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今世と前世と罪と罰  作者: 月迎 百
第1章 若宮朋佳
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7 自然科学部

どうぞよろしくお願いします。

 文芸部のゆかり部長と私で自然科学部に寄ることになり、中三のさおりんが張り切って言った。


「先輩達、がんばって!

 私とかなちゃんで鍵閉めて帰りますから! お疲れ様でした!」


「お疲れ様、お願いね!」


 ゆかり部長が返事を返し、私はふたりに手を振ってから歩き出した。


「んーと、何を頑張るのだ!? 話を聞きに行くだけだぞ!?」


 歩きながらぼそっと呟くとゆかり部長が肩を震わせて笑う。


「何ですか? 思い出し笑いは不気味です」


 私の言葉にゆかり部長が私の頭を指でツンと突いた。


「そういうとこだぞ! 月の宮!

 黙ってりゃ、美少女なのに」


 前世で黙っているというか、物理的に人と話をさせないように声を出しにくくさせられていたこともあり……。だから、今世では思ったことはできるだけ言いたいと思っている。


 一応、この世界で16年近く生きてるから、言って良い時と場合とかのタイミングは見る、けどね。

 ゆかり部長は大丈夫。私の心の呟きとか、けっこう面白がってくれる。後、アキもけっこう大丈夫。


 自然科学部の部室に入ろうとすると、理科準備室から出てきた真理先生に止められる。


「もうクラブ終わる時間よ! あなた達、自然科学部じゃない……」


 私を見て、さらに眉を片方ピリッと上げたのがわかった。


「……若宮さん、化学の田中先生が呼んでたわよ?」


「田中先生? 係の仕事かな?

 部長、先に田中先生の話聞いてきます!」


「ああ、文化際の話、聞いて待ってる」


 私は理科準備室に入ろうとして真理先生に「田中先生は研究棟の方よ」と言われた。


 田中先生は短大の方の先生でもあって、そちらに個人の研究室を持っている。


「はい、わかりました!」


 私はそのまま研究等への連絡通路の方へ歩いて行き……、背中に視線を感じて振り返った。

 真理先生が私をじっと見ていた。


「……何か?」


「気をつけてね」


 真理先生が言って、準備室に引っ込んだ。


読んで下さり、ありがとうございます。

真理先生は川上先生が普通に好きなので、噂のある朋佳をなんとなく警戒してます。

隠しているつもりだけど、朋佳やアキには気づかれてる感じです。

マユミや周囲の生徒は真理先生が川上先生が好きなんだろうなとはわかっているけど、朋佳にきついことがある……とまではあんまり気がついてない。

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