17. 新東京皆殺しコール
「ぐはああ!」
「おいおい・・まだ一本目だよ・・」コバヤ
「くくく・・指全部折ってやれやコバヤ。」
「ああ・・俺達に喧嘩売るからだよ」
「ぐがあああ!」
六本木最悪の処刑人・・くだらない異名付けるバカが居るな・・
「さて・・そーちょーの所に今日の報告行くか。」コバヤ
小早川 17歳(16歳) 通称・コバヤ
六本木非行少年喧嘩夜芸(六本木ミッドナイトサーカス)総長
勿論喧嘩も強い。そして何より人より秀でてる所は・・
「あっ・・おみやげに・・」コバヤ
「うっ・・ちょっと待ってくれ・・うっ・・うぎゃあああ」
「・・相変わらずエグいなこの年下の大将は」
「あれ一番無難なんだよね・・」
かさばらないし・・警察に行くって、まででも・・
「じゃあ、こっちの兵隊も」コバヤ
「やっ・・やめっ・・いってえええええ」
「クリっ」っと負けた相手の耳をナイフで・・
コバヤが耳の上の方を、一センチ位切り取って行く。
これがミソだ。さすがに耳全部を削いだら、
こいつらも病院に行くだろうし、警察にも行くだろうし。
まあ丁度微妙なラインだ・・ぶっちゃけアウトだけど
これも新時代の不良スタイルだ。
たまにステゴロ(素手)で喧嘩した時も・・
「ばっ!」っと、手を出すコバヤ
相手は、もうボコボコにやられて死にそうだ
何か分からないが、倒れた相手も手を伸ばし・・
「ガシっ」っと握手して・・
「また、やり合えたらっ。」笑顔のコバヤ
「・・う・・・ああ・・」
これで、仲直りじゃないけど訴えられないようにしてる。
殴り合って熱い友情が生まれた的な・・
「バッ・・バッ・・」
(あっ。コバヤの奴、もう手~ズボンで拭いた・・)
よく分からない男って言われる。
天然なのかも知れないし、すっげー頭いいのかも・・って。
でも、誰もが思って言う事は・・
(巻っぺー。意識してるのかな?)
(どっちの方が悪党かな?巻と・・)
らしい。
「じゃあ、後よろしくね」コバヤ
「押忍っお疲れ様でした」
「おうっおつかれ」
「おつかれコバヤ」
総長だけど、年上多いから結構みんな俺にはタメ語だ
一つくらい歳足しても駄目か・・
でも、16だと他のチームに舐められそうだし・・
だから17って言ってる。本当は六本木のリオと同じ歳だ。
「コン・・コン・・」
いつも慎重にやって来るここ総長の部屋には。
ここは俺しか知らない部屋だ。
てか、総長六本木ほとんど来ないし・・・
「・・あっ・・・あっ・・あっ・・」
ドアの向こうから聞こえてくるリズム・・
(おっと・・エッチしてましたか・・じゃあ・・)コバヤ
「ガチャ!」
勝手にドアを開ける。鍵持ってるし俺。いや、持たされてるか・・
てか、エッチしてたら勝手に入って来いって・・
(でも、見るな・・か・・。なんだそれ・・)コバヤ
って思う。
まあ、どっち道、奥の部屋だから見えないけど・・
「んっ?今日の報告?」女
「あっ、はいっ。これっ。」コバヤ
いい匂いだ。シャワー浴びてバスローブ着て、
女が髪をタオルで拭きながら。
「飛鬼の兵隊二名と、聞いたこともないチームが居たんで、
潰して置きました。これがそいつらの耳です」コバヤ
「うわっ・・ビニールに・・」女
「へへ・・でも、ポッケに直って訳にも・・」コバヤ
まあ怒られる。
でもアピールしたいし・・
俺がんばってるぞーって。
んで、また慎重に退散だ。
絶対にこの場所がバレないように・・
(よし・・誰も居ない・・)コバヤ
「ダッ!」っと、ダッシュだ。
そしてタクシーに乗り込み、駅に向かう。
これも一番近い駅じゃなく、三つ四つ先の駅まで行く。
面倒だが、毎日この駅は変えてる。
まず駅がバレれば、後の尾行は簡単だ。
特に、四部夜の連中とかに尾行やられたら、
すぐ部屋がバレて、襲撃されてバッターアウトだ。
(拳鍔の巻と同じ考えだ。頭を取られなきゃ、
チームの負けはねえ・・)コバヤ
だから、六本木にチームを出してる。
これが潰されても、半分は残る仕組みだ。
まあ、総長ごっこも、六本木非行少年の時だけだ・・
「ウォン・・」
「押忍っお疲れさまです」
「お疲れさまです総長」
「・・」総長
総長はクソかっこええ。
軽く手~上げるだけだ。
特攻服の靡き方も、なんかすっげーかっこいいし
今日は総長自ら出陣だ。
「総長、渋谷でよかったですか?」コバヤ
総長が出陣の時は、渋谷が多い。
でも渋谷はお遊びだ。
どうせ不良が居ても、やる気のない拳鍔くらいだ
「・・・もう一度、サラシ巻きなおせ」総長補佐
「・・・・はいっ」コバヤ
何か今日はやる気が違う・・
んでこの人が本隊のナンバー2だ。俺は本隊ではナンバー3
喧嘩だ・・きっと
全員が特攻服の下に巻いたサラシを巻きなおす。
「ギュっ!」「ギュっ!」「ギュ!」
何かまた気合が入り直し、高まってくる感情。
これが統率力か・・。
一気にみんな目が据わった。
見つめる総長の背中にナンバー2の号令を待つ。
一言でも、くだらない事言えばヤキ入れられそうな緊張感。
そりゃそうだ。今日はみんな特別な方の特攻服着てる。
「・・くいっ」っと、総長が手で行くぞと合図。
「おおお!」
もう行き先はあそこしかない。
この東京で一番熱くなれる場所・・
「ウォン・・」
って、総長がもう走り出す。
「六本木に突っ込むぞ!総長に続け!」総長補佐
「おおおおおお!!」
だろ?六本木だろ。
この総長に東京取らせるんだ。
どの不良よりもウチの総長がかっこええし。
「ウォン」
「おっ、飛ばして来たなコバヤ」総長補佐
「へへ。総長の背中一番近くで見てたいんで」コバヤ
総長の後ろに続く俺と総長補佐
「ゴーウォンウォンウォン・・」
く~しびれる。総長のアクセルミュージックだ・・
さあ鳴り響け・・
(くく・・新東京皆殺しコールか・・勝手なの付けやがって)総長
昔、特別なコールがあったらしい。
皆殺しのメロディーなんて言われてたらしい。
とんでもねえ不良が乗ってて、その人しか奏でちゃ行けないコールだとか。
もう、そのコールが聞こえたら、不良は飛んで逃げてたとか・・
「しゃあ、新東京皆殺しコールだああ」コバヤ
「出て来いや!街中のクズ共!」総長補佐
これが進軍ラッパだ・・
そしておびき寄せる・・
「おおおおおおおお!」コバヤ
少し抜こう・・
熱く咆哮しないと、もうこれ以上溜め切れない
俺のダムからもう情熱が溢れ出してる。
早く暴れたい・・
落ちろ・・六本木・・
東京よ・・このメロディに染まれ。
この総長の手で踊れ・・




