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【最強モブの努力無双】~ゲームで名前も登場しないようなモブに転生したオレ、一途な努力とゲーム知識で最強になる~  作者: くーねるでぶる(戒め)


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043 侮辱

「お初にお目にかかります。ご挨拶が遅くなり、申し訳ありませんでした。私はアベル・ヴィアラットです」

「ふんっ。お前があのヴィアラットか」


 テオドールが不機嫌そうに鼻を鳴らす。


 あのなぁ、オレだってお前に頭下げるのは嫌なんだよ? 早く察して大人な対応してくれよ。


 だが、オレの願いは通じなかった。


「飛空艇を手に入れてご機嫌らしいな? それで辺境の人気者か? 男爵風情が飛空艇だと? 身の程を弁えろ! お前の飛空艇を献上しろ! 飛空艇は、辺境伯嫡子であるこの私にこそ相応しい!」


 知ってた。知ってたけど、こいつは本当に敵を作るのじゃ上手だな。思わず口の端がヒクヒクするほどムカつくよ。


「それはできかねます」

「辺境での人気取りに忙しいからか? 航空戦闘団とか言ったか? 実にくだらんな。私ならば、もっと上手く飛空艇を使うことができる!」


 こいつ今、父上の思いをバカにしたのか?


 辺境を守護するはずの辺境伯が働かないから、父上がその尻拭いをしてやっているというのに?


 こいつらダルセー辺境伯家がもっとしっかりしていれば、辺境はここまで貧しくなることもなかったのに!


「理解に苦しみます……」

「バカが! やはりあの大局を見れないバカ男爵の息子もバカだったか」

「今、父上のことをバカって言ったか?」


 オレのことを悪く言うのはいい。だが、父上をバカにすることだけは許さん!


「聞こえなかったか? ヴィアラット男爵はバカだと言ったのだ」

「取り消せよ! 今の言葉!」

「お、おい、アベル!」

「落ち着くんだな!」


 エロワとポールに羽交い締めにされ、オレはようやくテオドールを殴ろうと拳を振り上げていることに気が付いた。


「野蛮だな。親が親なら子も子だな。お前らのような蛮族には、飛空艇など宝の持ち腐れだ」

「まだ言うか!」


 その時、テオドールがニヤリと笑う。


「違うと言うのなら、決闘で己が正しさを証明してみせろ。飛空艇を賭けて決闘だ。まあ、そんな勇気はないだろうがな!」


 こいつ……!


「いいだろう……。決闘だ!」


 オレは制服のポケットから手袋を取り出すと、テオドールに叩きつける。


 顔面に手袋を叩きつけられたテオドールは、しかし、笑みをより深くしていた。


「決まりだ。約束を違えるなよ?」

「上等だ!」

「ここでは手狭だな。グラウンドに行くぞ。ははははははははっ」


 おかしくて仕方がないと笑うテオドールは、シラスを引き連れて先にグラウンドへと向かう。


 あの野郎、せいぜい今は笑ってろ。必ず潰す!


「おいおいおい、どうすんだよ!? たしかに気にくわないが、相手は辺境伯の息子だぜ?」

「噂では、魔法が使えるんだな」

「やべーじゃねーか!」


 オレを羽交い締めにしたまま、エロワとポールがオレを責めるように言った。かなり不安そうな顔で、そして心配そうな顔でオレを見ている。


「今なら子どもの戯言ってことになんねえかな? 飛空艇を賭けるなんてバカげてる!」

「決闘まで話が進んじゃったら無理なんだな……。決闘は神聖なもの。絶対に曲げちゃいけないんだな……」

「あーもう! どうすんだよ!?」

「とりあえず、放してくれないか?」

「お、おう……」

「放すんだな」


 ようやく解放されたオレは、エロワとポールの方を振り返る。


「ようは勝てばいいんだろ? オレは負けるつもりはない」

「だから! 相手は魔法使うって言ってんだろ!? 魔法使い相手にどうやって勝つんだよ!?」

「だなだな」

「魔法使いか……」


 たしかに魔法使いは厄介だな。


 魔法を使うには適性が必要だ。オレの神聖魔法のようにな。


 魔法使いになれるのは希少な才能の持ち主のみなのだ。そして、その希少さに見合うだけ魔法は強力である。魔法が使えるというだけで騎士に任命されるほどだ。


 そんな強力な力をテオドールは持っている。


 まぁ、知っているがね。テオドールの使える魔法の属性は火だということも。テオドールがまだファイアボールしか使えないということも。


 ならば、活路はある。


 だから、オレは決闘を受けた。


 必ず、父上への侮辱を謝罪させてやる!


「アベル? 大丈夫なの?」


 いつの間にか、シャルリーヌとアリソン、ブリジットの三人が近くにいた。シャルリーヌも心配そうにオレを見ている。


「シャルリーヌか。大丈夫だよ、必ずテオドールに勝ってみせる。そして、父上を侮辱したことを謝罪させる!」

「え? それだけ……?」

「ん?」


 シャルリーヌが驚いたようにオレを見た後、呆れたような表情を浮かべた。


「もー! 相手は飛空艇を要求してるのよ? なら、こっちも同じだけの価値あるものを要求するべきよ! 謝罪は当然としても、もっと要求してもいいはずよ?」

「ふむ……」


 なるほど。オレは父上への侮辱を謝罪させることしか考えてなかったけど、そういう考えもあるのか。その視点はオレにはなかった。さすが商売で成り上がったブラシェール伯爵家のご令嬢だ。


「さて、何を要求するか……」


 この世界での飛空艇の価値はとても高い。それに匹敵するものとなると……。

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