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街賊悪漢 新東京屑  作者: 火村虎太郎
===あと二人===
60/73

56. ・・・狂恋・・・

あの件の了承・・・


「ああ・・金も積んだらしいね。」

「俺にも相談して欲しかったけどな・・」

「いや・・関係者かも知れないけど」


「でもいいかもね。こんな時代だからこそ」

「なんだ・・そのこんな時代だからこそって・・」

「まあ才能はあるし。センスいいから楽しみ」


「はいっ。ありがとうございます。では・・」巻


「・・・・?」千夏

「・・・・?」愛羅


まだ巻が何やら裏工作を・・


だがもう一つの憎しみが・・


「巻ぃ・・・・・」愛羅

「・・・はい・・」巻


どんな理由どんな考えが有ったにせよ・・

かわいがっていたけど・・


「ウチには・・リオって言う、いい後継者が居る・・」愛羅


「にっ」っと笑う巻


「いつでも、どうぞ・・」巻


飛び切りの不良で生きて行こうと決めた時から覚悟は出来てるが、

許せれる事じゃない・・


きっとリオのケツ叩いてるはずだ。

巻に東京取らすな・・いや巻を取れと・・


だがリオは巻の手の中・・



「ああ・・・明日の葬儀だが・・」


密葬・・


「ご家族の意思でな・・」


愛羅以外は身内のみ。


まだ謎の多い進藤

巻と出会ったのは19の時だ。巻が高1世代の時

それまでは15~19までは少年院。

渋谷に出て来て巻に潰されて・・



ドンや女帝達が・・


「でもセンスいいよな。本当新時代の連中」

「街賊悪漢って」

無頼部隊ぶらいぶたいってのもかっこいい」


「俺は無双無上龍でエースオブドラゴンってのがいい」

「ちなみにウチを今風に変えたら?」

「そうだなぁ・・」


プレジェイ・・

最近は漢字表記に変えるか、

チーム名の前に、何か難しく意味の分かりづらい言葉を入れるか



「・・もう、帰っていいんだよ・・」総長

「えっ?」巻

「そうなの・・分かりずらいけど・・」千夏


勝手に喋り出したら、もう帰っていいよ・・らしい。



「・・じゃあ・・失礼します・・」巻

「失礼します」長山

「・・失礼します」愛羅


総長と千夏は、このままお付きだ。


「なっちゃん(千夏)、お茶頂戴っ」

「はいっ」千夏


「髪とペン!」

「はいっ」総長


紙にスラスラ書き出し・・


「狂犬喧嘩集団希少大量銀貨泥棒猫!」

「だせえよ」

「うん・・犬と猫二匹出たし・・長い・・」


「じゃあ・・貴重品盗賊遊覧船プレジェイ」

「だせえ・・」

「センスねえ・・」


正式名称は、プレミアジャックポット(後付)らしいので・・


本当は街の飛び切りの物(者)を、

すべてを奪う・・から、プレミアジャック


まさしく・・


「街賊悪漢でいいんじゃねえか?」

「もろ、パクった・・」

「いや、あっちがパクったんだよ!こっちが本家本元~」 


結局、東京無双街賊悪漢プレミアジャックに・・


この盛り上がりを余所に・・

千夏と総長が端っこで会話


せめて・・


「花だけ認めてもらおうか・・」総長

「ええ・・戒名も新時代のみんなで・・」千夏


進藤の葬式の事だ。密葬だがせめて供花だけでも・・



東京に途切れる事の無いくらいの花を・・・


進藤という飛び切りの不良がこの東京に居たと、

誰にも分かるように。


~~~~~


翌日、小さな葬儀場で執り行われる進藤の葬式


まだ朝早く何の準備も出来ていない斎場

だが、その周りには・・


「なんでっ!せめて、俺・・いや・・」原西


斎場に集まりだす拳鍔のメンバーや東京中の不良達。


「いえっ、ご家族の意思で・・」係員


葬儀場に入れてもらえない原西。いや原西でもだ・・


「だったら・・だったら・・せめて巻だけでも」原西


原西が感情的に入り口の係員に・・


例え殺したのが巻でも・・それでも・・

巻に進藤との最後の別れをさせてやりたい。


「・・・いえ・・ご家族の意思ですので・・」係員

「・・そうですか・・分かりました・・」原西


目を閉じれば、今でも渋谷に居た二人の笑顔を思い出す。

本当に謎だ・・

特に二人の仲の良さを見てきた原西からすれば・・


何があった・・?

二人の中で・・


(・・俺が気づいた時には、もう進藤君は巻と居た・・)


渋谷で・・

いや、その前から・・


「・・今日は、よそう・・考えるのは・・」原西


まず出来る限りの最高の葬儀で進藤を送り出してやらねば・・


そして昼頃から並び始める供花


「すごいな・・・」

「ああ。どこまでも並ぶな・・」


東京中の不良がチーム名や個人名で送られた花


小さな斎場を飛び出しどこまでも並んでいく花

道沿いに並んでいくので迷惑も掛かっているが・・


「いいのこれ?」警察

「上からのお達しで、

 夕方には葬儀終わって片付けるからって・・」警察


原西の考えをせめて手助けしてやるアウトローのドンや女帝達


