17 シャツ
どうぞよろしくお願いします。
「大学の写真?」
聞き返してから、すぐにはっとして、「え? いつ?」と鈴永さんが言った。
とも先輩は苦笑する。
「前に……、真理先生に見せてもらったことがある。
真理先生のお友達が川上先生と高校と大学で一緒だったって」
「何で若宮先輩に?」
まるで代表の表に質問ばかりしてくる鈴永さんに穏やかに答えるとも先輩。
「うーん、私に川上先生のことを注意するつもりだったみたい。
その、元彼女がたくさんいるような男の人だからって。
それも、その、黒髪ロングで色白のなんか雰囲気が……似ている人が多くて」
「……若宮先輩が、その?」
「そうだね。私も、さえ先生もそうじゃない?
だから、注意したかったのかも」
「元彼女のひとり?
運命の人じゃないの?」
小野田さんがぼそりと言った。
とも先輩が寂しそうに言った。
「お互いに思っていないと、運命の人とはいえないんじゃない?
さあ、遅くなっちゃったね。寝よう!」
もう11時になる。私達は布団にもぐり込んで電気を消した。
次の日、7時起床。
7時半から朝食なので慌ただしい。洗面所は混んでたので、廊下の洗面所と言っても学校みたいな大きな流しに蛇口が横に4つ並んでいるだけなんだけど、そこにとも先輩とまいちゃんともうひとりの中一のかのんちゃんと出た。
「とも先輩は化粧しないの?」
私の質問に笑って答えてくれる。
「基本はね、しないかな。
さすがに家族でいいレストランに行くとか、そういう時は服に合わせて少しするよ」
「化粧してドレスアップしたとも先輩、見てみたいな」
「うーん、レアだね。なかなかない」
朝食を食べてから、これから行く森林公園の話を聞く。
長袖長ズボンがいいこと。(これは合宿前に持参する様に言われてた)
9時にロビー集合。バスで20分ほど。水筒、帽子、忘れずに。
話が終わるととも先輩が「困ったな……」と言いながら川上先生の所へ行く。
「川上先生、カーディガンが私の長袖なんだけど」
「まだクリーニングから戻ってきていない。4階に上がったら、エレベーターホールで待っててくれ」
エレベーターで4階に行く。とも先輩はそこで待ってる。私もなんとなく一緒に待つ。
川上先生が部屋から戻ってくる、手に薄い水色のシャツ。学校で着ているのよく見たことある。
「まだクリーニングから戻ってない。このシャツ貸してやる」
とも先輩はシャツを受け取り広げて、長袖なのを確認してから言った。
「まあ、羽織には使えるけど……。んー、じゃあ、お借りします」
「大きさは大丈夫か?」
「羽織るなら大きくても大丈夫。
袖はめくればいいし。
ああ、汚したらごめんなさい」
シャツを持って部屋に戻るととも先輩の手のシャツを見て、鈴永さんが「川上先生のシャツ!?」と言った。
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