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今世と前世と罪と罰  作者: 月迎 百
第4章 岩瀬加奈
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2 来年度も

どうぞよろしくお願いします。

 私とさおりん先輩は「「お邪魔しまーす」」と言いながらエントランスに入った。

 おお、広い! けど、すごく、シンプルな感じ。

 そこまでゴージャスじゃない!?


「あはは、ちょっとオフィスっぽいでしょ。このマンション」


 私の表情を見てとも先輩が笑って言った。


 15階と30階に共用スペースがあって、15階の方の和室のお部屋を借りてくれたそう。ガラスの中が見えるドアの玄関があって、トイレと水場がある広めの廊下の奥に襖が見える。

 上がって襖を開けると畳みの広い部屋に大きめのテーブルがあって、もういろいろお菓子とか紙皿と紙コップとか並んでた。

 ゆかり部長が「よっ!」と手を挙げて迎えてくれる。


 とも先輩が家からオーブントースター持って来てくれてて、ピザ焼いてるそう。

「わー、たこ焼きにピザ!」とさおりん先輩は歓声を上げた。

  

 私達はコートを脱いで、水場で手を洗うと、持参した料理を取り出して空いているスペースに並べた。


「何飲む~?」


 とも先輩がコーラと麦茶の大きなペットボトルを抱えて笑っている。


「私やります!」


「いいってかなちゃん。部って言っても4人しかいない同好会みたいなものだし」とゆかり部長が笑う。


「でも、自然科学部とのコラボが認められて、一応部として存続できるんですよね?」


 さおりん先輩の言葉にゆかり部長は肩をすくめて「まあね」と苦笑した。



 みんなで「メリークリスマス!」と乾杯して料理を食べながら、おしゃべりする。


「かなちゃん、これ苦手じゃなかったら、どうぞ」

 

 さりげなく気を遣ってくれるとも先輩。やっぱり、好きぃ……。


「ピザ、好きです! ありがとうございますっ!」


 私はにこにこして紙皿を受け取った。


 話は自然科学部とのコラボの話になった。とても好評だったので、来年度もやるそう。来年度のテーマはもう決まってて『星』だそう。

 一瞬、『月の宮』で月の話も素敵だななんて思った。地球の衛星なんだから、いいんだよね。

 ゆかり部長の話が続く。


「で、夏の自然科学部の合宿に参加できる人は行くことになって。

 星の観察? 天体観測だっけ、そういうのができる場所へ行きます。

 トモちゃんと私も行く予定だから。さおりんとかなちゃんも考えといて!」


「「行きます!」」


 私とさおりん先輩が即答した。

 先輩達と天体観測だなんてロマンチック!

 しかも、お泊り……!

 ゆかり部長がとも先輩をちらっと見た。


「帝も来るから楽しみだね」


 とも先輩が苦笑している。


「ふふふ、ともちゃんが高校生になっても、帝の寵愛が続いてるというか、激しくなってる気がするけど?」


「……気のせいですよ。棟が別れたから、そこまで会わなくなったし」


「でも、こないだ、何かあったでしょ?」


「こないだ? ……いつのことですか?」


「そんなにいくつか心当たりがあるわけ?」


『んー!?』という表情のとも先輩。ちょっと困ってるのもかわいい。


読んで下さり、ありがとうございます。

かなちゃんは名前を平仮名認識してます。

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