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今世と前世と罪と罰  作者: 月迎 百
第4章 岩瀬加奈
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11 無表情

どうぞよろしくお願いします。

 私ととも先輩も水晶探しに参戦!

 みんなで夢中になって石探しだ。

 川の方へ行ってしゃがみこんで石を見て触っているとも先輩のとこに川上先生が気がついたら行っていて、一緒にしゃがみこんで何か話している。その時、ざわざわって声と何かぞわっとする気配に振り返ると、川を見下ろす道に自然科学部のグループがいて、さえ先生が無表情でじーとこっちを見ていた。無表情、怖い!

 私はちょっとよろけて「かなちゃん!」ととも先輩の声。立ち上がって叫んだみたい。

 さえ先生の無表情に、何かが……走った。


 振り返るととも先輩が一緒に立ち上がった川上先生に肩を抱かれたみたいになってた。たぶん、私を心配して立ち上がった時にさえ先生達に気づいて一歩下がったのだろう。そしたら後ろに立ってた川上先生にぶつかるというか抱き留められたんだろう。

 田中先生が「おーい! 水晶探しができるみたいだぞ!」と声を掛け、自然科学部の子達も合流した。

 とも先輩は慌てて川上先生に「ありがとうございます」って言うと、私とさおりん先輩のところへ来た。あき先輩もこっちへ。


「……さえ先生の顔見た!?」とあき先輩。

「見た見た。何かびびってしてた」とさおりん先輩。

「はい、無表情も怖いですけど、何か……、こわ」と私。

「えっと、確かに背筋がぞっとした」ととも先輩。


 さえ先生が川原を危なっかしく歩きながら「けんじ!」と呼んだ。


『けんじ』!? えーと、川上健司だっけ。

 自然科学部の子達もぎょっとする子と、きゃっとする子といた。


「あ、ごめんなさい、つい……」


 さえ先生が謝りつつ、川上先生の腕に手を伸ばす。

 川上先生はふいっと身を引いて田中先生の方へ行ってしまう。

 さえ先生の手は空中で行き場をなくし……、そしてぎゅっと握りしめられたかと思うと、何故かこっちを睨んだ。

 ひい~っ!!

 私は何も見てません! 慌てて目を逸らした。


「『けんじ』って……。この生徒達がいる所で言うかな!?」


 あき先輩が呆れたように言った。

 とも先輩も苦笑して「やっぱ、元彼女もとかのだよね」と笑った。



 夕方になる前にホテルに戻り、夕食は今日は早目で6時からということと、夕食後8時にロビーに集合、バスに乗り展望テラスに行く話を聞く。


 バスで移動なので集合時間をしっかり守ること。

 山頂で涼しい、寒いこともある。しばらくそこでじっとした状態で星を見るので、冷えない服装をすること。また上着は絶対に持っていくように。

 展望台はホテルの他のお客様や、他のホテルやペンションのお客様も来ている場所なので、静かにすること。

 向こうで温かいお茶がサービスで出るが、心配な人は水筒を持参すること。

 

読んで下さり、ありがとうございます。

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