13 寒い……
どうぞよろしくお願いします。
カウントダウンが始まり、ライトが消され……。目が慣れてくるとすごい星空が頭の上に広がった。
広がったというより、落ちてきそう。
「プラネタリウムみたい……」
誰かが呟いた。
そうなんだよね。こっちが本物で、プラネタリウムはこれを再現しているものなのに。
うん、それほど星がすごい。作り物みたいな存在感が……、すごい。
私ととも先輩は一緒にシートにごろんと横になって、寄り添った。
「あ、あれ、北極星じゃない?
で、あれがひしゃくでしょ」
とも先輩が空に指差す。
「北斗七星? じゃあ、あれがカシオペアかな?」
私の言葉にとも先輩の上の方から川上先生が返事してくれた。
「そう、岩瀬、合ってる」
とも先輩が頭の上の方を見た。そこにとも先輩の頭に直角みたいな角度で川上先生がいた。
川上先生の向こう側から「け、川上先生、あれが火星ですよね」とさえ先生の声が聞こえた。
「赤い明るいのが火星。あの金色っぽいのが木星かな?」
川上先生が独り言みたいに言った。
「すご……、吸い込まれそう。怖くない?」
とも先輩が私に聞いてきて、私は繋いでいる手をきゅっと握って笑った。
「はい、すごい星空……。
とも先輩と一緒だから、怖くないです」
私の言葉にとも先輩が笑って「かなちゃん、かわいいっ」とぎゅーっと抱きしめてくれた。
あき先輩の「イチャイチャ」って声が聞こえ、私の隣のさおりん先輩が「いいなあ」と言った。
「ほら、さおりんもおいでっ!」ととも先輩が言い、私の後ろからさおりん先輩が抱きついてきて、サンドイッチ状態になる私。
「わ、あったかい」
「んふふっ」
とも先輩がうれしそうに笑ってる。
その時、流れ星!!
「あ!」「あ、流れ星!!」「すごっ!」「どこ!」とあちこちから声が上がり、なんだかため息の後のように静かになる。
しばらくして「けんじ、寒い……」とさえ先生の声が聞こえた。
「上着持って来てるだろ」
さすがに無視はできなかったようで、返事している川上先生。
「バスに置いてきてしまって……」
「さえ先生、これ使う?」
とも先輩がごそごそして薄手のカーディガンを取り出した。
「薄いけど、着てないよりかはよいかも」
「ありがとうな、若宮」
川上先生の声が横から聞こえ、川上先生からさえ先生の手に渡ったみたい。でも、川上先生はそのタイミングでとも先輩の横に体勢を変えてきた。
とも先輩がそれに気がつきびくっとした。
「な、なんで……。さえ先生が寒がってるなら、そばにいないと!?」
読んで下さり、ありがとうございます。
さえ先生が妖怪みたいに思えてきた……。




