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おっさんと僕と???のスクロール

 僕はかなり早い時間帯から東門の出入口に立っている。

 こんなに朝早くから狩りのために町を出るのは初めてだ。

 今日はいったいいくら稼げるのか、昨日の今日で楽しみだったため特に朝早く起きることや準備など苦にはならなかった。


 町から出た東門前あたりでウロウロしているとタケシさんがやってきた。

 おっさんは昨日と同じ服装で装備なども僕と同じ… いや僕よりも軽装備だった。

 僕もおっさん同様に服装や装備品など同じなため特に不満はない。


「やぁジョン早いな… 早速行くとするか。今日は蛇狩りだ… 」


 おっさんはいまだに目覚めてなさそうな眠そうな顔で僕の先頭を歩きだした。

 徒歩での移動ということで近場での狩りのようだ。


「野蛇狩りをこんな早朝からやるんですか?… 野蛇なんて冒険者の中でも初心者向けの魔物ですよ」


 こんな早朝から集合と言うことで少し期待していた点やや驚きを隠せなかった。

 何か僕が知らないレアアイテムでもドロップするのだろうか。


「その野蛇を狩る… スラム街のガキでも狩れる魔物だが今回は少し歩くぞ。この東門から出て少し行った森の入り口付近に美味しい狩り場があるんだ」


 おっさんは歩きながら僕に言った。どうやら僕の知っている野蛇狩りをやるようだが、僕の知らない場所においしい狩り場があるようだ。森ってあの森のことなのか…


「この先の森って野良ウルフも出没するんですよ!野蛇狩りに森に近づくなんて危険ですよ!!どうやってこんな装備の僕たちで野良ウルフ狩れるっていうんですか… 」



 野蛇とは昨日狩ったドブネズミよりも大きさはやや小さめで冒険者ではないスラム街の僕と同じような子どもでも何人かで狩ったりもできる蛇肉をドロップする魔物だ。

 僕の知っている限り野蛇のドロップは蛇肉と蛇皮だけだったはずだ。駆け出しのころスラム街の子供たちと一緒に狩った記憶がある。

 スラム街の住人であれ食べられる肉は肉だ。何の肉でも関係ない。


 それと違い野良ウルフといわれる魔物は大きさは中くらいで初心者冒険者がソロで狩る魔物としては少し難しいとされている。

 森の中まで入るとウルフの群れがいるが森の入り口付近では単体の野良ウルフ出てきていることも多々ある。


「それに野蛇って何かレアアイテムドロップするんですか?… ドネタンみたいに。聞いたことがないけど… 」


 歩きながらおっさんに僕は聞いたがおっさんの回答は意外なものだった。


「俺の後ろを付いてこい… そうすれば野良ウルフに遭遇はしない… 野蛇からレアアイテムドロップはしないぞ。俺の知る限りな… 今日は野蛇からドロップする蛇肉に用があるんだ」


