074 『嘆きの地下墳墓』⑤
その後、何度もスケルトンやゾンビとの戦闘を繰り返し、『嘆きの地下墳墓』ダンジョンをどんどん進んでいく。
アンデッドとの戦いで、オレは大活躍だった。
ヒールでアンデッドのHPを減らせるし、ゾンビの麻痺攻撃もナオパライズで治せる。
他のチームが持ち込んだポーションや麻痺治しなどのアイテムの量によってダンジョンをどれだけ潜れるかが決まるのに対して、オレたちはオレの魔法によってアイテムを一度も使うことなくどんどんとダンジョンを攻略していった。
他のチームともすれ違いながら、オレたちは第二階層をクリアして第三階層へ。
第三階層からは魔法を使うスケルトンメイジが現れる。このあたりもゲーム通りだな。
スケルトンメイジの使うアイスニードルは初めて見た魔法だったけど、これまでの経験でコツを掴んでいたのか、問題なく斬ることができた。
普通なら脅威になるスケルトンメイジの魔法も、魔法を斬れるオレにかかればただの杖を持ったスケルトンに過ぎない。
フェルディナンはじめみんなも褒めてくれたし、気分がいいね。
やはり、魔法を斬れるというのはかなり大きなアドバンテージだ。技を見せてくれた父上に感謝だな。オレはまだ初級の魔法しか斬れないが、どんどん斬れる魔法を増やしていきたいところだ。
そんなこんなで、オレたちは第三、第四階層もクリアし、第五階層も残すところはボス部屋のみとなった。
「ここがボス部屋か……」
オレの目の前には、錆の浮いた両開きの鉄扉があった。この扉の先がダンジョンのボスがいるボス部屋である。オレたちは、ボス部屋前の小部屋で休憩をしていた。万全の状態でボスに臨むためだ。
「予想よりもずいぶんと早かったな。アベル、ジゼル、お前たちは優秀だ」
「ありがとうございます」
「ありがとうございます、殿下。念のため最後の確認ですが、上級生の皆さんは、ボス戦に参加されますよね?」
オレが確認すると、フェルディナンがゆっくりと頷いた。たったそれだけの仕草だが、なんとなく気品を感じるのは彼が王族だからだろうか?
「もちろんだ。次の戦闘には我々も参加する。だが、ボスの取り巻きを倒すだけだ。ダンジョンのボスであるワイトは、お前たちが倒せ」
宣言通りこれまで一度も戦闘に加わらなかった上級生だが、さすがにボス戦は働いてくれるらしい。しかし、ボスはオレとジゼルで倒すしかないようだ。
「ふむ、ちょうどいい。ボス戦での動きを再確認するぞ。まず、モンスターの確認だ。ボス部屋には、ボスであるワイトの他にゾンビが四体、スケルトンソルジャーが四体、スケルトンメイジが二体いる。ここまではいいな?」
フェルディナンがみんなを見渡すように言う。オレは頷いて返すと、フェルディナンが再び口を開いた。
「ワイト以外のモンスターは二年生、三年生が倒すのは先ほど言ったな? 一年生はワイトとの戦闘に集中してくれ。しかし、ワイトのみを見ていればいいという問題でもない。いつモンスターの魔法が飛んでくるかもわからんからな。それに、集団戦では立ち位置が非常に重要になってくる。上級生の動きを見て勉強するいい機会だ」
ゲームでは、戦闘はコマンドを選ぶだけで済んだ。
だが、現実はそうじゃない。
実は、高い攻撃力の技を放つよりも、攻撃を放てる地点までどうやって動くかの方がはるかに重要なのだ。
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