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見せない性

見せない(さが)


私はとても卑怯なので、本当の事を言えませんでした。

彼女に負い目を感じていることも。

彼女に真実を知られることを恐れていることも。

本来ならありえない事実を。


私からは何も言いません。

何も、言えません。

しかし、彼女に問われれば私は応えてしまうでしょう。

心のどこかで、赦して欲しいと願い続けていたから。


本当の事を打ち明けて、『ワタシ』を殺して欲しかったのかもしれません。

しかし、それは彼女に家族殺しをさせようとしていることと同意。

馬鹿な事です。

そんな事、彼女が出来る筈が無いというのに。


時は刻々と過ぎていきます。

何年も待ち続けた私には、とても短い時の中。

そこでようやく手に入れた大切なモノを、手放したくなくて。

私は嘘をつきました。





「ルゥイ……か」

いつの間にか、シェルリーズから呼び名を貰っていたあの子は、私をどう見ているのだろうか。


ヴィランは独り、青空を見上げる。

どこまでも澄みきった空は遠く、手を伸ばしても届かない。

美しく、絶対に手に入らない物だ。

だからこそ、人は憧れをもつのだろう。

「……でも、私は手に入れた」

あの日、あの時、あの場所で、嘘をついて。

彼はきっと、私が嘘をついていることに気づいている。

それでも何も言わないのは、やっぱり私と同じ理由なのだろう。

がさりと音がして、後ろを向くと女の子がいた。

人間じゃ無くて、エルフでも無くて。

たぶん『ワタシ』のせいで大切な者を失ってしまった女の子。

「ユウ、だったかしら」

こくりと頷く。

羨ましい。

この子が、羨ましい。

「シエルが探してるよ」

「そう」

あの娘が自分を探している。

それだけで辛い。

「どうしたの?」

ユウが聞いて来る。

不思議そうに、心配そうに。

「シエルのこと、嫌い?」

「嫌い……ってわけじゃない」

「……負い目を感じているの?」

「――っ、なん、で」

こんな子どもに、なんでそんな事を言われるのか。

思わず、いや、本音を言いあてられて言葉を詰まらせる。

「まだ、子どもだけど。それでも、こう見えても年はいっている方だよ?」

あぁ、そうか。

当然のことを思い出して、自分で自分を責めたくなった。

エルフは、長寿だ。

たとえ、ハーフとはいえエルフの血をひく彼女の年は、きっと見た目と比例していない。

そんな当然の事、なんで忘れていたのか。

「貴女、子どもの振りしてるの」

「ちっ、ちがうよっ。まだ子どもだもん」

「へー」

「だ、だって、エルフとしては、まだ子どもだよ? う、うそはついてないよ?」

「でしょうね。でも、見た目よりも年はとってると」

真っ赤になって否定したり、逃げようとしたり、顔を隠したり。

ずいぶんころころ表情を変える。

それが面白くて、ついからかってやろうかと思って……やめる。

そんな事、出来るような立場じゃない。

「あなた、どうするの? このまま、シェルリーズと共に行くの?」

「……わかんない」

「そう。なら、彼女とはいかない方が良いわよ。絶対」

「どうして?」

「秘密」

なんでこんな事を言ったのか。

ちょっとした親切心からだろう。めったにない、親切心から。

の、くせに。

「シエルに言っておく。負い目があるって」

「なんでっ」

「だって、教えてくれないんだもん」

「……貴女、意外と厄介ね。子どもと思って甘く見ることはやめるわ」

面倒だ。

だから、殺意すら込めて言ってあげよう。

「ふぇ?」

「シェルリーズ・ブルーネルの傍に居るのは危険だからだ、クソガキ。此れより先、最悪の世界を知る覚悟があるのなら――彼女と共に行けばいい。後悔しても、後戻りは許されない地獄への旅路を逝け」

「……?」

首を傾げた。

どうやら、彼女には難しい言葉があったらしく、よく意味を理解していないらしい。

なんだか、バカバカしくなってきた。


あぁ、でも……。

彼女が世界を知ったのなら、どんな反応をするのだろう。

少しだけ、興味が出た。

「ヴィランは優しいんだね」

「……はあっ?!」

……なんでそうなるの。

今まで首をかしげていた少女は、にこにこと笑顔を見せている。

思わず後ろに下がって距離を取る。

この娘、本当に危険かもしれない。

「だって、しんぱいしてちゅうこくしてくれたんでしょ? だから、やさしいね」

「ばっ、ばっ、馬鹿じゃないの? 気まぐれを起こしただけなんだからっ、な、なんで優しいなんて言われないといけないのっ」

真っ赤になっているのが肯定していることになっていると、後で気づいた。けど、今はただ、必死になって否定していた。








いつも考えている主人公達の立ち位置。


シエルは天然

キースはお姉さん(ただし、あぶなっかしい)

ユウはちょっぴり大人(年齢不詳)

ヴィランはツンデレ(ツン80パーセント。ルゥイにのみデレ100パーセント)

流夢薙はカラクリ仕掛けの破壊神(デウス・エクス・マキナ)

夜月はつっこみ(または巻き込まれる人)

ルゥイはおとうとくん(無邪気なナイフの為注意)


登場していない最後の仲間は冷静なお守役(出合い頭に殺される可能性あり)


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