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今世と前世と罪と罰  作者: 月迎 百
第3章 若宮朋佳
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23 振られた事実

どうぞよろしくお願いします。

「川上先生はあなたに生徒以上の、女性への気持ちを抱いているって」


「……それは、私には関係ないですよね。

 それに私は……」


「ええ、あなたがちょっと引いてるというか、距離を取ろうとしているのはわかった。

 でも、そうだということは、川上先生の気持ちに気づいていたってことでしょ?」


 私は……。

 そのタイミングでサンドイッチが運ばれてきた。

 真理先生は受け取り、おしぼりで手を拭くとひとつ手に取り「答えは?」と促してきてから、頬張った。


「特別扱いされているのでは? と思うことはあり……。

 そう……、距離を取ろうとしました。

 必要以上に関わらないように、と。

 中学卒業して高校生になれば、接点も減るし、私的にはちゃんと先生と生徒として対応してましたが」


「……でも化学係になったりしたでしょ」


「あれは……!」


 私は苦笑した。


「誰も化学の係になりたがらなくて、田中先生、変人だって噂になってたから……、それで、くじ引いて……」


 真理先生が笑った。


「まあね、それはわかる。信じてあげる」


 ん? どういう話?


「私はあなたを利用して、逆に川上先生と仲良くなろうとしたのよ。

 そして、あなたを川上先生から遠ざけようとした。

 あなたの興味を他へ向けようともしたわ」


 相原君のlineの話ね。


「……で、結局、何が言いたいのですか?

 私と、真理先生がやめることと、どう関係が?」


 真理先生はゆっくりサンドイッチを食べ……。私は黙って紅茶を飲んでいた。

 飲み終わっちゃったよ。

 真理先生は食べ終えると笑った。


「そうね……、結局、私は川上先生に振られたってことになるんでしょうね。

 直接言ってはいないけれど、休みの日に会いませんかと誘ったり、バレンタインは見るからに本命ですってチョコを贈ったり、lineでお疲れ様ですって個別に労いの言葉を送ったり、態度では示してたからね」


 そこで真理先生はコーヒーをぐっと飲みほした。


「次のドリンク取りに行くから、持ってきてあげる。

 何飲む?」


「え……、じゃあ、オレンジジュースを」


「わかった」


 真理先生を見送って、ため息をつく。

 何?

 何が言いたいのかわからない。

 川上先生が私のことを好きじゃないかって、逆恨み?


 真理先生がオレンジジュースとコーヒーを持って戻ってくる。


「ありがとうございます」


 オレンジジュースを受け取りお礼を言う。


「いえいえ」

 

 真理先生は落ち着いて座るとまた話し出した。


「文化祭の、あのタロット占いで、私は結局振られて……。

 あの女性って、あなたのことでしょ?」


 私は困った。本当にわからない。


「……わかりません。

 もしかしたら、私のことかもと……。

 友人にも4年前って私達が入学した年だよね、と言われたけど……。

 私にはわかりません」


「そう……、まあ、いいわ。

 私が振られたことは変わらないから。

 で、私は復讐することにしました」

読んで下さり、ありがとうございます。

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