4日目前編 空からのプレゼント
今回から投稿速度を落とします。
理由は、受験生だからです!!(笑)
俺は今、懐かしい我が家の居間でのんびり寝転んでいた。
あと少しで眠りそうな時に携帯が鳴った。
「充…ごめん!!」
「?…どうしたの?」親友の清海が電話に出るなり謝ってきた。清海は男だ。名前のせいで小学校の頃はいじめられていたが、俺が助けてあげたらいじめられなくなった。その時から俺達は仲良くなった。
「お前…二組の中田って知ってる?」
「二組の…中田って敦の事か…?」
「うん…あいつが昨日、充の家の住所教えてって言ってきたから教えてあげたんだけど…」
言葉を探しているのか清海はそれから数秒間無言になった。
数秒後「今日知ったんだけど…あいつが充のことを日記の軌跡とか言う自殺サイトの自殺したい人間とかに登録したんだって」
「?…自殺したい人間って何?」
「自分の目で見た方が早いと思うよ」
「?…分かった…見てみるよ」
俺は二階に上がって自分の部屋に入った。
部屋に入ってすぐ右側を見るとパソコンがある。
パソコンを起動させて日記の軌跡を検索してみた。するとすぐにそれは見つかった、そしてそれをクリックして開いてみると目当てのものが一番目立つ所にあった。それは登録しないと開けないらしいが住所と名前があればいいらしいので、自分の名前と住所を打ち込んでみた。予想していた通り俺の名前は登録されていたようだ。
自殺したい人間とか…ネーミングセンスなさすぎだろ!とツッコミを入れながら説明文みたいなやつを探した。
それはサイトの一番下にあった。
読んでみると、こんな感じの事が書いてあった。
自殺したい人間に登録した人はどこかの国に連れていかれ殺されるらしい。しかしこんな平和な日本でそんな事が許されるのだろうか?そんな事を考えながらパソコンの電源を切った。他の事は何も書いておらず、殺されるぐらいしか分からなかった。
そして清海に電話しようと思った時、いきなり「充君…起きて充君!」と女の子の声がした。
「…おはよ~」
頭を掻きながら起きると頬っぺたをふくらませながら立っている希ちゃんがいた。
「何回も起こそうとしたのに…」
と小さい声で言っていた。
「そういえば…これ見て!」そう言うと希が黒いアタッシュケースを見せてきた。
アタッシュケースの開ける所にはタッチパネルみたいなものが付いていた。
「これ…鍵がかかってて開かないんだよ」
と首を傾げながら言ってる姿が可愛かった。
「多分…そのタッチパネルみたいなやつを触ればいいんじゃないかな?」と言いながらアタッシュケースを開ける所の近くに付いているタッチパネルを指差す。
「これ?」
「うん」
希がそれに触れるとピピッと音が鳴り鍵が開いた。
希がアタッシュケースを開けると中にはライター、救急箱の袋バージョン、可燃剤、サイレンサー付きライフル(拳銃)、弾丸、食料等が入っていた。
「銃…」
「なんでこんな物が入ってるんだ?」
俺は銃なんて嫌いだった。今年は2000発ぐらいをハワイで撃ってきた。そして毎回肩を痛めるから嫌いなのだ。祖父が言うには反動を肩で受けるからだそうだ。そんな事を考えながらライフルを睨んでいると
「ライフルが欲しいの?」
と希が聞いてきた。
「いや、いらない!」
「?…男の子ってこうゆうの好きなんじゃないの?」
「俺…ライフルで痛い思いしたから嫌いなんだよ」
「ライフル撃った事あるんだ!」
「うん…でも、もっとおっきいやつだよ」
「ふ~ん…でもさ経験者が持ってた方がいいよ!」と言ってライフルとホルスターと弾丸を渡してきた。
ホルスターにライフルをさして腰に巻き付けた。弾はズボンのポケットに入れた。
「そういえば…これどこから持ってきたの?」
「外に落ちてた!もしかしたら他にも落ちてるかもよ?」
「探してみる?」
「うん!行こう!」と言って遠足に行く小学生のようにとびっきりの笑顔でビルから出ていく希を見ていると
「速く~!置いてくよ~!!」と手招きしていた。
「あっちょっと待ってて…トイレ行ってくる!」
「速くしてね!」とビルの入り口に寄りかかっていた。
今思ったんだが…トイレってここにあるの?そう思い周りを見回してみたがそれらしき物は見当たらなかった。
そして外に行こうとすると
「トイレ済んだの?」と希が聞いてきた。
「中にはなかったから外でしてくるよ」
「二階にあったよ?」と首を傾げながら言ってきたのでドキッとしてしまった。
「どうしたの?」と今度は上目遣いという必殺技を出してきたときにはめまいがした。
「なんでもないよ…二階のどこら辺にあるの?」
「二階に上がったらすぐ左にあるよ!」
「分かった」
漏れそうだったので猛ダッシュして二階へ行った。トイレでは水が流れたのでとても驚いた。
一階へ戻ると希が外を警戒しているようだった。
隣に行くと希が「外に誰かいる」と言った。
外を見てみると数人の声が聞こえた。
少しずつ声が大きくなってきている。
「近づいてきてる…どうする?」と希が聞いてきた。
「今から二階に行っても間に合わないし、話しあってみない?」と言いながらも少し手が震えていた。
声が段々とはっきりしてきた。