よんわめ。お母さんとお父さん。
ママンとパパン。
「ごちそうさまでした。」
朝ごはん美味しかったです。やはり納豆と味海苔の相性はバツグンですね。間違いないです。
さて。学校を休むことになり、遅刻の心配もなくなったところで本題に入りたいと思います。
「…それは尻尾、でいいんだよな?」
「見た目はネコちゃんのしっぽかしらねぇ。」
オレンジ色にも似た明るい茶色に焦げ茶の縞模様がところどころに入った色彩。しなやかで、くねくねゆらゆらふらふらと揺れるしっぽ。長さは50cmくらいでしょうか。パッと見た感想は、ううん…えっと……なんていうかこう…。
…すごく、ネコのしっぽです。
ってあれ?先にお父さんが言ってましたっけ?まぁ、いいです。それにネコの、というよりはネコ科のしっぽといった方がこの場合正しいのでしょうか。私は生まれてこのかた16年間、ヒト科の生き物としてすごしてきたつもりだったのですが。人としての自信がゆらぎそうです。
「それで、ウチの美花ちゃんはいつからネコちゃんになったの?」
「知らない。朝起きたらこんな感じ。」
「一体どうすればいいのかしら…困ったわねぇ…。ねぇあなた?今日は会社を休んでくださいな。家族会議を開催しましょう!」
さすがは私のお母さん。目がキラッキラして楽しそう。私がお祭りとかのイベントが大好きなのは遺伝ですかね。オラ、ワクワクしてきたぞ!
「いや、しかし、急に休むというのもな…。会議もあるし…体裁も…。」
「良いじゃない!一日くらい!娘の一大事なのよ?銀君には私から話しておくわ!」
「純子やめてくれ!あいつにいらん心配をかけるんじゃない!休むから!お願いだ!」
さすがは私のお父さん。見た目は渋いお父さんなのですが中身がへたれらしく、交際も結婚もお母さんが押し切った結果という話です。昔にお母さんを取り合った銀さんというライバルに対して今も負い目を感じていたり。とにかくへたれです。
ちなみに銀さんは今お父さんの勤める会社の社長になっているらしいです。
さらにちなみに。お父さんを選んだ理由はお母さん曰く、
「見た目がアレなのにヘタレとかもう、可愛くてしょうがないわ!」
らしいです。
ちなみに僕はお兄ちゃんっ子です。そしてジジババっ子です。