4 プレゼントの香り
どうぞよろしくお願いします。
プレゼント交換では私はトモ先輩のハンドクリームと入浴剤をゲットした。うふふ。
「いい香り」
ハンドクリームのふたを開けて香りを嗅ぎながらそう言うと「私とお揃い」ととも先輩が笑った。
「うれしっ! 大切に使います!!」
うん、ハンドクリームは使うけど、入浴剤は大切に取っておこう。
新学期が始まった。
3学期はあっという間だ。
すぐ2月の中学入試の試験休み週間になって、受験した時のことを思い出していると、もう学期末。
私は川上先生のことが気になり、ついつい目で追ってしまうようになってたみたい。
同級生のけいちゃんに「川上先生のこと気にしてる?」と聞かれちゃった。
「いや、そういう気じゃなくて、見張ってる」
「あんたは刑事か? 探偵か?」
「あはは、なにそれ!」
「でも、川上先生、前回の期末テストの後、駅近でケンカ騒ぎ起こしかけたとか聞いたよ。
なんかうちの生徒が拉致られそうになって、それを助けたんじゃないかとか。よく知らんけど」
「へー、ケンカなんてしたことなさそうな見た目なのにね」
うん、川上先生って、ちょっと垂れ目だと思う。だから、やさしそうには見える。
「そうか、岩瀬君、ちょっと付き合いたまえ」
「え」
けいちゃんは、HRを終えて教室で生徒達と話したり、帰りの挨拶をして見送ったりしている川上先生に近づくと「先生、質問」と言った。
「試験範囲の雲の覚え方、何かない?」
「何かない……とはずいぶんこっちに丸投げな質問だな。
そうだなぁ。実際の天気と結び付けて覚えた方がいいな。
写真とか、どんな天候になるのか、季節はとか」
「なるほど、ありがとう。
岩瀬も質問あるんでしょ?」
私はびっくりして手を前でぶんぶん振った。
「ない、ないよっ!」
川上先生が『あれ?』という顔をした。
「ハンドクリーム?」
「え?」
私とけいちゃんは意味がわからず川上先生を見る。
「いや、この香り。ハンドクリームかなと」
私は自分の手を見て……、頷いた。
「高一のとも先輩に貰って。お揃いなの」
「ああ、それでか!」
それでか!?
なんで川上先生がとも先輩のハンドクリームの香りを知ってるね!?
「……いい香りですよね」
私は川上先生の顔を見ながら言った。
「あ、ああ、そうだな」
ハンドクリームの柚子の香りとしてじゃなくて、とも先輩の香りと認識してたんじゃ……。
夏の合宿、絶対、24時間体制で見守らなくちゃ!!
読んで下さり、ありがとうございます。




