67. 柊流李・・
それでも・・
(殺すっ!急げ!)流李
奴が俺に触れる前に渾身の力でこの喉を・・
「ドッ!」
「がはっぁあああ!」流李
「ケホ~~~っケホッ!ケホっ!」リオ
離れる手・・
俺の攻撃の手が・・
防御に回る・・
「このやろうーー!」大輝
かっ飛んで来た大輝が流李をぶっ飛ばす
なんだ?こいつ?・・・
「うおおお!手前リオをこのやろうー!」大輝
(ぐっ・・かはっ・・だ・・大輝君・・がんばれ)リオ
強いじゃねえか・・
(くっ・・折れやがったか・・肋骨・・)流李
無防備の横腹に思いっきり足から突っ込んだ大輝。
なんたる失態・・
思い出すのは巻の言葉・・
まだ大して喧嘩も強くなかった俺に
よく教えて・・言い聞かせてくれた・・
『ここ一番で勝てばいい。』
『ここ一番で負ける奴なら必要ない』
『ただ、勝てばいい。どんな手を使っても』
まるで呪文のように・・
俺を次の後継者にと育ててくれてる。
だから・・
「ぬおぅ・・おお・・ぅ・おおお・・ごほっ・・ぅ」流李
「なっ!お前、それ折れてんだよ肋骨!」大輝
立ち上がるが横腹押さえて苦しがっている・・
そして乱れる呼吸・・
「ごふっ・・ごふっ・・」流李
それも結構重症に見える・・
一本や二本じゃない?
それでも・・
殴り返す
「うおおおおお」流李
「がはあああああ」大輝
なんだ?本物の不良って・・こんなに強いのか?
普通もうギブアップだろ・・
「がんばれ!大輝っ」リオ
なんとかリオは、しゃべれるくらいまでは回復。
「待てぇ・・リオぉ・・」流李
「ひっ!」リオ
「ガッ!」
「なっ!行かすかぁ!このやろうっ!」大輝
まだ、大輝じゃなくリオに向おうとする流李
「このやろうっ!邪魔すんな!」流李
この、ポっと出ヤロウが!
殴られても・・殴られても・・
意識さえなくならなければ大丈夫。
離さないっこいつを・・
「くそっ!くそっ!」流李
何度も何度も振り払おうと大輝を殴る流李
「うおおおお!リオぉ!」大輝
「うんっ。うんっ。がんばれ!大輝!」リオ
「・・・・・・・・」巻
「・・・・・・・・」亜美
なんたるミス・・
なんたる失態・・
いつからだろう?
巻君が見てたのは・・
いつからだろう?
このリオが、巻を見て号泣してたのは・・
「・・もう止めろ・・流李・・お前の負けだ・・」巻
(えっ?・・どうして?・・)流李
すでに六本木に到着した巻達。
そしてこの騒ぎに気づいて見ているギャラリーの中から・・
「あれっ、柊じゃね?柊流李」
「知ってるの?」
「中学同じだった・・ほとんど学校来なかったけど」
「・・ギロっ!」
「・・ギロっ!」
「・・・・・・」巻
「・・・・・・」流李
「う・・うおっ・・」
「やべえよ・・逃げようや」
強力だ・・この二人のガン付けは・・
本当に睨まれただけで殺されそうだ
「ちっ・・人払いしろまずっ」中根
「はいっ」
(負け?・・俺が?・・じゃあ負けってことは・・)流李
「・・・大輝・・お前が喧嘩代表で出ろ・・」巻
「うおっ!・・マジで?」大輝
どうして・・
巻くん・・
いや、ふざけんな!
俺が今まで巻君の為にどれだけしてきたと思ってんだ!
それを、ポッと出のお前が代表?ふざけんな!
・・あれっ?
俺・・この大輝ってのに、なんで必死にしがみ付いてんだ?
あれっ?こいつが俺にしがみ付いてるのかと思ったら・・
俺がいつの間にか無様にこいつにしがみ付いてた・・
あれっ?・・動かねえ・・体・・
あれっ?いつ終わったの?殴り合いは?
一人ポツンと地面に崩れ落ちる流李
記憶が所々飛び出している殴られすぎで・・
「ごめんなさい・・謝るのもおかしいかもしれないけど」亜美
「いえ・・私もアナタをいつか殺そうと思った・・」リオ
口に出してはいけない事だが・・
「でもよかった・・」リオ
「・・何が?」亜美
「よしっ始めろ!」巻
「おおおお!」
「私のその嫉妬は、もう大輝くんの情熱が、
完全に撃ち落してくれました・・」リオ
「・・・うん・・・熱くていい男ね・・」亜美
「それでも少し残酷です・・」リオ
「元カレと今カレのタイマンか・・」亜美
どっちも負けて欲しくない・・
(・・えっ?)流李
何やってんの?お前等?
最終決戦?喧嘩と単車?
