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街賊悪漢 新東京屑  作者: 火村虎太郎
===新時代の抗争===
35/73

31. もし時代が動くほどの・・

「えっと・・こっちか?」巻


六本木に詳しいわけじゃないので、

貰った名刺に書かれてある地図を頼りに路地を進む。


メイン通りから僅か一本裏道だが・・

明らかに怪しい通りだ。


目の前から歩いてくる二人組も・・


「最悪だな・・ボラれたな」

「六本木でもあるんだな、悪質なキャバクラ・・」


「・・ねえ、それってどこ?

 間違えて入りたくないからさ」巻が通行人に話し掛ける


「んっ?ああ・・そこの看板・・」

「微妙な金額ぼったくるんだよ・・」


通報されないようなギリギリの値段・・


「まあ、質が悪いからボラれたって感じかな・・」

「ああ、接客がよければ許せる範囲だけどな・・」


「ありがとっ。気をつけるね」巻




(うん・・確かにここだ・・)巻が名刺を見ながら


いつしか助けてもらった亜美というド派手なキャバ嬢の店


行かねばならない・・

この女、千夏さんの事を知っている・・


(千夏って名前だけなら、知ってる奴もいるが・・)巻


俺に言って、揺さぶった・・


『ふふ・・私、千夏って言います・・ふふ・・嘘。』


(か・・。いずれにせよ、俺が巻と知っていたし、

 きっとエースの頭が千夏さんだと知ってる・・)巻


いやっ・・助けてくれたから、もしかしたら千夏さんの友達?

だが、これが巧妙な罠だったら・・

それに怪しすぎる・・この店構え・・


「んっ?お兄ちゃんどう?安くしとくよ」ボーイ

「・・・・・」巻


もう声の掛け方で低レベルな店だと分かるな・・

それじゃあキャバクラってよりも風俗だ

看板も少し手入れが悪く汚れてるし・・

このボーイも無精髭だし・・


「今日亜美って子居る?」巻

「んっ?ああ・・辞めたよ、亜美ちゃんなら・・」ボーイ


(一見じゃねえのか・・よく来るな・・こんな店に。

 六本木なら他にいい店いっぱいあるのに)ボーイ


(辞めた?先週だぞ・・名刺もらったの・・)巻


「どうする?新しい子つけようか?

