24 復讐
どうぞよろしくお願いします。
「ふ、復讐? 何に?」
何故にこの状況で、復讐!?
その発想はどこから!?
だって、付き合って捨てられたとかじゃ、ないよね!?
真理先生はカバンからファイルを取り出した。
「川上先生について、調査というか、調べたこと。
あなたに先生の本当の姿をぶちまけてやろうと」
「え?」
「だって、川上先生がひどい男だと知れば、あなたも好きになるなんてことは起きないでしょ?」
え? 真理先生はそんな川上先生が好きだったってこと?
衝立の向こうでアキが席を立つ気配がした。私は真理先生の気を引こうと話し掛ける。
「ひどい男?
それが証拠なのですか?」
ファイルをじっと見る。
「気になるでしょ?
これまでの川上先生の歴代彼女とか」
私はあまりの展開に息苦しくなり、唾を飲み込んだ。
知りたいような気もするし、知りたくないような。
オレンジジュースを飲むが、なんだか飲み込みにくい。
何とか飲み込んで……。
そんな私を面白そうに見ながらファイルを開いてこちらに見せる真理先生。
「川上健司、東京生まれ。
小学校から帝慶大付属よ。そのまま帝慶大学卒業。
中、高校生の時から、モテモテで彼女のいない時期はなかったそう」
写真!?
中学生くらいの川上先生。友達と修学旅行みたいな感じ?
女の子とのふたりの写真も何枚かあって……。それぞれ相手が違いますけど……。
真理先生はゆっくりとページをめくる。
高校生、うん、文化祭っぽい。隣にいる女の子と距離が近いな。
私に似てる!?
私がその写真に目を留めたのを見た真理先生が、写真を指差した。
「気がついた?
高校一年生の時にお付き合いしていた彼女。
若宮さんに似ているわよね。彼女には珍しく川上先生からお付き合いを申し込んだそうよ。
でも、高校のうちに別れたそう。
それから、これが大学の時……」
いつも川上先生の隣には女の人がいて。
時々、私に雰囲気が似ている人が……。
「……よく集めましたね、こんな写真……」
「ふふふ、すごいでしょう。
私の友人に帝慶大の子がいて、川上先生と同じサークルにいたのよ。
この子だけど」
写真の中のひとりの女性を指差す。
あ、この人、高校生の時の写真にもいたかな?
大学の大勢写っている写真にはだいたいいるな。
「その子によると、高校のあの彼女と別れてからは、告白されたら基本断らず、とっかえひっかえだったみたいよ。
でも、若宮さんみたいな華奢で黒髪で黒目がちな色白の女の子が好みみたいね。
そういう子とは比較的長く交際してたって。
でも、気がつくと別れちゃって、次って」
何やってんだ、川上先生。
「うーん、それは……、女性の敵、みたいな……」
「そうよね、最低よねー」
真理先生が微笑む。
こわっ。
でも、そんなこと知ってたのに川上先生が好きだったんだんだよね!?
確かに、話を聞いて写真を見たら、ちょっとむかつく。
「川上先生の好感度、かなり下がりました」
私は正直に言った。
これで、真理先生の復讐、終了だよね?
読んで下さり、ありがとうございます。




