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街賊悪漢 新東京屑  作者: 火村虎太郎
===新時代の不良達===
6/73

6. それでも・・

次の日の六本木のキャバクラに出勤してくる女の足取りは軽い。


「おっはよー」香奈かな

「うん。おはようっ今日は元気だね」店長


「おお~香奈どうした?今日気合入ってる!」キャバ嬢

「へへ~わかる~?」ウキウキの香奈


「昨日の人でしょ?うまくいったんだ?」キャバ嬢

「うんっ。でも・・・」香奈


初めて会った日で抱かれてしまった事・・

うれしいけど・・お金を貰ってしまった事・・


そう、巻と付き合う事になったキャバ嬢香奈


「有名らしいよ、渋谷の方じゃ・・」

「あれ、渋谷の大将だよ。

 私渋谷も遊びに行くから知ってるけど」

「昨日も深夜に一人で大立ち回りしてたよ」


「えっ!?」香奈


昨日の夜は、香奈とホテルに行き、

タクシーで先に香奈を自宅まで送り・・


(また六本木に来たんだ!?・・あれから喧嘩?

 そうなんだ・・やっぱ不良なんだ・・)香奈


「・・知らなくて付き合ってって言ったの?」

「うん・・なんか・・輝いてたって言うか・・」香奈


運命を感じたなんて、嘘っぽくて言えない・・

でも、何か・・


「ふふ・・分かるよ。好きになるって・・」

「うん。理屈じゃないよね」

「へへっうん。」香奈


恋をすれば

女も輝く・・


「んっ?あの子いいな~。あの子指名いい?」お客さん

「はいっ香奈ちゃんですね。」ボーイ


「香奈ちゃんっ三番テーブル場内指名ねっ」ボーイ

「はぁ~いっ」香奈


「うん。いいね。お金も掛けてるね」店長

「そうですね。まだ歴は短いですが上がってきますね」ボーイ


生真面目に昨日貰ったお金で新しいドレスに、

髪に爪・・


「一番肝心な足元もばっちりだね。

 いい男ならちゃんと見てるよ」店長

「ええ。いくら顔や髪、服が艶やかでも、

 足元が汚れてたり、古かったりすれば台無しですから・・」ボーイ


そう・・巻が昨日見ていた物・・

何人か回ってきた女の子の足元をずっと見てた。

香奈は大したお金は掛けてないものの、

それですぐ分かる、その子の清潔感。


今日だけで滅多にない場内指名が三つも入った香奈


だが・・


チラチラ時計を見て気にする時間


(・・今日は来てくれないんだ・・巻君・・

 せっかく気合バリバリなのに・・)香奈


昨日の今日でお店に来てとは言えないし・・

普通の、おはよーメールでも、

何か営業メールに思われるのも嫌だし・・



「すいません。もうお時間が・・」ボーイ

「いいよ、10分でも。香奈指名ね」


営業時間終了まであと10分のこの時間に・・


「香奈ちゃんっ!急いで!香奈ちゃん指名!」ボーイ

「えっ!はいっ!」香奈


もうみんな帰り支度していた所に飛んで来るボーイ

生真面目な・・いや・・まだと思っていた香奈・・


まだ今日は終わってない・・


『んにゃ~~~』っと、笑う香奈


「・・声に出せよ・・」巻


巻が閉店時間10分前に入店

声が出ずに、もう満面の笑顔の香奈


「うん。いいな。」巻


そう・・言われたかった。新しいドレスに・・


「スっ・・」


軽く触る髪に、香奈の指先を手に取る巻


(へへっ)香奈


この人は、分かってくれる・・気づいてくれる。



「ドンペっ・・」巻

巻が注文を頼もうとした時に香奈が巻の口に手を当てる


「セット・・ハウスボトルで、お願いします」香奈

「はいっ。かしこまりました」ボーイ


「・・なんだよ・・売り上げにもなるし、

 俺ドンペリ飲みたかったのに・・」巻

「もうっ!10分じゃ一杯位しか飲めないでしょ!」香奈


それでも昨日来た時に大勢で大金を落としてくれたので・・


「少し帰りの女の子等で

 騒がしいかもしれませんが・・」ボーイ

「ええ。こちらが遅く来たのにすみません」巻

「へへっありがと。店長によろしく」香奈


店長がさすがに10分はと思い、香奈だけを残し、

せめて30分位は飲めるように。


「遊びなれてるね」店長

「ええ・・まだ17らしいですが」ボーイ

「はあぁ!?17なの?・・」店長

「ええ・・あれ香奈の方が一つ上なんですよね」ボーイ


「昨日、あれから喧嘩しに来たんだ?」香奈

「ははっ・・もう広まってるのか?」巻


「でも、どうしてあんな深夜に?」香奈

「ああ・・」巻


本物の悪党は、深夜一時以降・・

チャチな悪党・・仕事師や学生なら、この時間には帰宅だ。

真夜中にたむろする連中が本物・・


「まあ、本当の夜の顔が見たくてね」巻

「もうっ、一人だったんでしょ?危ないよ・・

 相手三人居たとか・・」香奈


まあ、夜の街の噂なんて早いもんだ。

客からキャバ嬢に伝い、キャバ嬢から客に伝い・・


「・・へへっ・・勝った?」香奈

「もちろん。」巻


挨拶代わり・・・

こないだ渋谷に来た六本木歩兵連隊の奴を見つけ粉砕


隣に座る香奈が他から見えないように巻の手を握る。



「飯食って帰るか?」巻

「・・・・・」(もうっ・・ほんっと、あのお客・・)香奈


タイミングいいのか、悪いのか・・

今日モテモテだったので・・



「終わったら電話して来いや」言わずとも分かる巻

「うんっ。ありがとっ電話する」香奈


香奈はお客と食事に。

巻は・・


凱旋。渋谷に・・


高鳴る感情・・


きっと居る・・

この俺の凱旋に・・


言えない感情・・だせえ感情・・

草食で冷血な不良を演じきりたい・・


しくじると、

すべての嘘が剥がれ落ちそう・・


それでも・・



会いたい・・



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