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街賊悪漢 新東京屑  作者: 火村虎太郎
===新時代の抗争===
38/73

34. 花の彷徨う亡霊

変わらない毎日のようにしてる・・


とはいっても、やはりリオとの事が頭から離れない。


(行くか・・今日も・・)巻


なんだかんだ言ってもそれなりに武闘は続いてる。

息抜きみたいなもんだ、闇討ち・急襲・襲撃・・


~~~新宿の雑踏~~~


「くそっまたやられたな・・」

「ああ・・どこだ?隠れてゲリラ攻撃しやがって・・」

「爆撃系だけだな狙われてるの・・」

「もう明日から一人で行動するなよ」


爆撃系の兵隊の会話である。


(ちっ・・警戒しだしたか、まあ地味に効いてるな。)巻


実際人数の減ってきた新宿の守備隊は、

本当に守備しか出来なくなってる。

六本木に応援に行かせれるほどの戦力はすでに居ない。


湯島も同様に誰かが攻めてると千夏さんからのメールだ。

これは、きっとリオのゲリラ戦・・


だけど・・・


今日は千夏さんと久しぶりに六本木の高級マンションで会う事に。

まあ、作戦会議みたいなもんだ。


「湯島は中途半端にやられたら困るんだ・・分かる?」千夏

「はい・・」巻


取るなら取る。

取ってエースが駐屯するかしないと・・


「まるで私の鎧が朽ちていくよう・・」千夏

「じゃあ一気に叩きますか?」巻


「・・・・・・」千夏

「・・・・・・」巻


冷ややかな目で千夏さんに見られる。


どっち・・どれだ?その目は・・

良心に恥じるところは多々ある・・


「・・愛羅の店行ってるんだって?」千夏

「はいっ。もう引退してますし・・」巻


それか・・リオの件ではないか・・

さすがに気づいてない・・


俺はこれが新時代最大の嘘だと思ってる。

ここから始まり、これで構図が出来たような・・


てか初めて千夏さんの口から『愛羅』って言葉が出たな・・

あれから何度か愛羅の店に遊びに行ってる俺

まあ、目立つしバレて当然だ。


「熱くなってんの?」千夏

「いえっ・・」巻


いつからだろう?

なんか言葉使いも変わってきた・・俺が・・

意識しすぎだ・・

嫌われたくないって・・


いや熱くなってる・・

でもこの人は冷ましてくれる(覚まして)


「・・全部脱いで自分でして・・声出さずにね・・」千夏

「・・・はい。」巻


千夏さんを見ながら声を押し殺し・・


「・・・うっ・・く・・」巻

「・・まあいいか。最後出たけど・・」千夏


引き戻される。千夏さんに・・

その後はやさしく口付けてくれる。

強引に豪腕に引き戻される。


もう何もかもアナタに傾いて行く・・



「最近進藤と連絡は?」千夏

「・・先に聞いていいです?」巻


「どうぞ」千夏


「千夏さんと愛羅さんって・・」巻

「ただ気に食わないだけ・・」千夏


まあ、そりゃそうか・・

どっちも、もう上に上がる事は確定だけど・・


どっちが上かは決着付いてないような・・

いや、嫉妬というか・・


どっちかって言うと千夏さんは、ポっと出

短期間を超絶なスピードで駆け抜けた・・

愛羅はすでに中学時代から有名で、

早い段階から上から目も掛けてもらってたみたいだし・・

いわばエリートの愛羅に叩き上げの千夏。


しかも上が複雑・・

千夏さんを気に入ってるのが、大女帝とその弟子(中)

愛羅さんとリオを気に入ってるのが弟子の弟子・・(小)


ここのマンションは大女帝の弟子・・間単に言えば中女帝

愛羅・リオを気に入ってるのが、小女帝


「どれが好き?」千夏

「うわっ・・すごい事聞いてきた」巻


俺の緊張を取るというか、

言葉使いを悪い方に戻してくれる。

本当この人はすげえ。


「このマンションの・・かな」巻

「ふふ・・」千夏


理由は聞かないで・・

シュっとしてて・・クールで・・千夏さんみたいだから・・


さて進藤君との連絡だが・・


「今日会うよ。ウチの事務所で」巻

「うん。今度一緒に飯でもって言っといて」千夏


「・・・・・」巻

「あれっ?はは・・言わなくていいや」千夏


分かってくれるこの人は・・

ただの嫉妬だ。何も無いとは思ってるけど。


はっきり聞いておこう・・


「千夏さんと愛羅さんの抗争ですよね?」巻

「違うわよ。アナタの抗争よ・・」千夏


俺なのかな?

世間じゃ。渋谷VS六本木みたいに言われてるけど・・

渋谷大連合に、表には出ないが愛羅の為に動く歩兵・・爆撃

主役は、千夏さんと愛羅さんだと・・


「アナタが突き抜けられるか、弾け飛ぶかの・・この新時代で・・。

 突き抜けた奴が勝ち・・

 そしたら私も単車も全部持って行きぃ」千夏


「わはっ」巻


って満面の笑顔で千夏さんに抱きついて行く。


この人は分かりやすく言ってくれる。


突き抜けて・・

突き抜けて・・

俺も全部欲しい・・


エースオブドラゴンも単車も、伝説も

渋谷も六本木も、

千夏さんも。


だから俺が勝てばいい・・


千夏さんと愛羅さんは勝っても負けても

俺より一歩先に引退、上に上がっていく・・

その後に上がってくる人物に俺がなるように。


この人とまだ上もある・・

いや俺でありたい。この人の隣に居るのは。


だが、一つだけどうしても聞けないことが・・


(あの指定グループ発表の時渋谷の組事務所にリオも来てた・・

 千夏さんは気づいてないのか忘れたのか、

 愛羅が居るからシカトしたのか?

 忘れただけで、ただの愛羅の兵隊と思ってるのか?・・)巻


よく考えたら、あの時リオが呼ばれたのは、『中根の彼女』

だからと思ってたが違う・・

だったら、ウチの香奈も呼ばれてる。


あれはチームXの頭として呼ばれたんだ・・

後で分かれば、あの時女帝達が笑いを堪えていたのが良く分かる。


(なかなかの演技力だったな・・リオ)巻


チームXって呼ばれた時、『誰っ!??」って感じで

キョロキョロしてたな・・


タクシーに乗り込み渋谷に向かう

ここから渋谷までは割と近くて10分もあれば到着だ。


