15 過剰と不足
どうぞよろしくお願いします。
大浴場から出た私達はホテルのロビーにアイスの自販機を見つけ、みんなで食べよーということになり、ロビーのソファでアイス食べてたら、若い男の人に声を掛けられた。
「星は楽しめた?」
あ、バスの運転手さん?
「ありがとうございます。楽しめました、すごく素敵でした!」とまゆみ先輩が代表する様に答えてくれた。
「明日は自然散策できる森林公園まで送迎します。では、おやすみなさい」
運転手さんは笑って手を振り、フロントの方へ入って行った。
「なんか、爽やかじゃない!?」ってさおりん先輩がうふふって笑った。
「ここの息子さんらしいよ」とまゆみ先輩が言った。
「え?」とあき先輩。
「ここのホテルの支配人? 支店長? の息子で、今年から入社というか手伝いしてる、とか?」
「なんだ、大ホテルチェーンの御曹司かと思った」とさおりん先輩。
なんだその、小説やマンガみたいな設定。
「いやいやだから、一応このホテルの偉い人の息子だよ」とまゆみ先輩が首を捻りながら言った。
「若宮さんって思ってたより太っていたのね」「そうですね、ちょっと」なんて言葉が聞こえてきて……。
さえ先生と鈴永さん達がロビーにいる私達に気づいてぎょっとした。
あき先輩が「さえ先生って思ってたよりガリだったね」とわざと聞こえるように言った。
とも先輩が「ちょっと、やめなよ」と気にしている。
とも先輩、風呂上がりでTシャツに短パンという格好で、思ってたより出るとこ出て引き締まっているところは細いっていうのがよくわかる。
そうか、いつもはわざと隠しているっていうか、露出しない身体の線を出さない服が好きなんだろう。
私服で足を出してるの初めて見たし。
「いやらしい……。わざと見せつけてるの?」
鈴永さんがぼそっと呟いたのが変に響いて。
その時、田中先生と川上先生が大浴場に行こうとしてたのか通りかかった。
「おい、早く部屋に戻れ!
もう遅いんだぞ!
横川先生はこれから風呂ですか?」
田中先生の言葉に怪訝そうなさえ先生が答えた。
「……もう入りましたけど」
「え? ああ」
田中先生がちょっと狼狽えた。
あき先輩が「さえ先生、いろいろうるおい不足。化粧落として保湿した方がいいよ」と言う。
川上先生が笑う。
それからとも先輩を見て「早く部屋に戻れ」と言った。
あれ、あんまり動揺してない。つまらん。
さえ先生が怒ったように「そうよ、若宮さん、そんな露出の激しい格好で公共の場をうろつくなんて学院の品位……」と言いかける。
「鈴永さん達の方が露出激しいですけど?」
私は思わず言ってしまった。
読んで下さり、ありがとうございます。




