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プロローグ
朽ちた建物は、もはや”ビル”と呼べる建造物ではなかった。大昔に描かれたであろう落書きは薄れ、ひび割れた壁から浸食してきている生態系が、その建造物が朽ちてからの時間を物語っていた。
窓ガラスは粉々に砕けているというのに、建物は周囲からの光を決して受け入れない。周りを照らす道具が無ければ1メートル先すら見通せないだろう。
いつ崩落するかも分からない、そんな場所に明かりが一つ。
懐中電灯の光を周囲に当てながら、小柄な少女が壁際に座り込んでいる。
雪のように白い髪が二つに結ばれている少女は、透き通るような瞳を伏せた。
何もない壁に向かって、少女は言う。
「アリア、久しぶり。」
ぽつり、と雨粒のような少女の声が、建物内に木霊する。
「追っ手を撒くの大変だったんだよ?もしかしたら、ここに来れるのも最後かもしれない。だから、さ....」
どこか寂しそうな表情で、少女は続ける。
「いい加減、そろそろ起きてよ。ねぇ、聞いてるんでしょ?ねぇってば」
「本当に....お願いします。....起きて。...起きてください...」
震える声で、少女は朽ち果てた壁に向かって話しかけ続けている。
ふせんです。白髪美少女を書いてみたかったんです。
物語を描くのは初めてなので、頑張ります。




