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今世と前世と罪と罰  作者: 月迎 百
第3章 若宮朋佳
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57/258

15 好き

どうぞよろしくお願いします。

「ずるい……。

 いや、ずるいのは私もか。いいわけばかり探してる」


 シャワーの音が響いてきて、びくっとした。

 私は立ち上がる。


 コートを脱いでハンガーにかけた。その下に靴を置く。

 ジャンパースカートを脱いで椅子の背もたれにかけた。

 靴下、薄手のタートルニットを脱いで畳んで椅子の座面に置く。長めのキャミソールも脱いで畳んだ。

 何やってるんだ私?

 私だってシャワー浴びたい。 

 そう思ったら、残りの下着もさっと脱いで置いた。

 素っ裸でさむっ!

 シャワーの音が止んだので、慌てて、バスルームのドアの後ろになる位置に隠れた。

 裸足だから、音しないもんね。


 ドアが開いて、先生が出てきて、ベッドの方へ歩きだしながら、ドアを閉めかけて……、気づいてない。

 私はさっとドアからバスルームに入り込んで、鍵をかけた。

 鏡に裸の私が映ってる。


「バカだな……、私」


 シャワーを浴びたら、もっと寒くなった。

 棚の上のバスタオルを巻きつけて出ると、先生が待ち構えてて、捕まえられるみたいに抱きしめられた。


「いいってことだよな」


 私は頷いた。

 前回、力ずくだったけど、先生、避妊はちゃんとしてくれてたから、それは大丈夫だよね。


「タロットの答え。

 前世はどんなに傲慢でも、今世は寂しかったんでしょ?

 私に出会えるかもわからなかったし。ひとりで、ずっと。

 あ、でも、先生はそれなりに、彼女とかいたよね、きっと。

 そうだよ。もうお互い、前世を引きずるのはやめよう。

 今の私は、あなたのことが好き。

 だから、卒業するまでは、危ないことはしないで」


「わかった……、できるだけ善処する」


「善処って……」


 私は苦笑した。そういうところ、前世と……。ああ、もうこう考えるのやめなきゃ。


「……好きなの。

 でも、この思いで、先生を破滅させたくない。

 だから、私はちゃんと生徒でいたい。

 ああ、言ってることと、やってることと、違い過ぎるな……、だけど……」


「わかってる。

 今だけはってことだろ」


「うん、今だけは……」


 先生の温かさが好き、欲しい。

 温めて欲しい。私を。

 そして、私の存在が先生の孤独を癒せるなら、それで、今はそれだけで、いいかな。


「……スマホ、入れてないよな?」


 先生が確認するように言った。


「え、あ、プラネタリウムで切ったままだ」


「そっか、良かった……」


 先生は笑った。

 プラネタリウムで電源切るように言ったのは、このため、だったのか!?


読んで下さり、ありがとうございます。

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