3 面倒だな
どうぞよろしくお願いします。
なんか面倒……。
私はアキに「ちょっと行ってくる」と一言告げて川上先生の所に行く。
「楽しそうだな」
「来てくれた友達を案内してるだけ。
先生も出てきて説明してあげたら?
なんか、みんな石好きみたい」
みんなの方を振り向きながら伝えるが、そのまま促され、準備室へ足を踏み入れるとドアを閉められる。
準備室には誰もいない、と気がついたら、急に抱きしめられてキスされた。
な、な、なに!?
私は一瞬、血が逆上するんじゃないかと思うくらいびっくりしたけど、この人ならやりかねないかと急に冷静になり、突き放した。
「やめて下さい、戻ります」
「男といるの、見せつけてる?」
「は? そんなわけないでしょ」と言いながら、口を手の甲で拭った。
「目立ってる。羽目を外すなよ」
なんかイライラしてるのか?
先生の態度に私もイラっとして無言でドアを開けて出た。
アキが「何だったの?」と聞いてきて「何でもない。なんか羽目を外すな的なことを……」と答える。
相原君が「なんでそんなことを?」と訝し気に聞いてきた。
私だって、わからない……、いや、少しわかるかも。
「心配してるんじゃない?
問題を起こすなって。何か、私、目立つらしいし……」
本当に面倒。だけど、嫉妬されたことにうれしいと思ってしまう私もいる。
ああ、なんか、先生の術中にはまってない!?
もう、しっかりしなきゃ!
あちこち覗きながら、高校棟へ行き、そこで相原君達と別れた。
私達はクラスの出し物の当番があるからね。
後でクラスに来てくれるそう。
クラスに行くと、私は衣装係の子に赤いひらひらの布を巻きつけられる。
ベールのようなのも被らされ、金色の大ぶりのアクセサリーをじゃらっとつけられた。
いや、昨日の当番の格好見て思ったけどさ、これ、本当に占い師の格好なの!?
写真を撮って見せてもらうと、前世の私の姿が思い出された。
服装は全然違うんだけど、赤のひらひら……。
そう、あの人の『俺の金魚』って言葉を思い起こさせた。なんだか、もうすごく遠い。
あの人は川上先生と同一人物だけど、違うというか、私ももう前世の姫ではないというか……。
変な感じだ。
マユミは水色で……。うん、全然占い師に見えない。
まあ、なんちゃっておみくじ的なタロット占いだし、いいのかな。
アキはジャージのまま。うん……。アキにこそ、着せてみたい。
占いの当番を始めてしばらくすると相原君とソウヤ君が来た。
「占いかあ……。ありゃマユミちゃん、お姫様みたい!」
ソウヤの声が後半跳ねあがる。へーの次はありゃか。でも、私の中でソウヤ君はチャラ男から少し好感度が上がった。マユミのことを大切に思ってくれているらしいのが感じられたから。マユミもうれしそうだし、いいよね、こういう……。
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