62. 新時代の象徴
話しかけられた・・
ちょっとリオの前だからって、かっこつけた言い方しちまった・・
ハッタリだ・・俺の精一杯の・・
「・・・大丈夫?」リオ
「お、おうっ」大輝
冷静を装ってるが少し震えてる・・
そりゃ・・
「あれが・・東京一の悪党・・」大輝
「だね・・」リオ
鳴り響いている・・何もかも・・
そして・・
「・・・リオの・・好きな人・・」大輝
「・・・・・・・」リオはやさしく笑うだけ
勝てそうにない・・何もかも・・
いや、好きって情熱なら・・
「かっ・・帰る。あっ、挨拶しといた方がいいのかな?」大輝
「難しいね・・微妙・・」リオ
何て言って?
さきほどは声掛けて貰ってどうも?
そんなのあの有名人じゃ毎回すぎてウザがられるよな・・
「もうちょっと・・居る・・」大輝
「うん。」リオ
だって足震えてるし・・プルプルって・・
夜の街で遊べば遊ぶほど、
この有名人達のすごさが分かってくる。
このリオだって六本木の不良チームの大将だったし・・
(とにかく落ち着こう・・飲もう・・)大輝
一方、巻は愛羅のテーブルで・・
「色々とあったから・・・」巻
「うん・・巻の、その切なそうな顔見たら分かるよ・・」愛羅
進藤を殺したのは色々と複雑な事情があったと・・
「彼女と別れたんだって?」愛羅
「情報早いね。どこからかな?」巻
リオから聞いた?おしゃべりだな・・リオも・・って・・
「本人から・・」愛羅
「えっ!?」巻
「いらっしゃいませ巻君♪」香奈
「えっ!・・・香奈ぁ・・・」巻
ふふ・・・
まだ、六本木の恋は、私の手で踊る・・
「じゃあ、ちょっと香奈ちゃんヘルプお願いね。」愛羅
「はいっ」ってやさしく笑う香奈
なんだ・・この地獄みたいなキャバクラは・・
リオの視線が気になる・・
言いたそうな事がよく分かるよ・・
ヨリ戻すなよって?
「元気?」巻
「それなりにね」香奈
どうして?・・
「ここ?お店変わったんだ・・」巻
「ええ。私も今、女帝を目指そうと勉強中」香奈
なるほど・・やっぱいいな・・
やるならやっぱ六本木一の激戦にと突っ込んで来たか・・
「へへ・・今何番?」巻
まあ、愛羅さんはいつだってナンバー1って分かってるけど
「まだ5番以内にも入ってない。ここじゃあ」香奈
「そっか・・」巻
元カノでも一流であって欲しい・・・
愛した人は・・
「リオちゃん今日中根さんとアフターだってよ」香奈
「えっ!?あの人ここ来るの?」巻
「出勤前にたまたま街でバッタリ会ったんだって・・」香奈
「ふ~ん・・。」巻
それアフターって言うのかな?
何かアフターって言葉を利用してるだけなような・・
俺に気を使って?・・
いや見られたりした時の言い訳?
「んで、あの子が新しい彼氏候補だって・・
もうチューはしたみたい。」香奈
「だから?」巻
「正式には付き合ってないんでしょ?リオちゃんと」香奈
「・・・そうだね」巻
どうしたい?・・・
俺を揺さぶって?
「ああそうだ、私新しい彼氏が出来そうでね。
三流の不良だけど・・」香奈
「・・俺の知ってる人じゃないだろうね?」巻
やめてくれ・・
「知らないよ。ただのここのお客。
昔、少し悪かっただけって20代の社長さん」香奈
「へ~・・」巻
もう当然エッチもしてる?
いや、してる。ガキじゃねえんだ・・・
出来そうって事は、何度かそういう事があってからか・・
香奈の唇に目線がいってしまう・・
香奈が・・、この口は、もう他の男のモノを銜えて・・
「おまたせ。代わろっか香奈」愛羅
「はいっでは。またね、巻君」香奈
「うん。」巻
冷静を装ってる・・・
何気ない会話から・・
「ああそうだ、私、今告白されててね・・」愛羅
「へ~・・いいんじゃない。
愛羅さんが悩むってのは勿論相手は一流でしょ?」巻
どうしたの・・みんな・・
「いやっ、三流の顔だけのホストだけど、
すごく私のこと好きって言ってくれてね」愛羅
「へ~・・」巻
止めてよ・・
そんな男・・
一流は一流と居てよ・・
「かわいいから、もう貢いでやろうかなって・・」愛羅
「止めといたら・・」巻
これくらいで止めとこう・・
でないと俺がクソだせえ・・
「・・さて、そろそろ帰るね」巻
「あらっ?そう?うん。またおいでね」愛羅
愛羅が入って来た客に気づいて、軽く手を上げた・・
相変わらずの人気だ・・
「リっオった~ん、ちゅーして~」大輝
「ははは。駄目駄目~」リオ
リオがテーブルの下でこの男の手に軽く触れてるのが見えた
「きゃっ、駄目ですよ」香奈
「だって、綺麗な太ももなんだもん。
今日アフターしてよ香奈ちゃんっ」
香奈が客に太ももに手を置かれている。
それ以上奥に滑り込んで来ないように、
ガードで相手の手の上に自分の手置く香奈。
「じゃあまたね、おにいさん・・」巻
「んっ?あっ!はいっ!。えっと、どうもですっ」大輝
(バカだ俺!盛り上がってて、本気で忘れてたぁ!)大輝
「・・・・・・・・」巻
(すごい顔・・・気づいてないや大輝君バカだから・・)リオ
巻の冷め切った顔に気づくリオ
まったく気づいてない大輝
なんだろう嫉妬?
