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今世と前世と罪と罰  作者: 月迎 百
第4章 岩瀬加奈
89/126

13 寒い……

どうぞよろしくお願いします。

 カウントダウンが始まり、ライトが消され……。目が慣れてくるとすごい星空が頭の上に広がった。

 広がったというより、落ちてきそう。


「プラネタリウムみたい……」


 誰かが呟いた。

 そうなんだよね。こっちが本物で、プラネタリウムはこれを再現しているものなのに。

 うん、それほど星がすごい。作り物みたいな存在感が……、すごい。


 私ととも先輩は一緒にシートにごろんと横になって、寄り添った。


「あ、あれ、北極星じゃない?

 で、あれがひしゃくでしょ」


 とも先輩が空に指差す。


「北斗七星? じゃあ、あれがカシオペアかな?」


 私の言葉にとも先輩の上の方から川上先生が返事してくれた。


「そう、岩瀬、合ってる」


 とも先輩が頭の上の方を見た。そこにとも先輩の頭に直角みたいな角度で川上先生がいた。

 川上先生の向こう側から「け、川上先生、あれが火星ですよね」とさえ先生の声が聞こえた。


「赤い明るいのが火星。あの金色っぽいのが木星かな?」


 川上先生が独り言みたいに言った。


「すご……、吸い込まれそう。怖くない?」


 とも先輩が私に聞いてきて、私は繋いでいる手をきゅっと握って笑った。


「はい、すごい星空……。

 とも先輩と一緒だから、怖くないです」


 私の言葉にとも先輩が笑って「かなちゃん、かわいいっ」とぎゅーっと抱きしめてくれた。

 あき先輩の「イチャイチャ」って声が聞こえ、私の隣のさおりん先輩が「いいなあ」と言った。


「ほら、さおりんもおいでっ!」ととも先輩が言い、私の後ろからさおりん先輩が抱きついてきて、サンドイッチ状態になる私。


「わ、あったかい」


「んふふっ」


 とも先輩がうれしそうに笑ってる。


 その時、流れ星!!


「あ!」「あ、流れ星!!」「すごっ!」「どこ!」とあちこちから声が上がり、なんだかため息の後のように静かになる。


 しばらくして「けんじ、寒い……」とさえ先生の声が聞こえた。


「上着持って来てるだろ」


 さすがに無視はできなかったようで、返事している川上先生。


「バスに置いてきてしまって……」


「さえ先生、これ使う?」


 とも先輩がごそごそして薄手のカーディガンを取り出した。


「薄いけど、着てないよりかはよいかも」


「ありがとうな、若宮」


 川上先生の声が横から聞こえ、川上先生からさえ先生の手に渡ったみたい。でも、川上先生はそのタイミングでとも先輩の横に体勢を変えてきた。

 とも先輩がそれに気がつきびくっとした。


「な、なんで……。さえ先生が寒がってるなら、そばにいないと!?」


読んで下さり、ありがとうございます。

さえ先生が妖怪みたいに思えてきた……。

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