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街賊悪漢 新東京屑  作者: 火村虎太郎
===新時代の女達===
25/73

22. 嘘・・。嘘。・・嘘。

~~~上野・湯島地区~~~


「ここでいいから」千夏

「はいっ。」エース兵隊


そう言って一人で歩き出す千夏

いつも被ってる帽子を、またさらに深めに押し込む。



「くく・・おねえちゃん、ここどこだか分かってるの?」

「ばかっ!、住民さんだよ。」


「あっ、すみません。へへっ」

「すんませ~ん」


また少し歩くと・・


「おおー、今お帰りか?おねーちゃん。これもってけ」

「ええ。ありがとう。じゃあまた」千夏


って、おみやげを貰う。


不思議なルールだ。

ここでは外部の者は徹底して寄せ付けずに、

ギラギラといつでも臨戦態勢の不良やヤクザ・・


「なんだ!このやろう!どこの半グレだあ!」

「客以外の冷やかしは、入って来るんじゃねえよ!」

「殺しちまえやっ!」


「おっ・・おい、行こうぜ・・」

「ああ・・マジやべえな・・」


逃げていく不良共

ここじゃあ他所のヤクザも迷い込んだらバッターアウトだ。

それほどの異質の場所。


だけど・・


「あっお帰りなさい。○○さん」不良

「邪魔だよこのバイク。ここ入り口だよ!」サラリーマン風の男


「あっ、今どかせます。へへ」不良


僅かに住む地域住民には、徹底した気配り・・

上の人間が決めたらしい。

いくらここが無法地帯であっても、地域住民は別と・・。


まあこんな所に住む奴なんてほとんど居ない。

ぶっちゃけ、私の住むアパートの住民だけだ。


アパートって、言っても・・


「広くて綺麗なんだよね・・しかも・・」千夏


そりゃ超安い。

それに、これ以上は無いってくらいのセキュリティーだ。


ふふ・・


ほら、聞こえてくる・・



「東京無双極悪非道の湯島爆撃参上だあ!」


どこかの泥棒や、私を狙ってるバカが襲ってきても、

ここのバカ達が勝手に対応してくれる。



「ふふ・・おいしそう。このおみやげ饅頭だ」千夏


地域住民だから街に居る湯島爆撃や、

地元のヤクザの中にもすんなり入って行ける。

いつもジュース奢ってくれるし、このおみやげなんかもそう。


ただ、ここには弟って思われてるコバヤくらいしか来れない

他のメンバーが来たらバッターアウト・・


(でも、もうすぐコバヤも駄目かな・・)千夏


もうすぐ湯島が表に出て行く・・

さすがに、まだコバヤの顔は知らないだろうけど、

まあ、有名な不良なら大体顔位知ってるよね不良なら・・


鉄也・進藤・原西・中根・・・それに・・



「渋谷拳鍔参上だっ!このやろう!」巻


巻。



「えっ!?」千夏


いつもの罵声で、聞き流す所だったが・・


「カラっ・・」


僅かに開ける窓から見える。


(巻っ・・湯島潰す気なの?)千夏



「カラっ・・」っと、窓を閉め音だけを聞く・・



「うおおおお」巻

「潰せ!潰せ!こんなチャンスめったにないぞ!」

「はっは~、迷い込んだのか?潰しに来たのか?」


「一人で何が出来るんだ!このやろう!」



「どうした、千夏?」男

「あっ・・いや・・外がいつもの喧嘩・・」千夏


この人が彼氏・・いや、パパだ。


「お前、最近浮気してるだろ?」男


どうしたんだろ?

何がバレたんだろ?


でも・・


「・・してるじゃなくて、した・・が正解・・」千夏

「ちっ・・どうせくだらない不良だろ?

