15 好き
どうぞよろしくお願いします。
「ずるい……。
いや、ずるいのは私もか。いいわけばかり探してる」
シャワーの音が響いてきて、びくっとした。
私は立ち上がる。
コートを脱いでハンガーにかけた。その下に靴を置く。
ジャンパースカートを脱いで椅子の背もたれにかけた。
靴下、薄手のタートルニットを脱いで畳んで椅子の座面に置く。長めのキャミソールも脱いで畳んだ。
何やってるんだ私?
私だってシャワー浴びたい。
そう思ったら、残りの下着もさっと脱いで置いた。
素っ裸でさむっ!
シャワーの音が止んだので、慌てて、バスルームのドアの後ろになる位置に隠れた。
裸足だから、音しないもんね。
ドアが開いて、先生が出てきて、ベッドの方へ歩きだしながら、ドアを閉めかけて……、気づいてない。
私はさっとドアからバスルームに入り込んで、鍵をかけた。
鏡に裸の私が映ってる。
「バカだな……、私」
シャワーを浴びたら、もっと寒くなった。
棚の上のバスタオルを巻きつけて出ると、先生が待ち構えてて、捕まえられるみたいに抱きしめられた。
「いいってことだよな」
私は頷いた。
前回、力ずくだったけど、先生、避妊はちゃんとしてくれてたから、それは大丈夫だよね。
「タロットの答え。
前世はどんなに傲慢でも、今世は寂しかったんでしょ?
私に出会えるかもわからなかったし。ひとりで、ずっと。
あ、でも、先生はそれなりに、彼女とかいたよね、きっと。
そうだよ。もうお互い、前世を引きずるのはやめよう。
今の私は、あなたのことが好き。
だから、卒業するまでは、危ないことはしないで」
「わかった……、できるだけ善処する」
「善処って……」
私は苦笑した。そういうところ、前世と……。ああ、もうこう考えるのやめなきゃ。
「……好きなの。
でも、この思いで、先生を破滅させたくない。
だから、私はちゃんと生徒でいたい。
ああ、言ってることと、やってることと、違い過ぎるな……、だけど……」
「わかってる。
今だけはってことだろ」
「うん、今だけは……」
先生の温かさが好き、欲しい。
温めて欲しい。私を。
そして、私の存在が先生の孤独を癒せるなら、それで、今はそれだけで、いいかな。
「……スマホ、入れてないよな?」
先生が確認するように言った。
「え、あ、プラネタリウムで切ったままだ」
「そっか、良かった……」
先生は笑った。
プラネタリウムで電源切るように言ったのは、このため、だったのか!?
読んで下さり、ありがとうございます。




