40. 突っ込んで・・
「コバヤ、駄目だ。ガードが固ぇ」
「もう店の前、兵隊だらけだ」
「くそっ・・」コバヤ
店から出てきたリオを狙う予定だったが、
当然、飛鬼の連中が徹底してガードを固める。
大体『俺の女にしてやる』なんて、
童貞のコバヤの中二病だ。
いや結局コバヤにしろ、中根・長山にしろ、巻に憧れてるのだ。
クールな最先端の不良で金持ってて色んな女と寝て・・
すでに六本木と渋谷の顔・・都会の不良、巻に。
この三人は基本センスも無いんで大体特攻服だ。
まあ、これならセンス無いのも分からないし・・
「飛鬼がガードで、歩兵が遊軍か・・」
「くそっ簡単に取れねえか・・」コバヤ
だが、ルールを知らないコバヤだったが・・
「えっ?関係ないとこが、急にやっても駄目?」コバヤ
「らしいぞ、エースから伝令だ。もしやるんなら・・」
手を上げろと・・
チームで。この抗争に参加すると。
「参加表明か・・たった三人だぞ・・ウチ」コバヤ
「参加すりゃ、残機一機ルールだ・・」
「それでもリオ捕まえたらは、おいしい・・」
喧嘩に負けたら、基本傘下に入るか・・
「リアルに金でもいいけどな。一括で」コバヤ
「ああ。金は次に繋がる。」
「それも新時代だよな。街賊じゃねえかそれこそ・・」
負ければ月々幾ら払うとか、一括で幾らとか・・
まあ、名目上はステッカー買わせたりとか、
連合の運営費だとか言っての回収だ。
拳鍔が街賊って言うのも、これからもきてるものだ
街のチーム潰して金奪って・・
過去、巻が渋谷の不良共をひたすら撃破して撃破して、
そうして作り上げたのが四部夜だ
「・・・湯島は?」コバヤ
「長山は湯島の奥で鉄壁のガード。
遊軍に池袋歩兵や他所から合流した爆撃系の兵隊・・」
「さすがに突っ込んでこねえよ・・」
残機一機ルールなのでイケイケの長山も、とりあえずは安全策
「エースにも爆撃系が流れてきて兵隊増えてるしな」
「なのに最前線か?あの野郎(巻)は」コバヤ
「こっちは行き成り突っ込んできたな」
まるで罠のように誘っている・・・
「来ねぇな・・いきなり大乱戦期待してたのに・・
遊びに行くか・・」巻
巻はキャバクラに。
だが動き出す・・
いや動かしたのは、爆撃総長。
「来いやっおらっ!」総長
「総長っ残機一機ですよ!こんな六本木のど真ん中に・・」長山
「大丈夫か・・」
「でも逆らえないしな・・」
「まあ、考えがあるんだろ・・」
六本木に長山を連れてきた総長。
ただ眺める事しか出来ない湯島爆撃
「そこ立て・・」総長
「えっ?このフェンスの横ですか?」長山
「ガチャ!」
「うっ!!」長山
「爆撃が守備だ?防御だ?
舐めてんのかコノヤロウ!」総長
「なっ!、長山の片手、手錠でフェンスに繋げたぞ!」
「ヤキ?いやっ・・でもこれじゃあ・・」
「・・・一時間後に来てやる・・
それまで誰も手を貸すな・・」総長
「くっ・・」長山
強烈な教育・・・・
「おいっ行くぞ」総長
「・・押忍!」
引き上げていく爆撃
「くく・・・」
「ひひ・・・」
「ぶはは・・」
この甘い匂いに釣られて集まってくるクズ共
「ガチャ・・ガチャ」
外れるか少し引っ張る長山
だが当然無理だ。せめてもの救いは利き腕が使える事・・
「くそっ・・」長山(なんでも来やがったぞ・・)
「くく・・巻君も呼ぶべよ」
「くく・・ウチ(六本木歩兵)にやらせろや」
「飛鬼が連合でいいポジション取れるチャンスだな・・」
「俺ぁ抗争関係ねえけど、昔長山に殴られた事あんだよ・・」
「俺にも殴らせろや有名人をよ」
(くっ・・一時間?・・
意識失って動かなくなれば・・負ける・・
残機一機が無くなる・・これで俺の青春が終わる・・)長山
「しゃああー拳鍔で取ったれー」
「わははは潰したれー」
「うおおおおおお」
「しゃあ突っ込め!」
「くっ・・このやろう!来るなら死ぬ気で突っ込んで来いやっ
湯島爆撃参上だコラぁ!」長山
「うおおおおおおおおおおお」
だが、あっという間に押しつぶされて行く・・
これが現実だ。
(くそっ!・・くそぉ・・痛ぇよぉ・・)長山
「おらっ、ガードしてんじゃねえぞ!」
「殴らせろ!殴らせろ!俺にもよ~!」
六本木に人だかりである。順番待ちしてる者達も居るほどだ。
「まぁ・・荒い子育てね・・」亜美
「ははっ」中根
これを近くで見てる二人
「並ばないの?憎んでるんでしょ?」亜美
「くく・・・今は、まだ。・・・勝手にやり合え・・」中根
(ふふ・・変わってきたわね。新時代の不良に)亜美
「居たよ・・ほらっコバヤ」亜美
「おうっ、じゃあちょっと行ってくるわ。また後でな」中根
(じゃあ・・私は・・)亜美
必然だ・・この二人が繋がるのは・・
「あっ押忍。お疲れさまです」コバヤ
「お疲れ様です中根さんっ」
「お疲れ様です」
「おうっ」中根
唯一コバヤと同じ匂いのする先輩・・
敵同士だったが嫌いじゃない先輩だ。
「えっ?あの亜美さんを頭に?」コバヤ
「ああ・・知ってるだろ?