 さも当たり前かのようにおっさんは僕に言った。何か考えがあるのかもしれない。僕が知らないだけで蛇肉がすごく価値のあるものになるのかもしれないと思った。


 十数分ほど歩いてお目当ての狩り場についたようだ。

 本当におっさんの後ろを付いて歩いたが野良ウルフには出会わなかった。何か出会わないルートとかあるのだろうか。


「今日はここで狩るぞ。蛇肉祭りだ… この森の入り口付近の開けた場所では野蛇しかPOPしない。つまり現れない場所だ。」

「そしてここに出現する野蛇は必ず蛇肉を2~ 確定ドロップさせる… 」


 少し森に入った場所にこんなところがあるなんて僕は知らなかった。そして必ず蛇肉をドロップするなんてことも初めて聞いた。


「か… 必ずって本当に?… 確定ドロップなんて聞いたこともない…」


 1匹の野蛇を狩った際のドロップは僕が知っている限りではこうだ

 蛇肉0~2

 蛇皮0~1

 これのみだ。


 一つでも蛇肉を落とせば良いほうでだいたい0が当たり前のような魔物であり。弱い。

 僕の知っている野蛇とは違う野蛇が出てくるのかと思ったが既に出現していた野蛇は僕の知っている野蛇で間違いなかった。


「沸きは無限だ… どんどん狩って蛇肉を集めてくれ。とりあえず… 500個いや… 1000個の蛇肉を集めるこれが今日の目標だ。」


 そういいながらおっさんは一度町に戻ってこの後の必要なアイテムなどを準備してくると言ってその場からいなくなってしまった。

 残された僕はおっさんの言ったことがあまり信じられなかったが3匹の野蛇を狩ってみて確信した。

 なぜなら僕のアイテム袋の中には野蛇の肉が6個入っているからだ。


 野良ウルフが来ないかそこが少し心配だったが、おっさんを信じて野蛇を狩り続けた。

 無心で狩り続けていると37匹目かで僕の知らないアイテムがドロップした。


 ???のスクロール


 これはいったい何なのか。蛇肉と蛇皮しか知らなかった野蛇からの初めて見るドロップ品だ。

 スクロールと言われる今にも破れそうな古い紙は僕でも知っている。

 便利なアイテムで冒険者で知らない人は初心者以外はいないだろう。僕でも少しは知っているくらいのアイテムだ。使ったことは僕はないけど。


 ただこのスクロールは???のスクロールだ。何か特別なアイテムなのか分からなかったが僕は無くさないように丁寧に折りたたんでアイテム袋の中に蛇肉と一緒に入れた。

 おっさんが来たら聞いてみよう。


 野蛇狩りが100匹を超えたところでおっさんが戻ってきた。


「やぁジョン… 蛇肉は集まってるか?刀剣スキルだけでなく戦技も使っていけよ。野蛇でもまだお前くらいの戦技スキルなら上げられるからな… 」


 僕はすっかり忘れていた戦闘技術スキルを使うことを。一撃で倒せる魔物であったため使う必要性がなかったからだ。


「おっさんこの???のスクロールって何?… 初めて見たんだけど… これってレアアイテムなのっ?」


 ???のスクロールをおっさんに見せるとおっさんは特に驚くこともなくこの不明なアイテムについて教えてくれた。


「あぁ野蛇でも出るんだな???のスクロール… これはだな…」


 おっさんは僕にもわかるように説明してくれた


 ???のスクロールは僕の知っているスクロールと効果は一緒のようだ。ただ、どのスクロールか鑑定するまでは分からないらしい。


「ジョンお前は鑑定スキルを持ってなかったな… ちょうどいい機会だ鑑定スキル上げもほかすのスキル上げと一緒にやっていこう」


 鑑定スキルとはいっぱしの中級冒険者以上ならだれでも持っているスキルでもあり必須スキルだ。これを持っているか持っていないかで冒険者としての格が変わってくる。

 でも僕は冒険者必須スキルでもある鑑定スキルを持っておらずそのスキルの取得方法も知らなかった。

 冒険者を続けてギルドの依頼とかこなしていけば勝手に手に入るものだと思っていたんだ。


「鑑定スキルってのは便利だぞ… これがないとまず話にならない… だが、この鑑定スキルの取得方法は誰もタダでは教えてはくれない… タダではな… だが俺のこの方法を使えば鑑定スキルの取得は簡単でタダだ… 」


 鑑定スキルは冒険者の必須スキルと言われているが鑑定スキルについて謎が多いのだ。

 なぜかと言うと、鑑定スキル取得はたくさんのお金がかかる。

 武器を使うのに必要な刀剣スキルや弓スキルまた魔法スキルとは別に冒険者にとって必須スキルである鑑定スキルをむやみやたらに初心者冒険者に教えてくれる中級や上級冒険者がいないのだ。


 一般的な方法では鑑定スキル持ちに依頼して鑑定スキルを使用しているところを詳しく見せてもらい教えてもらう。こんな簡単なやり方なのだが鑑定を近くで見続け、鑑定眼をならす必要の回数がたくさん必要で鑑定スキル取得まで時間がかかる。


 鑑定スキルを取得するまでは鑑定スキルを覚えるだけでお金がかかりすぎる。そのため依頼料を安くしろと言うのだがこの鑑定スキルを手に入れたら今度はこの冒険者必須の鑑定スキルを教える料金が安すぎると発言する側にみな回ってしまう。そのため鑑定スキルの取得するための依頼金額が毎年値上がり青天井となって問題となったことをおっさんに教えてもらった。


