1 高校2年生
どうぞよろしくお願いします。
4月になり、私は高校2年生になった。
文芸部の部長にもなったし、まあいろいろ頑張らないと。
始業式、新任の先生の紹介で新しい理科助手の先生を見た。
あれ? 何か見たことある……。あれ、どこでだ? んーと。
講堂から教室に向かいながら、考えるが、思い出せない。
アキに話し掛けられた。(マユミとはクラス離れた……)
「新しい理科助手の横川先生って、ちょっとトモに雰囲気似てない?」
「あ、私もそう思った!
長い髪と華奢な感じ。目が大きいとことか?」
たまたま隣を歩いていた典ちゃんにも言われる。
「私に、似てる?」
何か思い出せそうな気がした。
高2の一学期は地学がある。化学もある。途中から生物学とか、物理に変わって、単元と学期で調整するらしい。
化学は田中先生。私は迷わず化学の係になった。だって競争率低いもん。
アキが地学の係になって……、すごい人数ジャンケンして勝ち抜けた。本当にジャンケン強いよね。
それで放課後、理科準備室に挨拶に行こうって言われて。
挨拶も何も、よく知っててやりやすいから選んだ係なんですけど。
始業式なので午前でおしまい。クラブもない。
なので、私達は理科準備室を訪問した。
「はい」
理科助手の横川先生、だよね。が対応に出てくれた。
「H2Bの地学係と化学係です。ご挨拶をと思いまして」
アキがスラスラと説明してくれる。
横川先生は「H2Bの地学と化学の係ね。
川上先生、田中先生、係の子達が挨拶に来てくれてますよ」と呼んでくれた。
うん、髪型とか、痩せているように見える感じとかは私に似ているのかな?
自分だと似ているという感じはそこまでしない。でも、変な既視感がある。何だろう。
川上先生と田中先生が出てきた。
「え? どっちがどっち?」
川上先生がうれしそうに言って。
「私が地学で、トモが化学でーす! 残念!」
アキが笑う。
「トモ……!?
もしかしてあなたが若宮さん?」
扉付近にいた横川先生がわざわざ出てきて私をじっと見た。
「……どこかでお会いしましたっけ?
え、あ、写真でかな?」
髪型が違うもう少し若い横川先生の姿が頭に浮かんだ。
そうか、写真で高校、大学と見た!? そして今の姿……。
やっぱり、写真だ!
「……別人だと思うわ。私はこの学院初めてだし」
ちょっと低い声で言われた。
その時、その写真が真理先生に見せてもらった(見させられた?)川上先生の学生時代の写真だったことに思い至り、あ、これ以上はやばそう、とにっこり笑って言った。
「私の勘違いでした。従姉とまちがえちゃったかな。ごめんなさい」
私がそう謝ると、横川先生もほっとした様子で「そうよね」と言った。
「H2Bの麻岡が地学。若宮が化学だ。ノートや資料のことで理科準備室に来ることがあるから。
よろしく」
川上先生が確認する様に言った。
最後のよろしくは横川先生だけじゃなく、私達にも向けられていた。
読んで下さり、ありがとうございます。
第5章に入りました。
どうぞよろしくお願いします。




