18 内緒の相談
どうぞよろしくお願いします。
試験一週間前、部活はない。
田中先生なら、今、科学の授業受けてるから、勉強のわかんないところを質問とか言いながら、相談できる。
アキが一緒に行ってくれることになり、理科準備室に声を掛けてくれることになった。
アキが準備室に声を掛けると、田中先生が出てきて、ドアを閉める。
私は準備室のドアが閉まったのを確認して、そそそっと近寄った。
「あれ?」と田中先生が怪訝そうだ。
私は口の前に指を立てた。
「相談があって」と小さな声で言って、準備室を見る。
田中先生はその場を離れたいのだなとすぐわかってくれて「じゃあ……、研究室の方へ」と歩き出し、私とアキはついて行く。
角を曲がり、短大棟に入るとほっとした。
研究室に入れてもらって「で、若宮の相談なのか?」と聞かれる。
「はい、真理先生のことなんですけど……」
「真理先生!?」
あ、川上先生のことだと思ってたのか?
私は真理先生に話があるから個人lineを繋げて欲しいと言われたこと。
マユミから今年度で辞められると聞いたので、じゃあ、なんでだろうと思って躊躇していることを話した。
「……実際、私と真理先生、仲が良くないというか。
田中先生も気づいているかもだけど、お互い、相性悪いというか……」
私の話に田中先生が苦笑する。
「それで、俺に相談?」
私とアキは頷いた。
「……ふむ。川上先生には相談しずらいか。
確かに真理先生は今年度で辞める。
まあ、川上先生絡みだと思うが……」
え? なんで絡むん?
「文化祭で、占いとかって噂になってるの、若宮だろ?」
私とアキは顔を見合わせる。
「はい、私は川上先生を占いましたけど、私が勝手にやったんじゃないし、川上先生との相性を占ってくれって言ったのは真理先生で、直前に違う人のことを占ってと言ったのは川上先生だ」
私が感情を込めずにつらつら話すので、田中先生が変な顔をする。
「でも、それで、真理先生が川上先生に振られたってことになってるんだろ」
「んー、だから、私は関係ないって!!」
田中先生は思いついたように言った。
「お前ら、もう帰る仕度してきたのか?」
「はい、もう、靴履き替えれば、帰れます」
アキがカバンを持ち上げて見せながら言った。
「じゃあ、靴、履き替えて来い。
ここはもう土足OKだ」
「繋がってる校舎なのに、それって変じゃね?」
アキが笑って突っ込んでから、私に言った。
「トモはここにいて。私が替えてきてあげる」
え、上履き、めっちゃ汚いんですけど……。
「いいからいいから」と言いながらスーパーのビニール袋を鞄から取り出し「ここに入れて」と言うアキ。
「よろしくお願いします」と汚い上履きを入れると「んじゃ、行ってくる」と出て行った。
「いい友達だな」と田中先生が笑う。
「はい、親友です」
「若宮、川上先生とは本当に何もないのか?」
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