10 誰?
どうぞよろしくお願いします。
真理先生のことではない。
真理先生は私達が中2の時に学院に来たから、まだ3年だし。あ、でも、短大でここに来てたか?
でも、どう考えても違うって感じだよね。
真理先生なら、わざわざ言い直す必要ないもの。
川上先生の中高の時の初恋の人とかで、仕事で再会とか?
トモは無表情で「……では、準備します」と言いながら、カードの山を作って、まとめた。
「その、再会した気になる彼女さんのことを考えながらカードを崩して両手で混ぜて下さい」
川上先生は真剣な表情でカードを混ぜる。
それを見ていて、私はさっきのアイハラを思い出した。
目の前のトモのことを思ってカードを混ぜていたアイハラ。
川上先生からも同じような、そんな感じがしたのだ。
まさかね?
年齢的におかしいもん。
「いいと思ったら、順番にこのシートの上にカードを並べて下さい」
机の上を滑らせて川上先生の前に置かれたシートに過去、現在、未来とカードが置かれた。
クラスの子達も見に来てる。
真理先生の方はあまり良くない結果だったようで「私のなんちゃって占いだから!」なんてピンクの子が言って慰めていた。
で、そのまま、川上先生の占いを見ているよう……。
この場で川上先生が違う好きな女性の話をしたわけで、占い云々ではなく、最初から振られてたも同然だよね。
「過去……、『皇帝』逆位置……」
トモの声が少し震えた。
「えっと……、傲慢で身勝手。力づくで無理に物事を進めようとする……」
川上先生が笑った。
「当たってるよ。そう、その通り。合ってる」
「……現在。『隠者』逆位置。
孤立や閉鎖的という状況を現します。
感情だと悲観するとか……」
「……合ってる」
また、川上先生の言葉が響いて、トモは少し驚いたような表情をした。
「では未来。『死神』?」
見守っていた生徒から悲鳴のような声が上がる。
真理先生がちょっと微笑んだような……。
「逆位置ですね。
このカードは正位置だと破局とか終わりとかを示すけども、逆位置だと、再スタートとか、状況が変わって新たなスタートを切るとか、新たな展開を迎えるとかのいい意味にも取れます。
これは先生が好きなように解釈したらいいと思います」
占い師が占い投げちゃったよ。
川上先生は笑って「未来か……。そう時期が来れば、彼女との関係が変わるんだ。合ってるよ」と言って立ち上がった。」
「は……、それは良かったです」
トモはそう言ってカードをまたひとつの山に戻し始める。
私は川上先生をカードを選ぶ場所に連れて行く。
「誰かと思ったら、麻岡か!?」
「すみませんね、らしくないかっこしてて。
トモ、占いの才能あるかもですね」
「ああ、なんか、すっきりしたよ」
「初恋の人とかですか?」
カードに詳しい子が来て突っ込んだ質問をした。
読んで下さり、ありがとうございます。




