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竜騎士  作者: Blood orange
14/29

拾ったら最後まで面倒を見よう!(1月2日 加筆&改稿)

少し内容を変えました。

服が雨でずぶ濡れになっていくと、ミーヤの体温も急激に下がって行く。

ミーヤの服の中に忍び込んだ水色の卵は、虹色に光り輝くとミーヤの体を浮かせ、透明な丸い幕で包み込んだ。

がさり

近くで誰かがこちらへと近づいて行く音がする。

卵は火が消えたように大人しくなると、ミーヤの体も静かに地上へと落ちて行く。


「おっと…」


ミーヤの体を受け止めたのは、大きな大男だった。

片手で、ミーヤの体を支えるとクンクンと匂いを嗅ぎ出す。


「女…」


その言葉にミーヤはハッと気付くと男の腕の中で暴れ出した。

知られた…

私の秘密を知られた…。

キッと大男を睨みつけると、ミーヤが被っていた帽子がハラリと地面に落ちる。

艶やかな黒髪が男の首や腕に巻き付いてく。


「お前…何者…?」


「ご、ゴホッ…」


首に巻き付いた黒髪が意志を持った生き物のように、ゆっくりと男の首の締め付けを緩くする。


「俺、ジャンガ…迷いの森の守護者(ドグーラ)だ。お前こそ、何者だ?」


「じゃあ!あんたが、私を迷わせていた張本人なのか!?」


ジャンガを指差すとミーヤは自分の服の下から何かがモゴモゴと動き出すのを知った。


「何、これ…」


服の下から出て来たのは、大きな水色の卵だった。

ボワンボワンと鼓動なのか、さっきから妖しげに光り輝いている。

それを見たミーヤは、目をウルウルさせてる。


「か、かわいい!!ジャンガ!あんたこれなんの卵か知ってんの? 迷いの森の住人(ドゲーラ)なんだから知らないわけないわよね…」


「迷いの森の住人(ドゲーラ)違う。迷いの森の守護者(ドグーラ)」


光輝く卵に向ける眼差しとは180度違う憎しみを籠めた目で自分を見るミーヤ。

訝しげにミーヤを見るジャンガ。


「お前、それ、どうする?」


「拾ったもんは、最後まで育てるに決まってるだろうが! いいから早く教えろ!」


ジャンガの胸倉を荒っぽく掴むミーヤに、ジャンガはされるがままになっていた。

がくがくと揺らされるジャンガは、この人間に殺される!!


ボワン…ボワン…ボワン…


大きな卵がミーヤの体に縋り付く。

ハッと気が付いたミーヤは、卵を抱き上げると「僕が悪かったよ。そうだね。ケンカは良くないな。お前の言う通りだな」まるでミーヤは卵が何を言っているのか分かっているように話しかけている。

今のうちにミーヤの視界から見えないようとソロリソロリと逃げ出そうとしている。だがミーヤはニヤリと意地悪く微笑むとジャンガの長いネズミのような尻尾を手で掴むとギシギシ音が鳴るくらい、強く掴んだ。


