32. くそ舞えっ!。
「終わって三人で、ご飯行きますよっ」リオ
「ああ・・いいけど。」巻
そういう流れで、もうお店も予約してるらしい。
だけど・・
「香奈ちゃん今日アフター本当に食事だけお願い」お客
「ええ。いいですよ」香奈 (しょうがないか・・)
「トン・・トン・・」
「・・・・・」冷ややかな目でリオを見る巻
この会話が聞こえた瞬間、巻の手を軽くトントン・・と触れる
「・・・お前香奈に、手~出したら殺すぞ・・」巻
「勿論っ!お水ですから。ルール守らないと!」リオ
さすがに気づく巻。
リオの手回しだ・・
香奈が巻のテーブルにやって来て・・
「ごめんっ、遅れて行く・・
もしかしたら食事は無理かも・・」香奈
「うん・・聞こえた・・・アフターね」巻
まあ、よくあることだ。
これはリオの手回しだけど・・
「ご飯来れなくても、その後飲みましょうよ」リオ
「そうだね。なるべく早く行くから」香奈
嘘ってこんなにも胸が痛いもんなのか・・
でも、ここまでして二人で会いたいって事は、
何かそれなりのもの・・本当に愛羅さんと進藤君が?
先に進藤君にも聞いてみてもいいが・・
(リオは、まだ俺が・・)巻
リオがチームを率いてるのを気づいてないと思ってる。
(分からない・・俺をおびき寄せてチームXで取る?
いや、俺を取ったとこで抗争はひっくり返る事はない。
進藤君も居るし・・いやっ!?)巻
俺は、まだ撒き餌?
もしこの抗争を傾かせるようなサプライズって言えば・・
(いやっ、そう・・。俺ならそうする・・)巻
俺で千夏さんを釣る。
千夏さんの居ないエースなんて力半減だ。
ウチ(渋谷大連合)になびいていた爆撃系も湯島に流れるかも・・
(えっと・・今、戦況、力関係は・・)巻
よく頭の中で考える。
爆撃本隊を除けば・・
エースオブドラゴンと拳鍔で全体の40%?
歩兵六本木池袋で 20 湯島20 チームx10 飛鬼9
五十嵐が1%ってとこか?
「・・すっごい考えてる・・」リオ
「・・ああ・・わりぃ・・正直分かんなくてよ・・」巻
やっぱ年下相手だと、自然に言葉も悪い。
態度もでかいのかな?自分じゃ気づかないけど・・
でも正直よく分からない・・アナタの考えが・・
結局釣られるしかないか・・
いやっ飛鬼と合わせても、たかだか19の戦力
ほっといてもいいか?
だが、強固な湯島を突破するには欲しい・・リオの10が・・
大連合だけで突破は出来ても後が困る。
戦力が20位に下がれば、今度は池袋や六本木の歩兵にやられる。
結局、今はどこも本隊ごと動けない状況だ。
(伝説になってるしな・・押しまくって負けた戦争が・・)巻
過去の東京の不良の抗争で、
圧倒的に押しまくって負けたチームの事は誰でも知ってる・・。
(だから、もっと磐石にするには・・)巻
サプライズが必要だ・・
だが、もう組むとこ・・
(ねえな・・どこも弱い。それに逆に脆くなる・・)巻
どこでも毒でも飲めばいいってもんじゃない。
理想は分からないが、困る事は分かる・・
「湯島に歩兵が、合流したら・・」リオ
「・・・・今、歩兵は頭不在か・・」巻
なるほど・・理解してるなリオも
釣られてみるか・・
リオの予約した個室の焼肉屋に向かう。
ま表通りにあって、別に罠って空気でもなさそう。
個室に入るなり・・
「・・・っ」
「・・・・・何してんの?」巻
「・・キス・・」リオ
背中にやさしくリオの爪がくい込むのが何か切なく感じる。
そこから少しだけ抱き合ったまま・・
いや、抱きつかれたままか。
てか、どうしたらいいやら・・
「ガタっ・・」「失礼しまーす」店員
って、音にとっさに反応して離れる二人
巻は何もなかったかのように奥の席に。
注文を済ませ・・
「ジュー・・」
「・・・やっちまった?」巻
「いえっ・・」リオ
いや、やっちまっただろ・・
あれから一言もしゃべらないリオ
「こないださーー」
「へーー」
個室でも上は筒抜けになってるから、隣の客の声が気になる。
これに気づいて、なるべく小さな声で会話。
「いや、正直に言うと・・」リオ
「うん。もうどうぞ・・全部」巻
「好きだった・・・」リオ
「俺が?」巻
「コクっ・・」と、うなずくだけのリオ
「・・・止めてよ・・どうしたいの?」巻
「・・私、愛羅さんに拾われる前、何してたと思います?」リオ
(ん?えっと・・今高1世代の16だろ・・
キャバ歴は一年・・経ってないのか・・数ヶ月
じゃあ中学卒業して・・すぐ位の時か・・
愛羅に拾われて、それからキャバ嬢か)巻
「・・私、中学卒業して『シブヤ』に居たんです、
期間は短かったですけど。」リオ
「ああ、そんな感じだね。格好も雰囲気も」巻
最近のギャルって感じだ・・
肌も日サロか、少し黒いし。
確かに渋谷が好きそうで、渋谷に居そうなギャルだ。
「・・・違う・・」リオ
「えっ?何が?」
「四部夜・・一部、二部の・・窃盗してました四部の末端で」リオ
「えっ!?ウチの?」巻
これは衝撃だ・・じゃあ・・
「・・・・当然進藤君を知ってる・・」巻
「・・・・・・・・・・・・ええ。鉄也君も」リオ
長い間・・
そして、その後を言うな・・
俺が・・・討ち取られる・・・
リオが仲良く写った写メを見せながら・・
「・・千夏さんも」リオ
「トクンっ・・」
「トクンっ・・」
「トクンっ・・」
千夏・・愛羅・・
この二人の間を彷徨った小さな才能の船・・
そして、今飛鬼をほぼ仕切り・・
自身はチームXを率いて爆撃潰し・・
ウチの香奈もほぼ手中にしてる・・
女帝の一人と愛羅にかわいがられ・・
何より、千夏さんを知っている・・
「毒でも食えってか・・」巻
「はい・・」リオ
「もう別れてきました・・中根とは。
でも飛鬼は、まだ私の手で舞います・・」リオ
「・・有名だったのにね・・
・・六本木史上最高傑作の純愛って・・」巻
舞うか・・
いい表現だな・・
お前の切ない恋のメロディーで六本木が・・か・・
俺の、『踊れ』とは、違う。
舞う・・舞え・・
他人任せじゃない・・
導くのではなく、導かせる・・
操るのではなく、指揮で舞うか・・
手の中ではなく、その手で・・か。
いやっ・・違う・
そうか・・小さな才能と夢が今・・
やっとお前が舞い出したのか・・
この華・・
女帝に認められるだけある・・
あっさり捨てるか?・・クソ愛した男を・・
その夢の為に・・