「???のスクロールを広げて日に向けて見ろ… 日に向けることによって薄っすらと紋様が浮かび上がってくるはずだ。その紋様を教えてくれ…」


 ドラゴンの紋様 魔物召喚スクロール

 武器の紋様 装備品ドロップスクロール

 ゲートの紋様 ランダム転移スクロール

 食料の紋様 食料品ドロップスクロール


 大まかには???のスクロールからはこの4つの紋様のどれかのようだ。


 僕はおっさんに言われるがまま???のスクロールを広げて日に向けてみた。薄っすらとではあるが大きなドラゴンの紋様がスクロールの中央に浮かび上がっている気がした。


「すごい… 鑑定スキル持ってないのに???のスクロールがなんのスクロールかわかるなんて。こんな調べ方があったなんて!!ドラゴンの紋様が見えるよおっさん」


「ドラゴンの紋様か… つまり魔物召喚スクロールだな。ジョン使ってみろ… 使い方はスクロール名を発言するとスクロールが光る。光った後そのスクロールを破るこれだけだ。」


「えっ… ドラゴンなんか召喚されても僕は倒せないよ。おっさんも倒せないでしょ。こんな危ない魔物召喚スクロールなんて使えないよ…」


「大丈夫だ… ドラゴンなんてもんは召喚されることはまずない。さぁ使ってみろ」


 僕はおそるおそる手に持ったドラゴンの紋様が薄っすらと見えた魔物召喚スクロールを見つめて言った。


「魔物召喚スクロール発動!」


 ???のスクロールが光りだす。光ったことを確認してこれが魔物召喚スクロールであると僕にも確認できたためおっさんの言った通りスクロールを二つに破ってみた。


 光に包まれて目の前にコウモリの魔物が召喚された。ドラゴンが召喚されなくてよかった。


「なっ… ドラゴンじゃなかっただろ。スクロールがドロップした場所のレベルに応じた魔物類が召喚されるのがこの魔物召喚スクロールだ。小さなコウモリならお前でも狩れる…」


 野蛇と同じくらい弱かった。コウモリの魔物は簡単に狩ることができた。

 ドロップ品はコウモリの羽2だった。


「コウモリの羽か… これは錬金アイテムとして使える。これを使えばアレができるな… 」


 ドロップ品のコウモリの羽を見ながらおっさんは何かいいことを思いついたようだった。


 気づいたら鑑定スキルが0.1上がっていた。


「???のスクロールでこのやり方で鑑定スキルを上げ続ければいずれ鑑定スキルは上限になる。鑑定スキルは1が上限だ。200~300枚くらいやれば鑑定は上限まで上がるはずだ。時間はかかるが金はかからない… 」


 初心者の僕でも鑑定スキルを上げることができた、これで鑑定スキル持ちに一歩近づいた。うれしい。


「野蛇を狩る。蛇肉を集める。???のスクロールが出たら日に向けて調べて鑑定スキルを上げる。これが当分の日課だな」


 今日は野蛇を300匹ほど狩ってドロップ品は

 蛇肉720

 蛇皮120

 コウモリの羽2

 ???のスクロール4枚だった。


 蛇肉1000個集める予定だったがおっさんが途中で別の用事があるため町に戻るというのでここで切り上げることにした。僕一人で狩り続けることもできるが野良ウルフに遭遇するのが怖かったためやめた。


 さすがに僕のアイテム袋には720個の蛇肉や蛇皮120枚も入らないためおっさんにもドロップ品を持ってもらうことにした。たいはんのドロップ品をおっさんに持ってもらった。


「蛇皮はゴミだから捨てるぞ… 今回ようがあるのは蛇肉だからな邪魔なだけだ」


そう言っておっさんはドロップ品の蛇皮すべてを破棄してしまった。

???のスクロールはすべて僕のアイテム袋の中に入れた。おっさんはどうやらアイテムボックスを持っているようだ。

アイテムボックスはなんでも入れられると聞いたことがある。

僕の持っているアイテム袋なんかとは比べ物にならないくらい高価なアイテムだ。うらやましい。

僕も欲しいが僕が買えるような代物ではない。


「町に戻ったら早速蛇肉を使った作業の開始だ… 遅れるなよ… 」


 僕たちが街に帰った時にはもう日が暮れ始めていた。



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