何度か街で腹空かしてたから奢ってやったって」中根
「はい。お世話になってます・・」コバヤ
「実はすでに資金の提供を・・」
「はい。少ないけどがんばれって、お小遣いを・・」
すでに亜美の手の中だ・・
まあ、今なら誰が転がしても転がるコバヤだ。
「新派閥立ち上げるぞ・・・・」中根
亜美を、愛羅やリオのように・・
勧誘だ。勿論こんないい話はない。
だが少し悩もうかと思った。
言うても、元・飛鬼。
一緒になれば、もう千夏さんの所には戻れないと・・
だが、後に続いた言葉に一発でやられた・・
「情熱持った悪党だけで東京取ろうや。
その後、好きな女でも抱こうや」中根
「ははっ」コバヤ
俺を認めてくれてるこの人は・・
そして俺も東京取れば・・千夏さんも少しは俺の事・・
いや、何より巻を潰したい。
「なあ、コバヤそうしようや。俺等だけじゃ正直無理だよ」
「ああ。中根さんも相当強いしよ。頭になってもらおうや」
「ええ。中根さんこれからよろしくお願いします」コバヤ
「おうっ。今はまだ動くなよ。それが亜美の指示だ」中根
弾かれた者同士だとくっつきやすいものだ。
(正直助かった・・欲しかった女帝候補が・・)コバヤ
チームを運営していくには必要だ。金・華。
一時間後の六本木
「・・・ひゅぅ・・・・ひゅ・・ぅ・・」長山
「かかかっ、すげえじゃねえか、片手でこれだけ倒したのか?」巻
長山の周りに倒れる人・・人・・人・・
そりゃそうだ、生きるには勝つしかない
すべて蹴散らすしか。
だが、もうわずかな気力で息をするだけ・・
顔は腫れあがり血まみれ。
だが心は折れてない。
例え、巻の攻撃を受けようとも・・・
「ドッ!」
「ガクンっ」
「ははっ倒れたよ・・一発で・・」巻
「さすが巻君っ」
巻がやって来て長山を殴打。
倒れるが、まだ僅かにピクリピクリと動く長山
「んじゃあ最後、顔面マン蹴り(本気蹴り)しちゃいますか」巻
(・・・終わる・・もう・・・耐え切れない・・)
(終わった・・湯島終了か・・)
(くっ・・湯島が終われば・・バランスが崩れる・・)
周りで見てるギャラリーでも分かる事だ。
次で長山は完全に意識を失う・・
だが・・
「巻ぃ!!」
「待てこのやろう!」
「潰せ~拳鍔だあ」
「巻取りゃ、大金星だぞ!」
「んっ?あっ!爆撃っ。すっげー人数で総長まで」巻
「やべえ巻君!今こっちは数人しか・・。」
「逃げよう。負けたら抗争が終わる。ここは安全に」
(う~~ん・・でも、これ取れば・・)巻
勝ち・・巻の。
(勝ちだこの抗争の。リオはすでに俺の手の中。
いや、待てよ・・これで長山取って、
でもそのあと爆撃に俺がやられれば・・)巻
リオの勝ち・・いや、愛羅の。
だが、これは巻の勘違いである。
遠くから・・
「取れっ巻ぃ~!!」進藤
「しゃああ!」巻
一瞬で動き出す巻。躊躇無し。
遠くで進藤の声が聞こえた。取れと・・
そう、取れば爆撃が敗北なので、もう巻に手は出せない。
出したとしても無効。
巻の蹴りが動き出す。
それを阻止しようと・・
「うおおおお」
アスファルトだとか後の事も考えず、
横っ飛びで突っ込んでくる爆撃の兵隊。
総長に届かずとも、せめて巻に届けば蹴りの軌道は変わる。
(間に合え!)
(潰せ!巻!)
双方の想いが交錯する一瞬の間・・
「つっ!」
「ドガッ!!!」
「うおっ!」
「なんだそれ!」
「いっ・・たああああああい!!」
嘘だろ・・・
やっちまった?
蹴りが突っ込んで来た兵隊によって僅かにズレ・・
「うわああああん」
近くに居て不意に飛び込んで来た女に当たる・・
女・・いや・・・
お水に・・・
「うわああああんあんあん」亜美
(亜美っ!)巻
「くっ!とにかく病院!」
「今のは事故だ!事故!!無かったことに!」
お水・・・
お水・・・
お水ルール・・・
(くく・・飛べっ・・巻ぃ・・わはははは)亜美
さよなら・・
この東京から・・




