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【最強モブの努力無双】~ゲームで名前も登場しないようなモブに転生したオレ、一途な努力とゲーム知識で最強になる~  作者: くーねるでぶる(戒め)


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053 エルネストとの決闘

 決闘の結果に不満だったテオドールは、今度は上級生を使って決闘に勝とうとする。


 これはゲームで見たシナリオの通りだ。


 だが、なぜ絡む相手が主人公ではなくオレなんだ?


 やはり、シナリオを無視した行動ばかりするテオドールは転生者の可能性がある。


 それを確かめるためにも勝たなくてはな。


「その決闘を受ける」

「ちょっ!? アベル!?」

「おま、正気か!?」

「危ないんだなー」


 オレが決闘を承諾すると、シャルリーヌたちから悲鳴のような声があがり、テオドールとエルネストがにやりと笑った。


「相手は上級生、それも三年生の方ですよ!?」

「まぁ、大丈夫だろ。負けたって最初の状態に戻るだけだ。そうだろ、シャルリーヌ?」

「それはそうですが……」

「バカおま! せっかく借金がチャラになったってのに、また借金してたまるかよ!」

「借金は嫌なんだなー」


 どうやらみんな反対っぽい?


 たしかに、相手は上級生で二歳も年上だ。十代の、それも十代前半の二歳差は、それこそ絶望するほど変わってくる。体格的な意味でもそうだし、それは技術的な面でもそうだろう。


 普通なら勝てないかもしれない。


 だが、オレにはここで引くという選択肢はなかった。


 ゲームで何度も勝っていたからかな?


 どうやっても負けるイメージが浮かばないんだよなぁ。


「言質は取ったぞ! もう逃げられると思うな!」

「べつにいいよ」

「こっちに来い!」

「ああ」


 テオドールに連れられて、オレたちは闘技場の舞台に上がった。舞台から見ると、観客席が段々畑のように徐々に高くなっていく。まるですり鉢の底から見上げているみたいだ。


「よく逃げずに来たな。褒めてやる。先輩、お願いします」

「任せておきたまえ」


 あっちはもう準備OKなようだな。


「アベル……」

「大丈夫だよ、シャルリーヌ。オレは負けない」

「絶対、負けんじゃねーぞ!」

「勝ってほしいんだなー!」


 エロワもポールも借金は嫌なのか、マジな目でオレを見ていた。


「テオドール様ー! 呼んできましたー!」


 その時、闘技場の入り口に現れたのは、テオドールの腰巾着のシラスだった。その後ろには、不満そうな顔のコランティーヌ先生が見える。


 シラスの姿が見えないと思ったが、コランティーヌ先生を呼びに行ってたのか。


 なんとも準備がいいことだね。


「また決闘とのことでしたが……」

「そうだ。俺の代理人であるエルネスト先輩とアベルが決闘する」

「……アベルくんはそれでいいんですか?」

「はい。かまいません」

「はぁ……。なんで貴族はもー……」


 コランティーヌ先生はなんだかやりきれないものを感じているように頭をガシガシと掻いていた。


 だが、コランティーヌ先生は気が進まない仕事でもキッチリやるタイプなのか、それからは立会人として決闘の条件や賭けの内容を確認していった。


 その様子をエルネストは余裕そうな笑みを浮かべて眺めている。


 エルネスト・ラシーヌ。


 ゲームでは第二のかませ犬として登場したキャラクターだった。


 主武器は悪趣味なほどゴテゴテと装飾されたレイピア。レイピアによる素早い連続攻撃と風魔法が得意だったと記憶している。


 ゲーム通りの悪趣味なレイピアを腰に佩いているし、人違いということはないだろう。


 エルネストの技量はそこまで脅威ではない。


 注意しなくてはいけないのは、レイピアの攻撃が高確率でクリティカルになる特性と、やはり風魔法だろう。


 辺境でレイピアなんて使う奴はいなかったし、風魔法はまだ実際に見たことがない魔法だ。


 噂では、風魔法は不可視の刃とも呼ばれることのある強力な魔法らしい。


 これはぜひとも体験して攻略しないとな。


「では、テオドールくんの代理人であるエルネストくんとアベルくんの決闘を始めます。両者、準備はいいですね?」

「はい」

「かまいませんよ」


 エルネストは自信があるのだろう。太々しく感じるほど余裕そうだ。


「では……始め!」


 そして、決闘の幕が切って落とされる。

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