものです!
それで、どうしたんですか?
「何首かしげてんだよっ!それ、尻尾どうしたんだ!」
「朝、起きたら、生えてた…?」
「何故疑問形なんだ…。」
がっかりした様子の弟可愛いです。すかさず速写激写連写!パシャリ!記録に残す為に!パシャパシャリ!ほああああぁぁぁああっ!パシャパシャパシャリ!
しっぽも興奮したように毛を逆立てています。
…ん?あれれー?弟の可愛いお尻から何か出ているぞー?とりあえず、激写です。パシャリ。
「どうすりゃいいんだよ…これぇ…。」
そうです。弟の腰にもしっぽが生えていたのです。こんな格好の弟は初めて見ますが…なかなかどうして似合っています。これは良いものです。パシャリ。
ちなみにですが。弟のしっぽはふわふわ。イヌの尻尾のようでした。弟としっぽ仲間になれたのは嬉しいんですが、しっぽの種類が違うのは少しがっかりです。
…パシャリ。
主人公の部屋には弟のアルバムが大量にあるという都市伝説。信じるか信じないかは、あなたしだい。
私の予想では多分あります。