いや、
もしかしたら、今なら間に合う?
いや、今しっかり繋ぎとめておかないと、すべて終わる?
愛羅・リオ・香奈・・今なら・・・まだ?
「私も送りしてあげる」香奈
「うん。おいで香奈も」愛羅
「うん。ありがと。
ああ・・そうだ・・
リオに夜暇なら電話しておいでって言っといて」巻
(ふふ・・今一番違う男とセックスしそうなリオを取った・・)愛羅
(ふふ・・誰だって元カレと会うってなれば・・)香奈
一度・・いや過去に何度もセックスしてるんだ・・
対した躊躇もなく、それに久しぶりってのがあるから
すんなり受け入れるんじゃ・・そう思ってしまう。
(止めてよリオ・・俺の事好きなんでしょ・・)巻
好きって言ってた女が、離れていくのは、
もったいないというか・・
急に誰にもやりたくないって思いが込み上げてくる。
店の入り口で愛羅と香奈にまたねと言って、
外に出れば・・
「じゃあまたね中根っ」亜美
「おうっ、単車から降りるなよ。捕まえられるぞ
勝手に一人で六本木遊び歩きやがって・・」中根
(亜美っ!?)巻
「えっ!?・・巻ぃ・・」亜美
(ふぅ~っ・・ふふ・・)巻
少し、ため息交じりの笑いが出る。
何やってんだ、こんなところでバカヤロウ・・かな
「ごめん、今日無しにしてよ抗争・・
たまたま遊びに来ててさ・・」亜美
「ああいいよ。俺も今日はオフだから。てか、偶然だね・・」巻
「そうね・・」亜美
くく・・嘘付けよ・・
分かってるんだよ・・こっちも女だから・・
必然だろ?偶然じゃなくて・・
「・・会いたいから
行きそうな所ウロウロしてたくせに・・」香奈
「・・女から見たら、
くだらないお芝居だってよく分かるって・・」愛羅
知ってるよ。お互い好きなの・・
だからせめて・・恋だけは・・
「じゃあ、ありがとね~大輝君」リオ
「あれっ?みんな送り?」大輝
この子に勝たせたい。
今一番巻を愛してるハズのこの子に・・
誰よりも、何もかも要らないからと、思ってるこの子に・・
もしくは・・いや、もっと簡単に言えば・・
リオが駄目なら、せめて亜美とは、くっ付けさせたくない。
そして女帝にするなら、
この香奈かリオに、ならせてやりたい。
熱い情熱を持ったこの二人のどちらかに・・
「ここで叩かないと、
どこまでも上がってくるよ・・あの女」愛羅
「分かってます。新時代の最強のライバルです」香奈
分かってる・・
飛び切り似合ってる・・
この六本木が。いや、新時代が・・
その逸材が巻と組めば、
この香奈とリオの時代はきっと来ない・・
「千夏にそっくり・・少し前の」愛羅
「へ~巻君のおねえちゃんか」香奈
「あっ・・そうかも・・似てる。
服装と髪形変わったら・・」リオ
今日は単車だが、私服で髪もストレートの亜美
普段は、お水!・・って感じの髪に服装だが・・
「あれっ?今日もりもり、まきまきの髪じゃないんだ?」巻
「あっ・・うん。今日は気合入ってないね・・」亜美
亜美の嘘だ・・
逆にっ・・だ。気合はバリバリだ。
「似合うじゃんシンプルなのも」巻
「ははっ・・そう?ありがと」亜美
ちょっとした会話をして・・
「・・・他所で・・落ち合わない?」巻が小声で・・
「・・・・・・いいよ。」亜美
「じゃあ・・」亜美
「おう・・・」巻
お互い違う方向に消えていく・・
もう確信だ・・お互い。
こいつと・・
深く、どこまでも・・
絡み合いたい。
現役じゃあトップ同士・・
今、男は巻、
女は亜美なんて言われてる
新時代の不良の象徴だ・・
俺等が・・いやっ・・
始まりも分からなければ、終わりも分からない・・
この俺達の恋が・・