(渋谷・・渋谷まで届かさせてやる・・)原西


この港区にある小さな斎場から・・


まるでその花を渡って進藤の魂を渋谷に戻って来さすかのよう・・


この花を取り仕切るのが原西だ。

だが、これが簡単な作業じゃない・・


「原西君、二代目のエースオブドラゴンからも花来ました!」

「おうっ、じゃあ・・そこの横に・・」原西


花にも序列が必要だ。

不良チームで言えば東京爆撃隊やエースオブドラゴンなど・・


新しく大物が来たら並び替え・・

また来れば並び替え・・



本当に誰も参列出来ない葬式。

それでも泣き崩れる愛羅抱えて入って行くリオ


「始まるぞ!並べぇ!」原西


それでも路上に花と共に整列する若者達・・


「・・・このたびは・・」長山

「・・末端にでも立たせてください・・」亜美


拳鍔以外の主だった不良もこの葬儀に参加


「ありがとう。

 いや、ぜひ主役達は進藤君の見える位置で・・」原西


僅かに聞こえてくるお経の音

それに、まだ端の方では花を並べる若者達。


「渋進院殿純義誠忠大居士?」亜美

「ええ・・戒名ですが、千夏さん達が・・」原西

「近藤勇?」長山


少し、いや新鮮組の近藤勇の戒名にそっくりな戒名だ。


「いいじゃない・・渋谷を進んだ?渋谷の進藤?の

 純義・・忠誠・・・」亜美

「かっこいいな・・」長山

「ああ・・いいの付けてくれたよ・・」原西


「・・・・・・・・・・・」亜美


千夏達が付けた・・・


すでに亜美の思考回路がフル回転だ。


(純義・・忠誠・・・巻に?・・)亜美


本当に何があった?巻と進藤に・・


(進藤がウチに来るのを恐れた・・なぜ?・・)亜美


きっと千夏、愛羅、総長は、もう理由も分かってるはず・・


(この三人の誰かが分かった?

 いや、誰かが知っていて、話したのかもう・・)亜美


もう隠す事もないはずだ・・進藤が死んだならば・・


(それに密葬・・千夏も総長も来てない・・

 ご家族の方も誰やら・・)亜美


だが、翌日に亜美は、なんとなく理由が分かる事となる・・

これの事ではないかと・・



葬儀も終わり、愛羅とリオが、

斎場の外に並んでいる不良達に頭を下げる。


その頃やっと渋谷にまで最後の花が飾り終える


「・・・マジか!!?・・」

「丁度この最後の花で渋谷まで辿り着いた・・」


キリよく・・拳鍔の溜まり場まで・・


運命なのか・・

宿命なのか・・


最後に送られた花・・

いや序列的にも最後方に置かれた花・・


「パアアアアアン・・」


進藤を乗せた霊柩車が斎場を出発する。

ずっと見つめる不良たち。

あの中に進藤・・異端の天才・・

いや悲劇の天才・・不運な天才が居る・・


長い少年院生活が無ければ、時代を変えていた男・・


「・・すいません・・遠回りですが・・」愛羅

「ええ・・お花見せてあげましょう」リオ


霊柩車は、ゆっくり街中に並べられた供花を見ながら渋谷へ。

花と共に並ぶ不良達も最後まで見せてあげたい。

こんなにも、みんながしてくれてるよと・・


「意外に人気あったんですね・・」リオ

「不良としては一流だったよ・・」愛羅


ただ強すぎて、嫌われていたというか・・


「よかったね・・いっぱい来てるよお花・・

 東京爆撃隊・・エースオブドラゴン・・」リオ


丁寧に進藤に聞かせるよう一つ一つ花の名前を呼んでいくリオ


「音速喧嘩無頼部隊横浜爆撃・・・五反田・・錦糸町・・」リオ


知らない名前や、知らない不良チームまで・・


ゆっくり渋谷に入り・・


「あそこでUターンします」運転手

「ええ・・」愛羅


だから最後の花がヤケに目に付く・・


「あれは拳鍔の末端の兵隊・・次はウチの兵隊・・」リオ


まだ続く花の説明をするリオ

進藤にやさしく教えるように・・


「じゃあ、ここで」運転手がハンドルを切るのが・・


ちょうど拳鍔のたまり場前・・


最後の花・・

一つだけ違うように思える・・

特別に、これだけ輝いてるような・・


狂恋きょうれん・・・」リオ


「ウォン・・」


「なっ!まっ、巻!」愛羅


ここに回って来るのを読んだのか・・

巻がすでにここに居て、

気づかせるように止めた単車のアクセルを軽く吹かす

花の隣でやさしく微笑む巻が、霊柩車をやさしく見送る。


最後の別れ・・・


そして


初めて乗った単車に・・明らかに暴走族系の格好・・

しかも分かりやすい・・特攻服に髪も上げて


見せ付けている・・。花と共に・・新しいスタートを・・


東京無双の街賊悪漢ここにあり・・ここ不良の聖地に。



「・・狂恋黒華きょうれんくろばな・・三代目渋谷爆撃・・・」リオ



アウトローの激しい恋の華・・



古今無双の伝説のチームが・・・

何十年の空白から、この新時代に蘇る・・


伝説の復活・・




咲き乱れそうだ・・


どの時代よりも・・


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