~~~渋谷~~~


久しぶりの事務所だ。

事務や金の事は原西君がしっかり管理してるから、

俺と進藤君が自由に動ける。


「ガチャ」「おっはよ~」巻


「あっ、お疲れ様です団長」

「お久しぶりです団長」

「巻君お疲れ様です」


久々に団長って言われる。

街賊だから・・まあ窃盗団ね。


「おうっ。」進藤

「おう。これ、おみやげの予定だったけど・・」原西


「・・・ャァ・・」巻


(うっ・・)

(目付きが変わったっ)

(やっぱ恐ぇえ)


この『おみやげ』見れば、自然と奇怪な声が出てしまう。


後ろ手に縛られ、裸で正座している男・・


「ヒュンっ・・」っと飛んで行き


「バキャァ!」


「ぐぱぁ!!」


「グフゥ・・グフゥ・・」巻


「巻、止めろっ!」原西

「ちょっと待て巻っ!」進藤


原西と進藤が必死で巻きを引き離す。

巻が殴った後、馬乗りになり素手で目をえぐろうと・・


「くふっ・・くふっ・・ふふ・・」巻


(完全にイカれてやがる・・これが巻だ・・

 止めなければ間違いなく殺すまで行く・・)


(躊躇ない・・何も聞かずに弾丸のように突っ込んで行きやがる)


ここに居る人間は巻の恐さを知ってるが再認識させられる。

普段の巻からは想像の出来ない、

スイッチが入った時の攻撃性・凶暴性。


「違う。巻、落ち着け!」進藤

「ああ。たとえ敵だとしても、

 殺したら制裁でウチが潰される!」原西


お上のルールか・・火気・刃物禁止・殺すな・・か。


「うう・・ううっ・・」震えている裸の男


「ああ!?」巻


震えている・・。大した事ない不良・・。



よく見れば、若い・・下手したら、中学くらい?



「そうだ、罠だ・・」進藤

「ああ。あぶねえ、あぶねえ、殺したら大変なとこだったよ」原西


「・・・誰だ、お前?」巻


そう・・

確かにあの時居た不良発表の時に・・

『横浜・・』って言葉に『・・はい』って返事をした・・


「ああ。五十嵐じゃねえぞ、こいつ」進藤

「攫って身分書やら調べたら、まったく別人だ」原西


くく・・・


やるじゃねえか・・五十嵐・・


すでに名前だけ一人歩きしてる五十嵐。

そりゃ唯一個人で不良指定されたくらいだ。

頭も切れるんだろう・・


「でも俺詐欺の連中に五十嵐を・・

 いや、それが駄目でもこいつから接点を探れば・・」巻


「いやっ・・まだ何も出てこん・・」原西

「こいつも金で雇われただけのガキだ。」進藤


渋谷で遊んでいたら、大人に声掛けられたと・・

一応それなりに不良してるみたいだ。



「いたぶっても、本当に知らねえみたいだし

 大体中学生相手に、もっとひどい事も出来ねえ・・」原西

「このガキ、拳鍔のステッカー持ってたくらいだしな」進藤


「はは・・」巻


最近のガキの不良でウチに憧れてたらしい。


確かにうまい考えだ・・

素人の中学生にやりすぎれば上に何言われるか・・

下手したら潰される・・


とにかく悪党の振り装って、

横浜って言われれば、はいって返事してくれればいいか・・


「もう、帰っていいぞ」進藤

「はいっ。すみませんでした。」中学生


急いで出て行く中学生


「・・・一応追え・・」進藤

「もう追ってる・・」原西


「どうしたの?何も出ないんじゃ?」巻


「いやっ巧妙なのか・・」進藤

「ああ・・俺も本物と思い込んだよ・・」原西


身分証明書見たら・・


「五十嵐?」巻

「ああ。たまたまなのか・・」進藤

「いや五十嵐って名前の奴を探して連れて来た・・が妥当」原西


なるほど・・五十嵐って呼ばれれば、

確かに、はいって答えるなそりゃ。

んで、俺等が簡単に確認したら、五十嵐本人だと勘違いして、

下手したら殺すまでの拷問か・・


なるほど・・指定されるだけあるこの新時代に・・

いや、これこそ新時代の不良か・・


だが迷走・・あの原西が・・

四部夜のすべてを動かしても、この身代わりを捕まえただけ・・


「上に聞けば分かるが・・」原西

「いや、関与しないって言ってるからな、

 それに聞けば聞かれるって事だ」進藤


「うん。まあ教えないでしょ・・賭けてるみたいだし」巻


確かに教えてくれるんなら、

俺達の情報も相手に教えられるってことだ、


それはただ双方寿命が短くなるだけで得策じゃない。


だが一人歩きする名前・・武勇・・伝説・・

まるで、この新時代を彷徨う亡霊のよう・・



「本当に居るのか?五十嵐って?」原西



いや居る・・。まだ・・居やがる・・・



嘘の翼を持って、


この東京を舞う奴が。

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