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おっさんと僕とマクダフ その2

 料理屋の中はいつもより少し人が多かった。

 めずらしいなと思ったが来週から始まるこの町を挙げてのお祭りの準備のためだった。もうそんな時期になってしまっていた。僕が冒険者になってから初めてのお祭りだ。

 このお祭りはこの町の安ねいや平和を願って昔から行われていた小さな出し物などが年々一つにまとめられ年に一度の大きなお祭りとなったものだ。

 冒険者になる前はスラム街の子どもたちと一緒に別の町や地方から来た祭りで出す露店の準備などをしている周りの大人を手伝ったりしておこづかいをもらいこのお祭りを僕なりに楽しんでいた。僕が冒険者になったのもこのお祭りでおいしいものやめずらしいものをたくさん買いたかったからでもある。子どもの僕では町を挙げての大きなお祭りであってもたいして楽しめないのである。お金がないから見て楽しむしかないのだ。


「じゃあ早速明日からの金儲けについてだが… この町でやることはほぼもうない。ジョンお前はまだスキルが低いからスキル上げだ。マクダフお前は料理露店でコックさんだ」


 おっさんは酒を飲みながら明日の予定を話す。僕は料理を食べながら聞く。


 僕は明日からまた大金を稼げるのかと思ったがちがっていた。確かに僕のスキルはまだ低い。ほかの初心者冒険者たちと比べたら少しくらいはましかもしれないくらいだ。これから先ずっと冒険者としてやっていくにはスキル上げは前提条件としては必須だ金策も大事だが。僕の奴隷のマクダフは僕の代わりにサンドイッチ売りをやるらしい。あれはあれで大変だった。スキル上げかサンドイッチ売りかどちらか選べと言われたら僕はしょうらい的なことを考えたらスキル上げのほうを選ぶ。


「トリポリオの旦那ぁ… 俺は一体何を作らされるんですかい? 戦場で作ったパン粥や適当な何の肉かもわからない肉焼いて出すくらいなら出来ますがねぇ… 」


 マクダフがおっさんに明日のことについて聞いている。戦場では前線にいたようなので少しはぼくたちよりおいしい料理を食べていたりしたのかと思ったがちがったようだ。パンのおかゆなんかは固いパンを食べたり量を増やすためによくやる料理の一つだ。何の肉かもわからない肉を食べさせられたりしてよく戦場で戦う気になったもんだ。僕ならあきらめるか逃げるだろう。もしかすると戦争は僕が思っている以上においしくないのかもしれない。


「いやみんなヘスサ… それとパンポタ売りだ… 必要な材料はこっちで準備する。お前はただ調理してくれさえすればいい。最高の売り子もこっちで用意する。料理スキル8は必須だがな… お前なら問題はない」


 そう言えば僕はマクダフのステータスを見たことがない。僕が奴隷の主人なのに奴隷のステータスやスキル値を見たことがないのだ。こんな関係の主人と奴隷はいるのだろうか。僕はあらためて聞くことにしたマクダフがいったい何ができて何ができないのかをしるために。


「マクダフのステータスってどうなってるの…? 持ってるスキルとかも教えてほしいんだけど」

「旦那ぁ… そう言えば鑑定スキルまだ持ってなかったでしたね。俺のスキルはこれですよ覚えといてくださいねぇ… 」


 注文した料理と酒を食らいつくしながらマクダフがステータスを見せてくれた。すごい食べっぷりだ。僕やおっさんよりも食べている。エリヤと同じくらいかもしれない。奴隷のマクダフが一番食べて、飲んでいる。


 マクダフの現在のスキルステータス

 武器スキル類

 刀剣 16

 槍 36

 盾 21

 戦闘技術 20

 生産スキル類

 料理 32

 薬調合 6

 その他

 鑑定 1

 ギャンブル 

 王法違反及び軍規違反支払い金額 1,000,000g※1

 ※1 支払いは金貨または白金貨のみとする


 こんな感じだった。僕よりもはるかにマクダフは強い。鑑定スキルもしっかり持っておりこんな強い人が僕の奴隷でいいのだろうか。おっさんが初めて会ったときに言っていたようにこの町で高い人でスキル値は30~ と言っていたがマクダフはそれと同じくらいだ。やはり王国軍の兵士や戦士あたりになればこの辺は当たり前なのかもしれない。

 初めて見るもスキルがあった。ギャンブルだ。薬調合は錬金術関連のスキルのようだがギャンブルというスキルじたい初めて目にするものだった。その下の王法や軍なんちゃら支払金額というのは僕にはむずかしくてよくわからなかった。


