はじめてのおっさんと知らない場所で
17… 肉2と皮1はずれ
18… 肉1と皮1はずれ
19… 肉3はずれ
20匹目…「あたりっ!おっさんでたぞドネタンだ!」
僕はその日、いつものように狩り場で金策に明け暮れていたが、今は今日初めて会ったおっさんに言われるがまま連れてこられた効率が良い?場所でドブネズミ狩りをやっている。
レアドロップ品狙いで20匹目を狩ったところでようやくお目当ての物に恵まれた。
通称ドネタン(ドブネズミの短剣)と言われる短剣で1個1k(1000g)程で取引されるアイテムだ。
ドネタンは初心者から中級者まで愛用されている装備品の一つであり、武器破損された武器としては使えない状態でも下級錬金アイテムの素材としては利用できるため捨てるところがない。
「なっ… 言った通りだろ坊主。一階の東のドブネズミじゃなくて二階西のこのエリアで現れるドブネズミならレアドロップ率が他と比べて若干上回ってるんだ。」
「だがドロップ率が悪いな… 俺か… いや坊主の運がよくないのか… 俺の計算だと後4個くらいはドロップすると思ったんだが… 」
「それと忘れるなよ… 今日の儲けは俺と半々だからな… 」
おっさんは周りをきょろきょろ見たり調べながら自慢げに話す。
「なぁ僕に教えてよかったのかよおっさん。初心者にはかなりおいしい狩り場なんじゃないのかこんなの知っていれば… 。」
僕はようやく手に入れた今日一番のレアドロップ品のドネタンを肉や皮が入っているアイテム袋に一緒に入れながら聞く。
「気にするな坊主… これではっきりと分かった。俺は知ってるこの世界を… 」
突然吟遊詩人のような言葉を独り言のように言いながらおっさんは少し涙を流しているように思えた。
「今日はもうこれで狩りはやめて帰るか… それとももう少し狙ってみるか?」
おっさんに聞かれて即返事をする。
僕が冒険者になって一回の探索や狩りでの時給を十分に上回っている。これを逃がす手はない。
「もう少し狩って帰ろうよ。おっさん今日は僕が夕飯はおごるよ!」
その日はいつもより少し遅い時間まで狩りを続け僕はホクホクだった。
最終的にドブネズミを50匹程狩りドロップ品は
ドブネズミの肉72
ドブネズミの皮46
ドネタン3
手持ちのアイテム袋にすべて入れて持って帰ることはできずドブネズミの肉と皮はあらかた捨ててしまったがドネタンがなんと3個もでた。
これでだいたい3k以上は確定だと思うと誰かにこの後、このアイテム袋を盗まれるのではないかと気が気でなかった。
僕はもう舞い上がっていた。この狩場を知っていればもう僕は何もお金には困らないと。
欲しかった新作の赤いコートのようなデザインの防具も、少し僕には大き目な盾でも、一目見て気になったまだ売れてないことを願っている好きなデザインの大剣も欲しいものも何でも手に入ることができると思っていた。
狩り場から歩いてギルドのある拠点の町まで戻る際にもおっさんはまだ辺りをきょろきょろと見たり調べたりしながらだが会話をした。
「おっさんありがとう。こんなに1回の狩りでここまで稼げるとは思えなかったよ。ありがとうおっさんっ!」
僕は感謝を言いながらもしかするとこのおっさんはまだ別のおいしい狩り場をしっているのではないかとも考えていた。どうしたら僕だけに教えてくれるだろうか。
どうやればこのおっさんと仲良くなれるだろうかと考えながらこの後食べる夕飯のことも考えていた。
「なぁ坊主… 初心者の冒険者が1回の探索や狩りで手に入る金っていくらくらいだ?」
「僕のようななりたての冒険者ならだいたい一回の狩りでは400g稼げればいいくらいだよ。」
「ドネタンみたいなレアアイテムドロップしたらその日の後の狩りはボーナスタイムのような感じだよ。ギルドからの依頼で僕でも受けることができる薬草とか集めるなら300g~かな… 」
僕はなぜ今更こんな一般常識的なことをおっさんが僕に聞くのか謎だったが真面目に答えた。
「だいたい俺が初心者の時と同じ… いや少し低めくらいか… それなら上級者なら一回の狩りで100k程度の計算で合ってるか?」
「1… 100k!!! 上級冒険者の知り合いがいないから僕はわからないよ… 」
僕は聞いたことも見たこともない金額をおっさんから言われて驚いた。いずれ僕もそれくら稼げるようになるのだろうか。今はまだ夢のまた夢だ。
そんな会話をしながら歩いていると僕が拠点としている町に到着した。
ここは中規模程度の町で村よりは人が多いがまだ田舎よりの場所だ。街というよりは町で僕の知っている中で一番大きな町であり一番人が多い場所だ。
これ以上人がいたらいったいどうなってしまうのだろうか、息苦しくなったりしないだろうかたまに気になる。
「やぁ… 冒険少年!今日は少し遅かったな心配したぞ… 」
町の出入り口にいる門番の兵士の人に話しかけられた。
この兵士さんは僕がよく出入りしている門で怪しい人物を町に入れないために警護してくれている男性だ。
「こんばんは!今日はドブネズミ狩りをやって遅くなりました。入れてもらえますか?」
いつものように簡単な質問と応答、また身分証でもあるギルドカードを見せて町に入れてもらう。
「そちらの人もギルドカードの提示をお願いします。」
兵士の人が僕の後ろにいるおっさんのほうに気づくとおっさんにもギルドカードの提示を求めた。
が、おっさんは自分は田舎の小さな小さな村からやってきたもので途中でこの坊主に会って一緒にここまできた。
まだギルドカード類は持っていないためこれからギルドへ作成するために行く必要性があるとよどみなく説明していた。
僕は狩り場に詳しかったおっさんが上級冒険者かすでに引退した人物だと思っていたので驚いたが、違ったようだ。
「そうでしたか… では早急に身分証明書を提示できるようにギルドへ行ってください。この少年と知り合いのようですので怪しい人物であるとは思えませんが、次からはギルドカードの提示をお願いします。」
そう言って門の中へ導いてくれた。
僕と一緒に夕飯を食べる前に狩りで手に入れたドロップ品の販売とおっさんのギルドカードを作成をギルドで行うことになった。




