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今世と前世と罪と罰  作者: 月迎 百
第3章 若宮朋佳
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25 ふわふわする

どうぞよろしくお願いします。

 私はオレンジジュースを飲んだ。

 うん? あれ?


 真理先生がスマホを取り出し「ごめん、ちょっと連絡させて」と言うので「どうぞ」と答えて、もう一口飲んでみた。

 やっぱり……、落ち着いて飲むと、味がさっきと違う?

 私はオレンジジュースのグラスを持ち上げて、半分ぐらい残っているジュースを眺める。

 んー、ちょっとだけ苦いというか……。苦みのあるオレンジジュースもたまにあるけど、さっきはこんな味じゃ……。

 グラスを持ち上げているのが辛くなり、慌ててグラスをテーブルの上に戻した。


「どうかしたー?」


 真理先生の甘ったるい声。

 えっ?

 なんで声が伸びたというか、ふわふわ聞こえる……。

 あれ?

 目も……、なんか視界が狭くなったみたいな……、身体も重い!?


 誰か知らない男性が真理先生の後ろに近づいて来て、振り向いた真理先生が話してる……。


 世界がぼんやりと遠ざかるような、すごくふわふわして変な感じ、頭がうまく働かない!?


「あらー。わかみやさん、たいちょーわるそーねー。

 このひと、わたしのーゆーじんなのー。

 さきに、くるまにのっててー、くれない。

 ここのらんち、おごっちゃうー」


 真理先生の声が妙に上滑りして間延びして聞こえる。聞こえるんだけど、理解しずらい。

 私自身も返事したくても、声が出にくい。


「え……、ま、まり……、せんせ……」

 

 一生懸命話そうと、動こうとするんだけど身体全体が重いというか……。


 その男の人が私の横に来て、私の荷物とコートを持つと腕を引っ張り上げて強引に立たせてきた。


「このこー、けっこう、かわいーじゃん」


 誰?

 嫌なんだけど!

 

 そのまま、支えられたり引っ張られたりして、ファミレスを出たのはなんとなくわかった。

 駐車場?


 なんか止まって、わやわやと人が集まってくる気配? 田中先生や相原君?

 私は男につかまれていた腕を振り払って、駐車場の隅によろよろと這いずるように座りこんで……。

 目の前に側溝があって、いろいろなごみや真っ黒い泥みたいのが……目の前に、ちょっと脂っぽいような変な臭いがして……。

 キモチワルイ……。

 私は思わず、吐いた。苦しい。

 たぶん、アキだと思うけど、女性がすぐ来てくれて、横になってしまいそうな上体を支えてくれて背中をさすってくれた。

 吐き終わると、ハンカチを貸してくれたけど、何とか口元を拭いて……。

 口をゆすぎたいけど、だめだ……。なんだか、気が遠くなって……。

 寒くて、身体が少し震えた……、ああ。


 突然、強く肩を抱かれた。

 温かい……。

 

「若宮っ!」


 川上先生の声。なんか安心して……。私はすうっと意識を手放してしまった。

 

読んで下さり、ありがとうございます。

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