「い!!いたい!! 握り潰すな!!!」


「ならば逃げるな! お前に僕の正体を知られたからには、僕から逃げ出せると思っているのか?」


「えええ?!! お、オイラ 違う そんなつもり ない…」


大男の生首は、最大の魔術を使うための生け贄として使われていた。

一つにつき30000ルピアと言う大金がもらえるのだ。

ちなみに、パンは10〜20ブンで買える。

100ブンで1ルピアである。

100ルピアで、4人家族が一年間贅沢をして暮らせると言う金額なのだから、30000ルピアと言う物がどれだけ大金かと言う事が分かる。

その為に、彼らの種族は普段は滅多に地上には出て来ない。

絶滅危惧種としても言われている彼らの値段は、市場価値が高く値段も上がる一方だ。

しかも、大男の体は捨てる所がない。

毛は剥いで加工すれば、最上級の毛皮になるし、長い尻尾と手足は良い出汁がでる。

7臓8腑は、全て高価な薬に変わる。

骨は、占いや呪いに使われる。


「そんなつもりでも、僕にはお前のその口を縫うと言う使命があるからな…。どうだ? 僕の言う事を(何でも)聞くというなら、命だけは助けてやっても良い」


卵を小脇に抱え、人の悪い微笑みを浮かべるミーヤは、どう見ても悪い人にしか見えない。

殺されないですむと分かったジャンガは、地面に平伏すとどうか命だけは取らないでくれとミーヤに懇願した。

ジャンガはミーヤに卵の孵し方を教える事にした。

大きな卵と言うのは、普通の鶏とかの卵とは違い、温める物ではないのだ。そう言う事をすると卵の中身が茹だってしまい、反対に死んでしまう恐れが在るのだと言う。


「ジャンガとか言ったな…。首を絞めたりして悪かった。竜に免じて許そう。お前はこの子の飼い方を教えてくれたからな」


「み、見逃してくれるのか?」


安心しているジャンガに、二度目はないと冷酷なまでの言葉を残したミーヤは、卵を連れて立ち去った。


だが、僧は問屋は下ろさなかった。

いつの間にかジャンガの足につけられていた枷が白く光ると、有無を言わさずジャンガを歩かせ始めた。

小さなミーヤの後に頭を項垂れて歩く…いや、歩かせられている大きな迷える森の守護者(ドグーラ)

それと同時に、松明を持って今にも迷いの森へと入ろうとこちらへ向かって来るビーツ達に出会った。

ミーヤは、見た事のない美男子達が二人も居る事に驚き、目を輝かせるが、ビーツに耳を厭と言うほど引っ張られお説教をされている。


「ビーツ様…ごめんなさい…」


あまりにも素直に謝るミーヤに薄気味悪く思ってしまうビーツだったが、ブラウからもミーヤ自身反省しているみたいだから、もうそのくらいにしてあげたらどうですかと言う天使の言葉でお説教タイムが終了となった。


「ブラウ殿は甘過ぎますよ」


「まあまあ、ビーツ様。ミーヤ殿は男とはいえ巫子なのですから、丁重に扱わないと…。また、逃げ出されたらどうされるんですか?」

ブラウの言い分にも一理ありである。

確かに、今までのビーツならば怒濤の如く怒っていたが、もし今ここでいつものように怒っていれば…絶対に「もう王宮になんて行くもんか!やーめた!! あの寒イボ残念男なんて知るかよ!」そう言うに違いない。まあ、それだけならまだいいが…。

もしも臍でも曲げられて、王宮ごと魔法で消し去ってくれるわ!わはははははは!そう悪人顔で笑っているミーヤの姿が目に浮かぶのは何故だろうか…。

タダでさえ、ミーヤは王を嫌っているからあいつならば、やりかねん…。


「ん?どうしたのだ?ビーツ? これ、食べないのか? 銀の粒 美味しいぞ」


空豆くらいの大きさの銀の豆を一つ口の中に入れて、ポリポリと食べているミーヤにブラウ達は呆気に取られてみていた。

銀の粒は、巫女かジュダル神にしか作る事が出来ない神聖な食べ物であり、それは一粒で二週間は食事を摂らなくても平気だと言われる大変貴重な物である。


「それは、どうしたのだ?」


ビーツに聞かれ、ミーヤは自分で作ったと言うとビーツにいくつか銀の豆を手渡した。


「さあ、気が付いたら私の手の中にあったのだ」


それを聞いたディレク達は青い顔をし始めた。

彼らはミーヤが大天使を捕まえて、彼の羽を使って作り出したのだと思っていた。


「天罰が下るな…」


ディレクの言葉に、腕を胸の前に組んでいたバルトも真剣な顔で頷いている。


「馬鹿馬鹿しい! 自分で作ったのに、何で神様からの天罰が来るんだよ! そんな神様こそ横暴だ!」


それを聞いた4人はお互いの顔を見合わせていた。


「うそ…」


「何だか知らないけど! こう魔力を集めたら出来たんだよ」


そう言いながらもミーヤは両手を合わせると魔力を込めた。手の中から出て来たのは銀色に輝く豆が現れた。


「ったく、人の事をどんだけ悪党みたいに思ってんだよ…ってそんなことよりもさー、ビーツ様。そこに立っているヨダレもんのイケメンブラザーズと言うか、男色系の人達は誰ですか? もしかして、二人で可愛いブラウを前から後から…」


いきなり変態言葉を連発して来るミーヤの口を魔法で無理矢理消えさせると、ビーツは冷や汗を掻きながらも背後で何とも言えない表情で突っ立っている3人の方を振り返った。


「やはり…ミーヤは変態なのだな」


「ミーヤの考える事は、私達天馬には分からないものだな」


「ミーヤ…君の考えていることって、僕はそんなに弱いのかな…」


そんな3人にビーツは溜息を付きながらも「スマヌな…ミーヤを拾った私の責任だな…拾ったら最後まで面倒をみようとは思うが…その前に、どれだけの気苦労が待っている事やら…」

今日もビーツの悩みは尽きない。
















大幅に加筆しました。

クリスマスまでもう少しですね。

昨日は、友達の家でパーティしてましたよ!

この季節は、飲み過ぎ食べ過ぎに注意ですね。

皆様も、お体をご自愛下さい〜

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