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今世と前世と罪と罰  作者: 月迎 百
第3章 若宮朋佳
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5 ごめん

どうぞよろしくお願いします。

 私の前には相原君が座った。なんか照れくさくなって、わざと手もみしながら「何を占いまひょか?」と明るく言った。


 相原君は真面目な顔で言った。


「……気になっている人とのことを」


 ほう!?

 私はカードを混ぜながら聞いた。


「女性? 男性?」


「女性。最近、バスケの試合観戦で知り合って。

 なかなかline繋いでくれない、女の子」


 ん?

 それって、私のこと!?

 他にそういう子がいるとか……、はさすがにないか……。


「それを、私が占うの?」


「ぜひ」


「まあ……、カードを選ぶのは相原君だから……」


 私は混ぜていたカードを山にしてから、三つに分け、積み直し、また崩して、再び山にまとめ、手を離して相原君に告げた。


「その……彼女のことを考えながら、このカードの山を崩して両手で混ぜて下さい」


 私の指示に真剣な表情で混ぜる相原君。

 本当に真面目でいい人なんだけど……。

 私は複雑な気持ちでそれを見ながら机の中から現在過去未来のシートを取り出し、机の横の方に滑らせるように出してさらに指示する。


「そして、混ぜ終えたら、順番に3枚、選んでここに並べて下さい」


 相原君はもう少し混ぜてから、頷いて、過去、現在、未来のカードを選び、伏せた状態でシートに並べてくれた。


「では、過去から順番にカードを読み取っていきます」


 私はカードの上下が変わらないように横に開く。

 女性と獅子の絵柄が見えた。


「『力』正位置。

 強い意志、理性的で自制できる……。

 相原君のこと? 私のこと?」


 ちょっと脱線してしまった。いや、本能的な獅子を力で押さえられないから理性で押さえ付けるってカードなんだよね。

 つい、自分を重ねてしまった。獅子は……、あの人だ。いや、自分の心の中の恋心?

 いや、これは相原君の占い!!


「……現在。『吊るされた男』の逆……」


 私は息を飲んだ。


「ん、逆位置。無駄な努力……」


 相原君が苦笑する。そりゃそうだ、その思いが無駄と言われたら……。

 次、行こ! 次!


「未来は……、『運命の輪』の逆位置。

 振り回される、チャンスを逃す……」


 ああ、これだけはっきりしているのは、笑うしかない。

 つまり……。


「彼女はやめとけってことだね」


「合ってる?」


 相原君に聞き返される。

 私は真顔になり答えた。


「合ってるんじゃ、ないかな?」


 それから、隣の机のマユミ達を見る。

 きっといいカードが出ているんだろう。

 楽しそうな表情と笑い声。

 私は、そちら側には行けない。


「うーん、そうか」


 腕組みして唸る相原君。

 私は相原君に謝る。


「ごめんね、いいカードが出なくて」


「いいカードが出た方が良かった?」


 なんで聞き返されるのだろう?

 私は……、この結果で、ほっとしている、のか。


「……ううん、これで良かったと思う」


 ごめん。


 相原君は頷いて立ち上がり「ありがとう」と言ってくれた。

 アキと一緒にお守りカード選びのところに向かう。

 私はふーっと小さくため息をついた。

読んで下さり、ありがとうございます。

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