21. 淀みの中へ・・
「ただいま~」香奈
「おかえり」巻
最近家に居ることが多い巻
「・・・・・・」巻
「ご飯食べに行こっか」香奈
そしてさみしそうだ。
(ピザ頼んだのか・・)香奈
昼も一人でデリバリーを取ったのが見て分かる。
私と居ない時は最近外出を控えてるみたいだ。
それも・・
「今からでしょ。がんばってよ」香奈
「おうっ」巻
って、言うけど・・
(そうだよね・・踊らされてたよね・・)巻
あの、千夏が現れた六本木で確信に変わって、
やはりそうだった事・・
復帰しない鉄也にメンバー・・
薄々気づいて居た事・・
~~~渋谷~~~
(ちっ・・二部も飲み込まれた・・)偵察に来ている進藤
すでに渋谷陥落・・
「さすが強かったっすね二部の連中」コバヤ
「だな。まあ、これで渋谷制覇だ」総長補佐
・・・総長補佐・・・
「うん。じゃあ渋谷メタル復活させろ鉄也」千夏
「はいっ。じゃあ渋谷は、またメタルで・・」総長補佐
千夏の手で踊っている東京。
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食事中の二人
「おいしいね」香奈
「うん。ありがと。」巻
「何よっ・・」香奈
「ははっ」巻
味方で居てくれて・・
(・・六本木で三部が気になって駆けつけた時・・)巻
鉄也と通りすがりに・・
『壊滅・・四部夜三部・・』鉄也
『・・了解・・』巻
あの時、愛羅率いる歩兵連隊にやられたと思って駆けつけ、
それに俺より早く鉄也が反応して駆けつけたと思ってたが・・
鉄也と通り過ぎて、すぐ振り返り視線がそこに・・
あの時、巻が見逃さなかったのは・・
(鉄也の拳に付いた血・・・)巻
あれは応戦したんじゃない・・
鉄也が潰したのだ・・四部夜三部を・・
もうあの時・・いや渋谷拳鍔を立ち上げた時から・・
六本木のキャバクラで悪ぶった・・
熱く夢を語った・・
悪党とはなんて・・
「・・巻くん?」香奈
「・・んっ?ああごめん・・」巻
食事の箸が止まってる。考えすぎで。
出てこない、四部夜をうまく引きずり出された・・
巧妙な罠で・・
弱い不利をしていたのは、渋谷メタルの鉄也もなのだ・・
そして今、街じゃあこう言われ始めてる・・
巻終戦・・
まだ始まったばかりなのに・・
(会いたい・・)巻
香奈と居るときに思ってはいけない事だが・・
覚めた不良を演じる為に、
変なプライドと、かっこつけで、
千夏さんの番号聞いてないし・・
「・・・爆撃でもいいんじゃない?」香奈
「わはっ。全部分かってて、すごいね」巻
超ド級の裏技だ。
でも、これが今東京で一番の話題らしい・・
巻が、爆撃入りの可能性・・・
渋谷・六本木・新宿・池袋以外に、
この東京に繁華街は、まだ無数にある。
そして、当然不良が居ない訳がない。
そう、全部爆撃なのだ。
もし本気で爆撃が六本木を潰すなら総攻撃すればいいだけだ。
もうすべての人数なんて把握できないほどだ。
5~600人は居るって言われてる爆撃系。
そのトップがあの爆撃の総長だ。
だから、実質爆撃の頭になれば、それが東京制覇だ・・
そして食事中に急な進藤君からの電話で会う事に
「付いていかなくていい?『お守り』として」香奈
「・・・大丈夫・・」巻
待ち合わせの上野に向かう
上野・・
「ようっ・・」進藤
「うん・・」巻
すぐわかった。この人は悪党だけど裏切る人じゃない・・
腫れた顔に、返り血が付いた服・・
「ギュっ・・」っと抱きしめに行く
この人は、一人でも戦う・・俺・・拳鍔の為。
「・・止めろ・・興味ねえ男に・・」進藤
「うん・・」巻
ぶっちゃけ俺も男にさほど興味なんてない。
特別な男にだけには惹かれる・・
まあ、この進藤君と爆撃の頭ならいいとは思える・・
「すまん・・力不足で二部壊滅・・
渋谷はメタルが復活だ」進藤
「あっという間に突き抜けて行くなぁ・・」巻
エースオブドラゴンが・・
簡単な話だ、
六本木での活動が、非行少年のように、
渋谷での活動が鉄也率いる渋谷メタルだったのだ。
それに、俺たちの取り巻きと思っていた不良共も・・
(千夏さんの護衛だったんだな・・あの数人は・・
どんな気持ちだったんだろ?
