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今世と前世と罪と罰  作者: 月迎 百
第2章 麻岡亜希子
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10 誰?

どうぞよろしくお願いします。

 真理先生のことではない。

 真理先生は私達が中2の時に学院に来たから、まだ3年だし。あ、でも、短大でここに来てたか?

 でも、どう考えても違うって感じだよね。

 真理先生なら、わざわざ言い直す必要ないもの。

 川上先生の中高の時の初恋の人とかで、仕事で再会とか?


 トモは無表情で「……では、準備します」と言いながら、カードの山を作って、まとめた。


「その、再会した気になる彼女さんのことを考えながらカードを崩して両手で混ぜて下さい」


 川上先生は真剣な表情でカードを混ぜる。

 それを見ていて、私はさっきのアイハラを思い出した。

 目の前のトモのことを思ってカードを混ぜていたアイハラ。

 川上先生からも同じような、そんな感じがしたのだ。

 まさかね?

 年齢的におかしいもん。


「いいと思ったら、順番にこのシートの上にカードを並べて下さい」


 机の上を滑らせて川上先生の前に置かれたシートに過去、現在、未来とカードが置かれた。

 クラスの子達も見に来てる。

 真理先生の方はあまり良くない結果だったようで「私のなんちゃって占いだから!」なんてピンクの子が言って慰めていた。

 で、そのまま、川上先生の占いを見ているよう……。

 この場で川上先生が違う好きな女性の話をしたわけで、占い云々ではなく、最初から振られてたも同然だよね。


「過去……、『皇帝』逆位置……」


 トモの声が少し震えた。


「えっと……、傲慢で身勝手。力づくで無理に物事を進めようとする……」


 川上先生が笑った。


「当たってるよ。そう、その通り。合ってる」


「……現在。『隠者』逆位置。

 孤立や閉鎖的という状況を現します。

 感情だと悲観するとか……」


「……合ってる」


 また、川上先生の言葉が響いて、トモは少し驚いたような表情をした。


「では未来。『死神』?」


 見守っていた生徒から悲鳴のような声が上がる。

 真理先生がちょっと微笑んだような……。


「逆位置ですね。

 このカードは正位置だと破局とか終わりとかを示すけども、逆位置だと、再スタートとか、状況が変わって新たなスタートを切るとか、新たな展開を迎えるとかのいい意味にも取れます。

 これは先生が好きなように解釈したらいいと思います」


 占い師が占い投げちゃったよ。

 

 川上先生は笑って「未来か……。そう時期が来れば、彼女との関係が変わるんだ。合ってるよ」と言って立ち上がった。」


「は……、それは良かったです」


 トモはそう言ってカードをまたひとつの山に戻し始める。

 私は川上先生をカードを選ぶ場所に連れて行く。


「誰かと思ったら、麻岡か!?」


「すみませんね、らしくないかっこしてて。

 トモ、占いの才能あるかもですね」


「ああ、なんか、すっきりしたよ」


「初恋の人とかですか?」


 カードに詳しい子が来て突っ込んだ質問をした。


読んで下さり、ありがとうございます。

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