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今世と前世と罪と罰  作者: 月迎 百
第3章 若宮朋佳
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8 合ってる

どうぞよろしくお願いします。

 その女性は真理先生のことではないってことだよね?

 真理先生なら、わざわざ言い直す必要ないし、4年とかそんなこと言われても……。


 川上先生の初恋の人とか?

 私でもない……、他に好きな人がいる?

 なんだ、なら、なんでさっき、あんなこと!?

 それより前に、なんで……。

 

 もう何だかわからなくなって、私は考えることを放棄した。

 私はただの占い師で、この人はお客さん!!


「……では、準備します」


 カードを混ぜて、山を作り、さらに分けて、再び山にする。


「その、再会した気になる彼女さんのことを考えながらカードを崩して両手で混ぜて下さい」


 そのお客さんは、真剣な表情でカードを混ぜる。

 私は少し様子を見つつ、シートを机の中から取り出した。


「いいと思ったら、順番にこのシートの上にカードを並べて下さい」


 机の上を滑らせてシートを示す。

 お客さんは、前に置かれたシートに過去、現在、未来とカードを置いた。


 クラスの子達も見に来てる。最後のお客で、しかも学校の先生だもんね。

 いやいや、お客さん!

 集中集中!


「過去……、『皇帝』逆位置……」


 私の中で、何かが……。

 もしかして……。


「えっと……、傲慢で身勝手。力づくで無理に物事を進めようとする……」


 声が震えた。

 川上先生が笑った。


「当たってるよ。そう、その通り。合ってる」


 何がその通りだ。

 現在のカードを開く。


「……現在。『隠者』逆位置。

 孤立や閉鎖的という状況を現します。

 感情だと悲観するとか……」


「……合ってる」


 占う度に『合ってる』っていうのやめてくれないかな。

 占い師の私ではなく、若宮朋佳っていう、いや、前世の私に言ってるの?

 前世から今世に、ここに流されて……。


「では未来。『死神』?」


 ずいぶんなカードに私は驚いた。

 私の言葉に周囲の見ている子達の雰囲気がざわっと変わるのがわかり、小さな叫び声なんか聞こえた。


「逆位置ですね。

 このカードは正位置だと破局とか終わりとかを示すけども、逆位置だと、再スタートとか、状況が変わって新たなスタートを切るとか、新たな展開を迎えるとかのいい意味にも取れます。

 これは先生が好きなように解釈したらいいと思います」


 私は川上先生の相手を知らない。

 もしかしたら………、前世を通しての私、なのかもとも思うけれど、違うかもしれないし。

 もう、判断はできないから、結果は川上先生が決めればいい。


 川上先生は笑った。


「未来か……。そう時期が来れば、彼女との関係が変わるんだ。合ってるよ」


 時期が来れば、変わる関係……。やっぱり、私……、いや、まだ、わからんもん。


「は……、それは良かったです」


 なんか気の抜けたような返事しかできず、カードをまたまとめ始める。

 川上先生はアキに促されてお土産カードの方に行ったけど、私はもうそちらを見る、つもりはない。

 なのに「誰かと思ったら、麻岡か!?」という先生の言葉にくすっと笑ってしまった。


「すみませんね、らしくないかっこしてて。

 トモ、占いの才能あるかもですね」


 なんてアキの言葉が聞こえて。

 私の周りの子が「ね、若宮さん、私も占って!」と言い出した。


読んで下さり、ありがとうございます。

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