2 来年度も
どうぞよろしくお願いします。
私とさおりん先輩は「「お邪魔しまーす」」と言いながらエントランスに入った。
おお、広い! けど、すごく、シンプルな感じ。
そこまでゴージャスじゃない!?
「あはは、ちょっとオフィスっぽいでしょ。このマンション」
私の表情を見てとも先輩が笑って言った。
15階と30階に共用スペースがあって、15階の方の和室のお部屋を借りてくれたそう。ガラスの中が見えるドアの玄関があって、トイレと水場がある広めの廊下の奥に襖が見える。
上がって襖を開けると畳みの広い部屋に大きめの卓があって、もういろいろお菓子とか紙皿と紙コップとか並んでた。
ゆかり部長が「よっ!」と手を挙げて迎えてくれる。
とも先輩が家からオーブントースター持って来てくれてて、ピザ焼いてるそう。
「わー、たこ焼きにピザ!」とさおりん先輩は歓声を上げた。
私達はコートを脱いで、水場で手を洗うと、持参した料理を取り出して空いているスペースに並べた。
「何飲む~?」
とも先輩がコーラと麦茶の大きなペットボトルを抱えて笑っている。
「私やります!」
「いいってかなちゃん。部って言っても4人しかいない同好会みたいなものだし」とゆかり部長が笑う。
「でも、自然科学部とのコラボが認められて、一応部として存続できるんですよね?」
さおりん先輩の言葉にゆかり部長は肩をすくめて「まあね」と苦笑した。
みんなで「メリークリスマス!」と乾杯して料理を食べながら、おしゃべりする。
「かなちゃん、これ苦手じゃなかったら、どうぞ」
さりげなく気を遣ってくれるとも先輩。やっぱり、好きぃ……。
「ピザ、好きです! ありがとうございますっ!」
私はにこにこして紙皿を受け取った。
話は自然科学部とのコラボの話になった。とても好評だったので、来年度もやるそう。来年度のテーマはもう決まってて『星』だそう。
一瞬、『月の宮』で月の話も素敵だななんて思った。地球の衛星なんだから、いいんだよね。
ゆかり部長の話が続く。
「で、夏の自然科学部の合宿に参加できる人は行くことになって。
星の観察? 天体観測だっけ、そういうのができる場所へ行きます。
トモちゃんと私も行く予定だから。さおりんとかなちゃんも考えといて!」
「「行きます!」」
私とさおりん先輩が即答した。
先輩達と天体観測だなんてロマンチック!
しかも、お泊り……!
ゆかり部長がとも先輩をちらっと見た。
「帝も来るから楽しみだね」
とも先輩が苦笑している。
「ふふふ、ともちゃんが高校生になっても、帝の寵愛が続いてるというか、激しくなってる気がするけど?」
「……気のせいですよ。棟が別れたから、そこまで会わなくなったし」
「でも、こないだ、何かあったでしょ?」
「こないだ? ……いつのことですか?」
「そんなにいくつか心当たりがあるわけ?」
『んー!?』という表情のとも先輩。ちょっと困ってるのもかわいい。
読んで下さり、ありがとうございます。
かなちゃんは名前を平仮名認識してます。




