61. 六本木の恋の海
15億の金・・
抗争の前に、こっちの方が大事だ。
渋谷の事務所でも東京のドン達に念を押される
「返しなさい。そうすれば丸く治まる」
「ああ・・ウチも巻家には、お世話になってる・・」
「でも、利子が5億って・・」
「何とかします。
少しまとめるのに時間がかかるとお伝えください」千夏
「ええ。来週までには・・」巻
あたる所は・・
「ありがと原西君。絶対いつか返すから」巻
「大丈夫だ。お前なら取りっぱぐれはないし、
元々お前の金だしな・・」原西
まず原西から拳鍔の資金を借り入れ・・
巻の全財産と合わせて・・
「10億か・・」巻
そして・・
「ゴメン。増えもせず、減りもせず・・ただ・・」千夏
亜美に渡した一億の為に・・
「4億しかない・・」千夏
「あと、一億足りない・・」巻
それでも、メンバー達が、
必死で千夏達が金に困ってるっていうから・・
「千夏さん、これっ!すげえっしょ!集めたよ」コバヤ
「う・・・うん・・ありがと・・」千夏
200万だ・・
まあ、普通の不良って言えば、これでもすごいくらいだ。
「あと一億足りないって行ったら腰抜かすなありゃ」巻
「200もすごいんだろうけど・・」千夏
「上の人は当然貸さないだろうし・・」巻
「・・愛羅なら持ってるかも・・」千夏
それか消えた進藤の2億5千万か・・
もしくは・・
「亜美か・・」巻
「・・・私も、色々当たってみるから・・」千夏
だが一億持ってる奴なんて、よっぽどじゃないと居ないし・・
「いや~・・貸せないわ・・巻家恐いもん」
「やっぱそうよね・・」千夏
下手に関わりたくはない・・
結局、現実的なのは亜美の一億か、
消えた進藤の2億5千万・・
「・・・聞いてみようかな・・亜美に・・」巻
なんとか連絡先を入手して・・
「なんだ?巻から電話?」中根
「どう決着つけるかかな?」
「ルールの確認か?・・」
実際は・・
「ごめん・・運営費で5千万ほど使って・・」亜美
残り5千万。それでも・・
「負けてくれたら貸してあげるよ」亜美
「・・・考えとく」電話の巻
結局、消えた進藤の金を追う事に・・
最悪、五千万ほど借りれれば、亜美の五千万と合わせて一億・・
だが・・
「えっ!?」原西
「何っ!?わかった?誰か?」巻
拳鍔と湯島の情報網を使いやっと辿り着いた・・・
「パタっ」
「・・・・・・・・・・・・・・」原西
「どうしたの?教えてよ」巻
原西がノートパソコンの画面を巻に見えないように閉じる。
「ちょっと・・考えさせてくれ一日だけ・・」原西
「・・よっぽどなんだね・・いいよ」巻
巻が帰り、原西はしばらく一人で考えて、電話を掛けだす。
「はいっありがとうございます六本木レーザーです」
「すいません、拳鍔の原西と申しますけど、愛羅さんに・・」原西
六本木の愛羅の店では・・
「・・愛羅さん、お電話です」ボーイ
「うん。誰?」愛羅
「会社から・・」ボーイ
「・・うん。すぐ行く」愛羅
会社ってのは、急ぎで重要な電話だってここでの隠語だ。
「リっオたん指名でぇ~」大輝
「いらっしゃ~い」リオ
店内は平和だ。
「負けたんだってね・・」大輝
「そうだね。」リオ
じゃあ・・
「不良引退?」大輝
「そうなるのかな・・」リオ
この男何かと理由付けて・・
「じゃあ付き合ってくださいっ俺と!」大輝
「いや・・・好きな人が居るって言ってるよね」リオ
「いいじゃない。付き合えば」
電話から帰ってきた愛羅が通りすがりに・・
「でしょ!俺、誠実だし」大輝
「わかってる・・」リオ
「信頼もされてるし」大輝
「してる・・」リオ
「男前だし」大輝
「乗ったね・・調子に・・」リオ
もう通り過ぎた愛羅が最後にポツリと・・
「・・巻が狙ってるわよ・・アナタ」愛羅
「嘘っ!?どして?」大輝
「・・・・あっ!」リオ
店の入り口で・・
「愛羅さん指名ね。」やさしく笑う巻
「はいっどうぞこちらへ」ボーイ
思考回路より早く行動する男・・・
あの原西と別れた後すぐここに直行。
(くく・・見た・・愛羅が事務所に入ってた・・
用が有るとしたら電話だ・・)巻
携帯を知らないから、店に直で掛けるって奴は・・
今、この状況なら・・
(原西君が愛羅に相談した・・・・)巻
普通この状況なら、
やはり、元カノで信頼もあった愛羅が濃厚・・
「いらっしゃい、巻」愛羅
色々な思いはあるが、そこは愛羅だ。
「うん。ちょっと、トイレっ」巻
巻が席に着いてすぐトイレに・・
トイレに向かう先には・・
「アフターしてよ~お願いだから~」大輝
「いっつもじゃん、最近また調子・・あっ。へへ」リオ
「にっ」っと笑う巻と目線が合ったリオ
きっと巻はトイレかな?
たった通り過ぎるだけでもうれしくなってしまう。
巻が周りに気づかれない程度で軽く笑いリオに手を挙げる
そしてゆっくりと、
大輝とリオのテーブルを通り過ぎる時に・・
「スンっ・・」
「・・・最近悪党の匂いがするね・・おにいさん・・」巻
「・・・・・何の事やら・・・」大輝
違うよ・・
ただ・・溺れただけ・・
この深い・・六本木の恋の海に。