 勘弁してくれよ・・変な病気もらってきたらどうすんだよ」男


「バンっ!」

「痛っ・・」千夏



頭を叩かれる。そりゃ一応付き合ってるし・・


「セックスしたら、分かるんだよ。」男

「・・何が違う?いつもと・・」千夏


簡単な事・・


「お前、今まで声出さなかったじゃねえか。」男


いつも冷めたセックス・・

そりゃそうだ。この人の事嫌いじゃないけど、

何より金のやり取りがある・・


だが、最近セックスが熱いと・・


この人は私のクソ冷めたセックスが好きみたいだ。


「ほれっ・・これでもう別れるぞ」男


そういって、100万位入った封筒をベッドに置き・・


「こんな、ガラの悪い所に住んでるわ、

 弟も不良で金しょっちゅうせびりに来てるわ、

 おめえは、だらしねえし・・」男


「だらしないことないよ・・」千夏(コバヤか。まだ弟でバレてないな)


「何、言ってんだ!、隣の部屋なんて、

 まだ引っ越してきた時のままの『ダンボールの山』じゃねえか」男

「・・・・・はい・・」千夏


まあこの人は他にも若い女いっぱい居るし・・

金もあるし、何より顔が広い。

手広く商売してるから、表も裏にも割りと有名人だ。


「脱げ・・」男

「・・はい」千夏


最後のセックス・・


「・・・・・・・・・・」千夏

「くく・・そうだよ・・それがいいんだよ・・」男


嫌いじゃないけど、感じやしない・・



「くそっどんだけだ、このっガキ」

「くっ、普通ガチで目~えぐりに来るか!?」

「躊躇ねえのか?人を殺す事に」

「なっ!なんだあ!?原西まで来やがったぞ!」


「くく・・死ねや・・くそカス共が・・」巻

「拳鍔ぁ一騎当千だ!このやろうが」原西



聞こえてくる外の罵声で・・


「あっ!・・あっ・・」千夏

「どうした?急に感じやがって」男


巻・・・

まだ生きてる声がする・・



事が終わり・・


「じゃあな・・二度と会うことねえと思うが・・」男


頂いた札束を丁寧に持ち・・


「ありがとうございました」千夏


「・・・・・仕事探すまで、時間もかかるだろ。ほれっ」男

「助かります」千夏


おまけで、財布の中の数十万も頂く。

別れ際もすばらしい。後腐れなく、まあ慣れた感じだ。



外はまだ乱戦が続いてる。

よく二人でやられずに、もってるもんだ・・


「邪魔だよ」男

「あっ、すみません」湯島爆撃兵隊


「・・・・」巻

「なんだ?住民?」原西


お構いなしに間を通り過ぎて消えていく男



「・・原西君、逃げて・・このままじゃ、ジリ貧・・」巻

「・・・だな」原西


「なっ!こいつ、平気で仲間見捨てるのか?」

「はは・・拳鍔は最低なチームだな」

「わはは大将残して、兵隊が逃げてくぞ」



(いや・・正解。いいチームだ拳鍔。)湯島ナンバー2


負けない・・

勝てなければ、負けないようにする事。



(生きてりゃ、次がある・・・)原西


最善だこれが。本当は進藤に応援に来るのを止められたが、

俺一人なら、もし巻と潰れても進藤君が残るからと・・


「・・・帰るぞ・・」進藤

「ああ・・すまん、救出失敗だ・・」原西


遠くで待っていた進藤と合流


しょうがない・・

もしこれが逆なら、拳鍔は終わり。

巻が逃げて俺が残れば、それはもう拳鍔の敗北だ。


これなら負けてもカッコがつく。

それに、今日湯島の頭も居なかった。

巻が単独、湯島の大人数に突っ込んで負けた・・

ただ当然の結果・・いや途中結果だ。



「うおおおおおおおおおぉぉ・・・」巻


「しゃあ、巻潰したぞ!」

「晒せ晒せ!裸にしてやれ!」


まあ、やられればこうなる

だが折れない・・


「ドッ!」

「ぐっ・・」巻


「おらっ!正座だろうが!」

「早くしろよ!」


まだリンチは続く。

さらに、ここだと助けの観衆や警察も来ない・・


無様に・・


「ほれほれ~こっちだこっち」

「ぐふうう・・」巻


それでも這い蹲ってまだ奴らを追う。

いくらこの不公平な戦いでも、

心が折れて奴らに屈せれば、本当の敗北だ。


「くそっ言えよ!もう負けました、

 もう湯島には敵いませんって!」


言えば敗北だ。正座してもそうだ。

それさえしなければ負けじゃない・・まだ途中だ。


「くそっ!おら!」

「踏め!踏め!全員で!」


なぜか焦りだす湯島の兵隊達。

ここに来てリンチの手が強くなってきたような・・



「・・もう二時だよ!」


「くっ・・すみません。」

「ああ・・じゃあもう・・」



上から聞こえてくる声に引いていく湯島の兵隊。


「くく・・ここの唯一の逃げ道に助かったな」


普通はリンチされてても、

周りの一般人の通報や警察に助けられて終わるんだが・・


「ここじゃあ地域住民のルールは絶対でね・・」


何か二時以降は、不良の乱闘は禁止らしい


「くそっ潰し損ねた」

「まあいい、今日は総長も居ない・・」


この会話を最後に記憶が無い。



そして

気づいたらあの人の側に居た・・・



「・・熱くなるな・・死に急ぐだけだ・・」千夏

「・・・・ああ・・」巻



精一杯の演技だ・・・冷めた不良の・・


「強がってから・・・・」千夏


「・・・・っ」


千夏から近づいてきて、

唇からやさしく伸びる絡み合ったあとの糸・・



くく・・・



俺の勝ちだ・・・


泣いてやろうか?

会いたかったって・・



惚れやがったか?

ざまあみろ

何がエースオブドラゴンだ


俺の事全部分かったつもりか?

俺が惚れまくってるとでも思ってるのか?


くく・・


・・・・


・・・・


嘘・・



会いたかった。

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