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今世と前世と罪と罰  作者: 月迎 百
第4章 岩瀬加奈
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20 騙されてた?

どうぞよろしくお願いします。

「どうしたんだ!?」


 田中先生が驚いて叫んだ。

 あき先輩が説明し始める。


「ボート乗る人と池の散策組に分かれて。

 川上先生とトモとマユミは散策に……」


 まゆみ先輩が震える声で言った。


「私、電話したいところがあって。

 トモと先生と少し離れてもらって。電話終わるの待っててくれて。

 そうしたら、さえ先生が急に現れて『電話で私の悪口を言っているんじゃないっ!』って、飛び掛かってきて。

 トモと川上先生が助けてくれたんだけど、トモが服をつかまれて、さえ先生と池に転がり落ちたみたいに!

 川上先生とボート乗り場のスタッフの人が助けてくれたの……」


 警備スタッフらしい人が困ったように田中先生に言った。


「警察、どうしますか?

 見ていたスタッフによると仲間内のケンカにしては、突然で一方的だったと……」


 田中先生と川上先生が顔を見合わせ……、「こちらで対応します。助けて頂きありがとうございます」と田中先生が言った。


 とりあえず、とも先輩、川上先生、さえ先生を着替えさせないと!

 でも、さえ先生からは目を離せない……。

 田中先生が言った。


「横川先生は俺と……、麻岡、申し訳ないが頼めるか?

 川上と若宮は大丈夫だな……。

 この5人で一度ホテルに戻る。

 ……予定通り、時間まで頼めるか?」


 最後の方の頼めるか? はゆかり先輩とさくら先輩に向けられていた。


「はい、大丈夫、予定通りランチは各自の予定で予約もないし。

 帰りの足だけ?」


 さくら先輩が素早く言った。

 田中先生が返事する。


「ホテルのバスにまた森林公園に戻ってもらえるように頼んでみる。

 ダメなら5人でタクシーでも……」


 ゆかり先輩が心配そうに言った。


「この状態で!?」


「まあ、どうなったか、連絡は入れる。頼んだ」


「わかりました! 気をつけて」


 さくら先輩とゆかり先輩が頷いた。

 


 公園の入り口の方に向かう5人を見送りながら私達は何だか……、無言……。

 ゆかり先輩とさくら先輩はそんな私達に元気に声を掛けてくる。


「ほらっ! せっかくの合宿、楽しまないとね!」


「そうそう、あっちは大丈夫だよ!」


 私は鈴永さんと小野田さんとなんとなく一緒に歩き出した。


「さえ先生、どうしちゃったんだろう……。あんなの……」


 小野田さんが暗い声で言って、鈴永さんも言った。


「やっぱり、私達、騙されてた?」


「……騙す、騙されるじゃなくて……。

 うーん、うまく言えないけど、人ごとに真実ってあると思うんだよね。

 さえ先生にしてみれば、鈴永さん達に話したことが、さえ先生の真実だったのかもしれない」


 私の言葉に鈴永さんと小野田さんが少し驚いてから「「うん」」と頷いてくれた。


「すごいね。岩瀬さんってそんなに深く考えてるの?」


 鈴永さんに言われて……。


「……深くではないかな?

 人それぞれ、いろいろあると思うんだよね。

 人に迷惑を掛けなければ、いいとは思うけれど……。

 さえ先生の場合は、自分を守るために人に攻撃してきた感じがして……」


「うん、そうだね。なんとなくわかる。

 うまくいかなくてって感じだよね」


「腹も立つけど、かわいそうな気もするね」


 小野田さんが呟いた。

読んで下さり、ありがとうございます。


今日、明日と仕事が連続でして。

投稿ペース少し落ちます。

これからもどうぞよろしくお願いします。

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