「マクダフ!すごいじゃないか。僕よりもはるかに強いよ。このギャンブルってスキルは何…? 」

「旦那ぁ… このスキルは俺の幸運スキルですぜ。このスキルのおかげで巡り会えたわけじゃないですか旦那ぁ… 」


 どうやら幸運スキルと言うものがありそれがマクダフの言うギャンブルスキルのようだ。


「ジョン… ギャンブルとついてるがこれは良くも悪くもな幸運スキルだ。これがこいつを奴隷落ちさせた原因の一つだ。使い方を知らなければ真っ逆さまだ… それに王法違反に軍規違反か… よく今まで生きていたもんだ… 幸運スキルのおかげだな」


 ギャンブルで奴隷落ちしたからステータス画面についているのかと思ったがこれはれっきとした幸運スキルのようだ。このスキルのせいでマクダフは奴隷になってしまったのだかわいそうでもある。


「おっさん、マクダフは料理露店でヘスサとパンポタ…? 販売だとして僕はスキル上げなの…? 僕もお金稼がないともうゼロだよゼロ。マクダフのふさいも僕が払うんだよねこれ… 」


 おっさんに再度明日の行動について聞く。料理屋の料理はやはり少しおいしくない。僕の作る料理のほうがおいしいと思う。ヘスサなら。


「金策はそこの奴隷のマクダフがいるだろう。奴隷のマクダフの稼ぎはご主人様のもんだぜ。負債もだがな。お前は安心してスキル上げをしろ。明日また俺が美味しいスキル上げの場所を教えてやる。来週までに刀剣20~ 戦技15~ までは上げてもらうぞ。そうしないとここから移動したくても移動できないからな… 」


 今まで僕はスキル上げをやるか料理を作ってお金を稼ぐかの二択しかなかったわけだが奴隷を手に入れたことによって選択のはばが広がったのだと僕はしった。確かに朝は魔物狩りをしてスキルを上げつつ夕方は料理露店でお金稼ぎでもいいかもしれないが、これだといつまでたってもスキルを上げることもまとまったお金を稼ぐのにも時間がかかりすぎてしまう。


「ら… 来週までに刀剣20~ ってそんなむちゃくちゃだよ。今僕の刀剣スキル値は4だよ4… 戦闘技術にいたっては2… 」


 僕は聞いたこともなかった。一週間たらずで刀剣スキルを15以上も戦闘技術スキルは10以上も上げられるなど。もしそんなことができるとしたら神話や物語の中に出てくる剣聖や賢者の類だろう。僕がもしその剣聖などという人物だったら話はちがっただろうけど。僕は普通の冒険者なりたての初心者だ。でもこのおっさんが言うからにはできるのかもしれない。一週間かからずに僕は料理スキルを0から10までたしかに上げたことは事実だ。でも0から10までどのスキルを上げることよりも10から20まで上げることの難しさは僕でもよくしっている。それを明日から僕は刀剣スキルを4からだけど20まで上げようとしているのだ。一週間でだ。祭りが始まる前には僕は初心者冒険者ではなくなってギルドで冒険者ランクのランクアップ試験を受けられるこんなイメージはできそうにもない。

 やっぱむちゃくちゃだ。


「明日も早い。今日はもう解散だ… ジョン早く寝ろよ。マクダフも宿屋に連れていけ。なんせお前の奴隷だからな… 」


 おっさんは笑いながらどこかへ行ってしまった。

 そうだ僕はマクダフを宿屋に連れて帰らなければならない。けどベッドは一つしかない。マクダフはにはもうしわけないけど床で寝てもらうしかない。明日の朝もし宿屋の店主にあったらもう一部屋かベッドが二つある部屋に移動できなか聞いてみよう。


「さぁ帰りましょうか旦那ぁ… 宿屋が俺たちを待ってますぜ… 」


 宿屋について部屋に入るとすぐにマクダフがベッドで倒れて寝てしまった。奴隷であるはずが主人のベッドで勝手に眠ってしまっている。大男のためベッドから床へ落とすことも僕にはできない。


 こんな大男買うべきではなかったんだ。あのもう一人のお姉さんのほうならきっとこんなことにはならなかったはずだ。なんだったら一緒にベッドで眠ることも大きさ的にはぎりぎりできただろう。

 僕はしかたがなく椅子に座って眠ることにした。床で寝るよりは少しはマシだと思ったからだ。

ステータスのスキル一覧と所持金とアイテム袋内アイテム

武器スキル類

刀剣スキル 4

盾スキル 3

戦闘技術スキル 2

生産スキル類

料理スキル 13

その他

鑑定スキル 0.3


所持金

115g 蛇肉たくさん ???のスクロール6枚 食料品ドロップスクロール5枚

マクダフ

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