俺じゃあねえと中根には勝てないって・・渋谷が負ける・・
正直単車じゃあ巻君は、いいとこ引き分け・・
いや、引き分け狙いなはず・・
だから・・俺が出て、俺が勝たなければ・・
てか殺してあげる・・
どうせ、捕まる・・
すでに、リオに手を掛けた・・
必死で気づかなかったが、あれだけのギャラリー・・
不良以外にも顔も見られてるはず
殺人未遂まで行かないでも傷害・・
この俺がなんたるミス・・
きっと・・報道される・・実名で・・
最悪・・すべてがバレる・・
そしてきっと巻くんには捨てられる・・
でも『お水ルール』は大丈夫・・
これはギリセーフだ。
飛鬼はウチの傘下・・ただの内輪揉めだ。
ねえ巻くん・・俺を使ってよ・・捨てられてもいいから・・
大丈夫。骨折れてても・・噛み付いてでも・・
ただ勝つから・・
勝って巻くんの信頼を取り戻す・・
そして逃げ切るんだ・・
巻君の手で・・踊れ・・東京。
「六本木飛鬼三代目総長の大輝だ!このやろう!」大輝
「初代飛鬼総長横浜爆撃幹部中根だぁこのやろう!」中根
何、言ってるの?・・
俺まだ名乗ってないよ・・
巻親衛隊隊長、渋谷殺戮総長柊流李だあ・・って
最高だ・・。この響き・・渋谷殺戮の柊流李ってな・・
俺も渋谷じゃ三本の指に入る喧嘩屋だ・・
いや、二本か・・もう・・
巻君・・進藤君・・俺・・
「うおおおおお」大輝
「だしゃ!おらー!」中根
あの頃が一番楽しかったのかも・・
巻君と進藤君と俺で渋谷の不良と半グレを潰しまくってた・・
初期の四部夜・・
そして金と兵力を得て、でかくなった・・・
渋谷拳鍔?めっちゃかっこよかった。
入りたかったけど、俺は巻君の影で生きて行くと決めたから・・
そんな俺の気持ち分かって、巻君が頭下げて、
この俺に渋谷殺戮を継がさせてくれた。
お前には伝説がよく似合うって。伝説の裏のチームを。
ずっと憧れだった。巻君が・・
千夏さんとも一緒になって欲しかったのに・・
進藤君のせいで・・
そう・・進藤君のせいで・・
「・・ズル・・ズル・・・」
何?
誰?俺を引きずっていってるのは?
知らねえ兵隊だ・・一応渋谷なのか・・
邪魔だからどっか行けって?
いや・・これって・・
もう・・捨てられたの俺?
ねえ巻くん・・こっち見てよ・・
俺は、ここに居るよ・・
「・・・・・ぁ・・・・」流李
声出ねえ・・
叫ばないと巻くんに気づいてもらえねえじゃん・・
ねえ・・巻くん・・
この喧嘩の音がだんだん遠くなって行く・・
「・・・う・・おお」大輝
「ぶはははは・・」中根
「うおおぉ・・・・」大輝
「くっ・・このガキ」中根
「・・・・お・・」大輝
「・・・く・・・」中根
どれくらいだろう?
しばらく続いていたが・・
「・・引き分けでいいか?亜美・・」巻
「ええ・・引き分けでいい・・」亜美
「くそったりゃあ!」中根
「やった!がんばった大輝!」リオ
殴られても殴られても必死でしがみ付いて離さなかった大輝
明らかに中根の勝ちだが、
巻と亜美の心を動かした大輝の大金星の引き分けだ
「・・負けると何にも残らねえな・・流李君」
「あんな、ぽっと出に負けるなんてな・・」
「おっ・・決着付いた?引き分け?」
「あの大輝ってのが、しがみ付いて離さないんだよ」
「それにくらべて・・」
「ああ・・すぐ離しやがって・・」
「意外に根性ねえんだな・・流李君も・・」
何言ってんだこのやろうっ・・
俺がどれだけ・・
「早く離れたとこに捨てようや・・」
「ああ、もう流李くんを警察が捜してる」
「あのギャラリー、きっちりサツに言ってたな」
流李の身体的特徴・・
この流李がお水と一般人(大輝)を殺そうとしてたと・・
「しゃあ!ある意味勝ちだぞ!いやっ勝ったぁ!」大輝
「いや・・引き分け・・てかほぼ負け・・」リオ
「くっ・・すまん亜美。決めきれんかった」中根
「ううん。いいの・・最後はやっぱり・・」亜美
直接対決で。
このタイマン戦や次の方に全員が目や考えがいってるが、
巻だけは違う方を見てる・・
「・・・流李・・」巻
いつの間にか・・
流李を引きずって行った方を見ると・・
「がはっ・・」「うぐっうう」「いてえ・・いてえよ・・」
流李を引きずって行った兵隊が路上に倒れている。
まだ終わりじゃねえ・・
捕まるまで・・
あと一人・・
殺してやる。
「千夏さんや爆撃の総長来られました・・」
「うん。メイン通りに集めて・・」巻
ぞくぞくと新時代の主要人物が集まって来ている
「どうするんだ?メイン通りに行って?」中根
「くく・・俺が勝てるかも知れないって言ったら・・」巻
「ふふ・・変則ルールね」亜美
「ああ・・」巻
「いいわよ・・ゼロヨンでいいの?」亜美
ゼロヨン?最終決戦は?
「・・・突き抜けようや・・亜美」巻
「ええ・・新時代を・・」亜美
後、二話で終わります。




