066 エリクとフェルディナン
「六番か……」
オレの番となり、クジを引く。引いた番号は六番。できればシャルリーヌと組みたいけど、さてさて、誰とペアになるのやら。
「わたくしは一番です」
「わたくしは七番でしたわ」
どうやらマルゲリットが一番、シャルリーヌが七番らしい。それを聞いて、落胆している人々の姿が見えた。二人はクラスの中心の人気者だからね。一緒に組みたい人も多いだろう。
「ん?」
ふと気になって平民のクラスメイトたちを見ると、いつも元気なギーが青ざめた顔をしていた。どうしたんだろう?
「六番だわ」
「お?」
そんなギーの隣からそんな声が聞こえた。ジゼルだ。
どうやらオレはジゼルとペアになるらしい。
ということは、主人公はギーなのか?
まぁ、そのうちわかるだろう。
「自分の番号は確認しましたね。では、番号を呼ぶので、呼ばれた方は前に出てください。最初に一番の方」
そうしてどんどんとコランティーヌ先生によってペアが作られていく。
「よろしく頼む」
「え、ええ……」
ジゼルと握手しようと思ったら、なんだか引き気味だった。笑顔が引きつっている気がする。やっぱ怖がられてるのかなぁ。不本意だ。
「よろしくなんだなー」
「ええ、よろしくね」
周りを見れば、シャルリーヌとポールが握手していた。その奥では、ずーんと暗い雰囲気をしたエロワとテオドールが見える。
そして――――。
「よろしくお願いいたしますわ」
「は、はいっ!」
マルゲリットとギーが向かい合っているのが目に入る。あの二人がペアになったのか。マルゲリットはいつも通りニコニコとしており、ギーはかなり緊張しているようだ。
これはギーが主人公で決定かな?
がんばれギーくん。がんばれば、キミは未来の王族にもなれるぞ!
ゲームのシナリオでは、主人公とマルゲリットが結ばれるエンドもある。ギーがどんな選択をするのかわからないが、後悔のないように生きてほしいよ。
◇
「お! アベルじゃないか!」
六番チームに与えられた教室に入ると、さっそく声をかけられた。
たしか、エリクだったか? エペー男爵の息子だったと記憶している。
エリクの朗らかな笑みに癒されるが、オレはすぐに緊張することになった。
「エリク、知っているのか?」
エリクの後ろから響いた落ち着いた声。オレはこの声を知っている!
「はい、殿下。こちらはアベル・ヴィアラット。辺境でヴィアラットの名を知らぬ者はいません」
「ほう?」
そうしてオレを物珍しそうに見てくる金髪のイケメン。
フェルディナン・マンディアルグ。このマンディアルグ王国の第一王子だ。
フェルディナンは二年生だ。いるのは知っていたが、実際に見るのは初めてだ。ビックリするぐらいイケメンだな。羨ましいよ。
「その名、聞き覚えがあるぞ。たしか、入学初日に決闘騒ぎを起こした一年生だな? ダルセー辺境伯の息子と決闘したと聞いている。決闘では面白い条件を出したな」
そう言って含み笑いを漏らすフェルディナン。かっこいいなぁ。隣にいるジゼルも顔を赤くして乙女の顔でフェルディナンを見ていた。
「その隣は、たしかジゼルだったか?」
「あ、あたしの名前!?」
「殿下は全生徒の名前を記憶していらっしゃるらしい」
「へー」
ゲーム通りだけど、すごい記憶力だね。
「これで全員集まったな」
フェルディナンの言葉通り、この場所には六人の生徒が集まっていた。つまり、この六人が同じチームということだ。
「では、さっそく自己紹介とミーティングといくか。エリク、それでいいな?」
「はい。かしこまりました」
さすがフェルディナンだな。その持ち前のカリスマで二年生にして場を仕切っている。
まぁ、王族だしね。慣れているのだろう。
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