俺が千夏さんと二人で消えて行くとき)巻
「ようっ」
「あっ原西君・・」巻
一部のナンバー2の原西も合流
「正直表の戦力はこれだけだ・・」進藤
「シノギは変わらずだ。エースも変わらず商品入れてくれてる」原西
四部夜一部は残ってるが、この二人以外は、
歳だったり、世に出せなかったり、仕事をメインで任せたいから・・
「はは・・三人じゃ、四部にならないね」巻
「香奈が居るじゃねえか。」進藤
「はは。あれが一部じゃねえか?」原西
これが街で、巻敗戦って言われてる理由だ。
もう僅か三人・・・
「んで、今日は勿論・・?」巻
ここ、上野で待ち合わせと言う事は・・
「まあ、最後の毒食ってもらおうと思って・・」進藤
「ああ・・まとめて食っといた方がいい・・」原西
よく意味はわからないが、この二人の考えなら・・
少し深めに被った帽子で湯島の繁華街へ
「へ~・・オシャレじゃねえけど・・」巻
「悪党が居そうな街だろ」進藤
何かオシャレじゃねえ六本木のような・・
「どんよりしてるな・・活気あるんだが・・」原西
「ああ・・地元オーラって言うか・・独特の空気だな」進藤
「普通繁華街って奥に行けば行くほど怪しくなるんだが・・」巻
いきなり怪しい・・
普通、奥に行くにつれて、
華やかな色から、グレーに変わり真っ黒になるのに、
ここはすべてグレーなような・・
「あっ!!」巻
「声出すな・・通り過ぎるだけだ・・」進藤
街の繁華街でたむろする不良グループ・・
「ははっ、今日、俺と行くか?」
「う~~ん・・考えとく」
不良チームとその取り巻きの不良娘・・
「さて、もう遅いし帰るか~」
「じゃあ行こうや・・」エース兵隊(すんません敬語じゃなくて・・)
「ああ・・」千夏
これか・・大丈夫だ
笑いを堪えるのに必死だ
もう踊ってやがる。湯島爆撃が・・
まるで拳鍔のよう
もっと好きになって行く・・あの人を・・
俺の考える一枚も二枚も先にいやがる。
思い出す口付け・・
確かにあの時千夏さんの方からしてくれた・・
それが唯一の救い・・嫌いなわけじゃないと・・
しばらく歩いて・・
「お前の力だけで取りたいのも分かるが・・
・・まだ敵わない・・そして距離を置け・・」進藤
「・・・なるほど・・」原西
分かってる・・分かってるって・・
冷血だから輝く俺は。
利用しろって言うんでしょ?
千夏さんに粗方ゴミ掃除してもらう?
二人の女・・いや、三人の女が狂わす・・
千夏・香奈・愛羅
とくに、この千夏・・
でも駄目・・捨てきれない・・この感情だけは・・
「バッ!」
「バカっ追うな!巻」原西
「・・・バカヤロウが・・」進藤
今なら追いつく・・しかもお付の兵隊も一人だけ
この路地を曲がれば・・
「バッ」っと飛び出るも足は止まる・・
「・・・・・」巻
「・・・・くく・・ようこそ・・」
逃げて・・進藤君・・原西君・・
「湯島の最下層・・暗闇の泥沼へ・・」
明らかに雰囲気が違うこの路地。
暗闇から沸いて出てくるように不良が現れる。
淀み・・
必然的に出来るものだ。
最初から汚いこの川にも、さらに汚く・・
ゴミクズが溜まり、臭く悪臭を放ち、
暗く、歩くのにも足を取られる・・
クズの巣・・悪党の匂い・・
客も来ないのか、飲み屋らしきものはあるが、
すべての看板にネオンの灯が灯ってない
だが僅かに出入りする悪党共の匂い・・
一瞬で分かる。ここには欲望のすべてある・・
薬・売春・カジノ・闇金・ヤクザ事務所・・・非合・不正・
いや、ここだけでひとつの街なような・・
この激戦地・・泥沼で生き抜いて来たチーム・・
爆撃系の中でも、異端・異質の喧嘩集団
次の爆撃のトップ候補の最有力・・
「東京無双極悪非道の湯島爆撃参上だあ!」
悪党じゃねえと、この街じゃ一瞬で飲み込まれる・・
故に、強力・・
街じゃあ、もう終わったんだろとか、
六本木だろとか、言われてるけど・・
渋谷、・・・渋谷と、叫びたい・・
「・・スゥ~・・」っと大きく息を飲み・・
「渋谷拳鍔参上だっ!このやろう!」巻
どうせなら、
くそ熱い・・俺の感情をぶつけてやる。