 料金は変わらずだけど」ボーイ


「・・・そうだね・・せっかくだから遊んでくよ・・」巻


まあ、ちょっと高いって位・・まあよくて倍くらいだろ・・



「いらっしゃ・・あっ!巻君だ!」キャバ嬢

「はは・・お忍びだから・・」巻


最近お水には結構有名だ


「うそっ?さすが巻君。プチぼったのウチでも、

 お構いなしに遊びに来れるんだね」キャバ嬢

「まあ、ぼったでも来るけど、ここは初めて」巻


それなりに盛り上がる。

他の帰りだす客達は・・


「ええ?・・ちょっと高くない?」

「いえっ、これが当店の・・」ボーイ


「女の子も、ずっと黙って座ったままだったよ」

「よく教育しときますので・・」ボーイ



「・・どうせ次来ないってなったら、

 まともな接客しないよね。そりゃ適当になるよね」キャバ嬢

「俺は客少なくて好きだけど」巻


「ははっ、そういうお客だけだよ。ちゃんと接客するの」キャバ嬢

「はは、指名してあげる。名前は?」巻

「カナ。巻君の彼女と一緒」カナ

「・・・・・面倒くせ・・」巻


悪くないルックスに、こんな所のキャバ嬢なのに、

清潔感もあるし。気も利くし・・


他の子は、最悪。

チラっと見れば、

脱ぎ捨てられたサンダル・・

靴脱いで接客してるような子とか。

携帯いじりっぱなしの子とか・・


てか香奈も有名になってきたな・・


だがここは巣に最高だ・・

聞けばオーナーもバック(用心棒)を探してたらしく・・


「巻君、拳鍔で面倒見てくれないかな?」オーナー

「でも、上(暴力団)は?」巻

「払ってるけど、こんな裏路地の安いみかじめ料じゃ、

 なかなか来てくれないのよ・・」オーナー


まあ、元々プチぼったくりの店だから、トラブルはしょちゅうだし

確かに、この辺り組事務所からも遠いし・・


だから、両方にみかじめ払うから来れる時にって事で


(理想だ・・拳鍔の兵隊を・・)巻


「じゃあ二人ほど、拳鍔の人間ボーイで雇ってくれる?」巻

「ええ。よろこんで」オーナー


(なるほど・・これなら暴対法にも引っかかる事ないし、

 直属の兵隊も置けるから双方に便利。さすが巻やん)カナ


でもキャバ嬢よりか遥かに高い時給でね。

トラブルあれば来るってよりも、もう居るし、

俺の護衛にもなるし・・


「さすが巻やんっ」カナ

「ぶっ!・・巻やん・・って・・」巻


ははっ・・また違ったタイプだな・・

裏路地に咲く、ひまわりのような・・

こんな店に居るのが勿体無いような気がするな。


まあ、これで何より自然に・・


「亜美って子どうして辞めたの?

 俺助けてもらったから来たのに」巻

「う~~ん。ウチ、時給は割といいから・・」カナ


まあ、求人見て給料いいから働きに来て、

でも働いてみて店の質の悪さにがっかりして、

ちゃんとした店に移ったんだろうと・・


(まあ、いずれオーナーにうまいこと言って、

 女の子の名簿見させてもらおう・・)巻


そうすれば亜美って子の名前と住所が分かる。


(後は簡単・・)巻


巻がどうしても、欲しかったものを手に入れたのが・・


(俺詐欺の連中・・あいつ等の資金より、

 欲しかったのは、あいつ等のネットワーク・・)巻


こいつらに調べさせれば簡単だ。

いわば超強力な裏探偵みたいなもんだ。

確かに欲しかったのもあるが、欲しかったというより・・


(逆もあったって事だ・・ウチが仕切ってないと・・)巻


巻や香奈、千夏の本名から住所まで筒抜けに・・


これが俺の人より秀でた能力。危機管理だ。

勝つことより、まず負けない事。

攻撃より、防御・・これが新時代。



巻がこの詐欺グループを重宝してるのが良く分かるのが・・

僅か三人しか居ない攻撃班の原西を下げてまで、

この詐欺グループのトップに据えた事。

今、拳鍔の実質の攻撃人員は、巻と進藤だけである。

 

「・・今日・・は、ダメなのか・・今度、飯行くか?」巻

「おお!やった~巻君に誘ってもらったよ」カナ


女・・お水はいくら居ても悪くない・・


「じゃあ、オーナーこれからよろしく」巻

「ええ。明日からお願いします」オーナー


って、普通の料金・・悪いね、気を使わせちゃって・・


「巻君っ、電話、電話!」カナ

「えっ?有るよ・・電話・・」巻が自分の携帯を手に・・


「違うっ」カナ


って、登録か・・


「お店の名前で入れといたよ代表って・・」カナ

「ふん・・なるほど」巻


掛かってきても、面倒見てる店からだ~・・で済ませるのか・・


さて・・

次は・・


「おお~やっと来た~」香奈

「うん。」巻


やっぱ全然違うな・・表の太陽って感じ・・空気が軽い。


「リオちゃん来てるよ」香奈

「うぬ?」巻


「へへっ先に来てました~。一緒に飲みましょーよ」リオ

「ふ~~ん・・・いいよ。」巻



(逃がさない・・

 愛羅さんに何言われて帰ったのか知らないけど・・)リオ


きっとあと少し・・

きっともう少しで大きく揺さぶれそう・・


愛羅さんの取り巻きとしてじゃなく、

自力でこの新時代を上がって行く為に・・



もし人生で一度だけ・・

いやもし時代が動くほどの裏切りをするなら・・



巻に抱かれる。



いや・・巻がいい。



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