18. 東京に、やさしく落ちた・・
~~~六本木~~~
「ウォン・・」
「んっ?族?非行少年か?」中根
「ですかね。黒の特攻服ですし」飛鬼兵隊
「んっ?結構人数居るな?」愛羅
「真っ黒っすね。覆面までして・・」歩兵兵隊
覆面もタオルの二枚使いだ。
まず一枚目は口や鼻から巻いて、
二枚目は目の上からすべてを覆う。
これで見えてるのは目だけだ。
どっかの砂漠の国みたいな感じだね。
特攻服もみんなお揃いだから誰が誰かも分からない。
でもこの人は別格だ。
背中に総長の文字・・かっこええ・・
それに・・
「なっ!突っ込んで来たぞ!」中根
「迎え撃て!飛鬼だぁこのやろう!」
「ほほう・・飛鬼狙ってんのか?今日は」愛羅
「いや・・見境ないですね・・ウチの兵隊まで襲ってる・・」
明らかに今日は何か違うと感じる・・
(何だ?今日決める気か?)愛羅
「ウォン・・」
すぐ分かる・・輝いてる・・
さっき言いそうになった、『それに・・』も・・
「なっ!マジか!あの単車!?」愛羅
「えっ!?えっ!?」
くう・・かっこええ・・
総長に視線が釘付けだ愛羅に中根も。拳鍔の奴まで見てる。
「ウォン・・」総長が六本木のど真ん中で単車を止め・・
「ふふ・・始めまして・・・
四代目エースオブドラゴン参上だあ!このやろう!」総長
「何っ!エースオブドラゴンだあ!?」
「遂に登場しやがったな!」
「なっ!!何っ!?火の玉!?」中根
「エース、族になったのか!?」
元々はチーマー系のエースオブドラゴン
中根がバっと一瞬遠くの愛羅見れば、愛羅も中根を見てて目線が合う
お互いがそれに釘付けだ。
他のたいした事ない不良は、
エースオブドラゴンってのにびっくりしてるが・・
(マジか・・伝説の単車だ・・)中根
(冗談だろ・・何もかんも持ってく気か!?)愛羅
『火の玉Z-Ⅱ』
まあ超伝説の単車だ。
この国のアウトローのトップが若い頃乗ってた単車だ。
そしてよっぽどの人物だけが受け継ぐ事の出来た単車。
だから総長でもまだ五代目だとか・・
これで一気に東京の台風の目だ。エースオブドラゴンが。
「ゴーウォンウォンウォン・・」
総長の単車のコールが六本木に響き渡る。
まるでこれで兵隊を鼓舞するかのように。
「くそっ!届かせろ俺に!」中根
「うおおお!今、取ってやるわ!」愛羅
必死で乱戦を突破して総長まで届こうとする二人の猛者。
だがウチのメンバーも強いし、
俺も咆哮が止まらない。
「しゃあーーはははっこれがエースオブドラゴンじゃあ」
「ききききっ殺させろー俺にぃ!!」
「しゃははっ死にてえ奴は突っ込んで来いやー!!
暴走愚連隊エースオブドラゴン参上だバカヤロー」コバヤ
メンバーみんな酔いしれてるエースオブドラゴンに。
痛みも感じずに暴れまわる。
「キチガイ集団か!今のエースは?」
「目がイッてやがるこいつら」
そりゃそうだ・・エースオブドラゴンの時は死ぬ覚悟で来てる。
「くそっ!せめて正体だけでも」中根
「くそっ・・士気が違う・・今日は撤退だ」愛羅
まず愛羅の歩兵連隊が撤退。
今日フル戦力じゃなかったみたいだし
「中根っもう突っ込むな!」
「なっ!なんで?」中根
「くく・・バレたか・・」巻
「漁夫の利。漁夫の利・・」進藤
「くっ・・」中根(やばかった・・拳鍔が狙ってやがった・・)
飛鬼も撤退模様
「くく・・おいっウチも撤退だ!今日は挨拶代わりだ」総長補佐
「ひひっ。次は殺してやるよっクズ共」コバヤ
エースオブドラゴンも撤退模様。
大体、遠くから警察が駆けつけようとしてる。
「こら~お前等!逃げるなよ!」警察
「全員逮捕だ!」警察
「ちっ・・バラけるぞ」進藤
「だね。」巻
まあ無関係で捕まる事はないが、念には念を入れて・・
この二人が捕まれば拳鍔は一気に戦力ダウンだ。
だからここは別々の方角に撤退。
進藤は警察が向かって来る方へ、
巻は警察と同じ進行方向エースオブドラゴンの方へ。
(何て言うんだろ?引き寄せて溶かすような・・
いや・・絡みつく?)巻
その辺の不良とはまったく違う生き物のように感じる。
このエースオブドラゴン総長が・・
熱くもなく、冷たくもなく。
巻が感じた思いは、
(雨・・東京にやさしく落ちた・・)巻
おかしいかもしれないがそう感じた・・
「ウォン・・」
撤退して行くが総長だけはまだ動かない・・
「あれっ?総長!?」コバヤ
「いいからっ。何か考えがあるんだろ
総長の単車の腕じゃ捕まる事はねえ。行くぞ」総長補佐
単車をまたいだまま、覆面をズラして銜えた煙草に火を付ける。
「ふ~~・・」
この六本木の空気を楽しむかのよう・・
いや、兵隊を逃がしているのか?・・
「一人まだ居る捕まえろ!」警察
「舐めやがって!」警察
(えっ?早く逃げてよ、ヒヤヒヤするじゃん・・)巻
「・・ウォン・・」やっと動き出す総長
僅かに帰り際巻の方を見たような・・
(ふっ・・)総長
(こっち見てるや・・)巻
「グッ・・」また覆面で顔を隠し・・
「ウォン」
「なっ!引き返してきたぞ!」警察
「うわあああ」警察
「ドッ!」「ドッ!」
二人の警察を蹴りと手に持った木刀であっという間に蹴散らす。
反対方向に逃げる総長。
その先には・・
巻が居て、巻も総長がゆっくり近づいて来てるからしゃべりかける。
「へへ・・・踊ってるね・・東京が・・」巻
(ふふ・・・いつから知ってたのかな?)総長
もうすぐ真横を通り過ぎる
だがお互い前を向いたまま・・視線も合わせず・・
覆面に手を伸ばし僅かに口元が見えるようにズリ下げ・・
「・・千夏さんの手で・・」巻
「・・またね、巻・・・」千夏
一瞬この六本木が止まったような・・
覆面を戻しながら走り抜けていく単車。
遠くでまだ見てる二人が、
(くそっ・・誰だ?女だったぞ・・声・・)愛羅
(あれっ?声、女だったような・・
四代目エースオブドラゴン参上だあ!・・って。
背も小さかったような・・)中根
(・・・・巻の女(香奈)じゃねえだろうな!?)愛羅
(・・・・巻の女(香奈)じゃねえだろうな!?)中根
お互い最悪の状況を考えて見た。
見逃さなかった・・
巻と通り過ぎる時お互い何かしゃべったような・・
伝説の単車火の玉Z-Ⅱ正統後継者・・
そして超名門不良チームエースオブドラゴンの正統後継者・・
四代目エースオブドラゴン総長 千夏 18歳。
エースオブドラゴンは・・渋谷にあり。
そして、この東京のすべて総取りまで・・
あと少し。




